だりあダリア眼に突き刺さる冬の朝
炭酸の泡が逃げ出す冬の朝
草紅葉宙をみつめる遺影かな
{引用=この句は太陽書房のipプロジェクト十冊記念特別版テーマ詩集「will(テーマ遺言)」へ寄せ ....
妻が去り冷めたメザシを齧つてゐる
黒猫よ冷めたメザシに見向きもせず
オヤ メザシ、あんたも影が無いのかい?
メザシの子海に返さうと四苦八苦
道ばたで目をつむり見る秋の風
曼珠沙華 倒木の根の間から
秋の蝶 仁王の鼻に羽休め
川風に羽黒蜻蛉の睦まじく
気球:話は飛んで空には気球
割れるほど冷たい色の地中海
Méditerranée : sous le ciel degagé il grêle sur la mer bleue
賛美歌の歌詞知らぬ我に光さす
バイク乗る男の肩に蟷螂が
車掌のズボンは真つ赤で水玉だ
揺りかご揺らす右手に皺は無い
Dans des lumiéres de l'ancien Bordeaux tout le monde marche comme la mort.
ボルドーの光は古く死が歩く
あおいコーヒーミルが回す秋
こおろぎの歌が聞こえる独り部屋
{引用=箱舟の乗り合い名簿の吾が名消し}
河童の鋏青い大学ノート横切る
中秋や林檎齧る音響きをり
青い薔薇の花の実は何色だろう
仙石原ノーストリリアの羊たち
東雲にオリオンと冬の大三角
夕焼けが夕映えを連れてやって来た
栗、クルミ、君らの双葉は分厚かろう
ウデ ....
空の地図夏の終わりに書き終える
炎から炎をちぎる秋であれ
鈴の塔そのままの目に鳴りわたる
鉛筆で自害する夜のおだやかさ
隠れ ....
みしりみしり音たてながら青杏
木洩れ日の花溶かすかな桜桃忌
熱帯夜理科室の闇吸い込まれ
マネキンと踊りたくなる熱帯夜
熱帯夜マネキンどもが夢の跡
夏蝶や県境越えて亡命す ....
さみしがり
光のような
蝉時雨
仮住まい我には詣る墓もなく
夏つばめ塔婆の高さ測るよに
抱腹の態で果つるや油蝉
ある夕暮れのこと。お盆と言っても都会では親戚付合いの廃れた昨今、詣るべき墓も精霊棚もなく、せめても近隣の地蔵堂 ....
行き止まりバラスト積んだ荷車のあり
おくり火や夜の静かに澄む星へ
今朝秋や鏡に映す沈黙を
ふと覚める鳥のあいさつ今朝の秋
朝顔のうつむく空にさようなら
カブトムシ うずくまり居る 雨もよう
2011.06.20
空晴れて町に溢れた人消える
睡眠薬:意識は冴えて四肢眠る
向日葵の陽に透ける風のゴッホかな
一つ葉や仄暗き朝目をひらく
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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