美術館の冷たい空気吸う
つかまえた! 石灯籠の丸き宇宙に
夏帯を解いて自由になる私
戻りたいサンズイ連れて涙梅雨
今だけを夏野にきざみ生きていく
あの頃は虹だけ見てればよかったね
ブロークンハー ....
蝉  時  雨  ゆ  め  の  入  り  口  見  つ  か  ら ....
ニイランの 浜に革靴 逝少年
金魚拾う 青き畳に 影ひとつ
ラッキョウを舌で転がすアマゾネス
せせらぎを聴いて寝転ぶ梁の上
釣り忍ふたつみっつと増えていく
FRISKをガシガシ噛んで小暑かな
午後からの授業をフケて青田道
花南 ....
南南西この夏の初遠花火
風の中こちらへも来よ遠花火
風の中ビルの狭間に遠花火
風の中少し歪んで遠花火
いついつか今際の際にも遠花火
頑張って高く上がれよ遠花火
背伸 ....
渡る世間にエロ
白紙のラブレター炙ろうとして燃える
釣り堀の釣られる魚釣れぬ人
JR三鷹で降りて桜桃忌
短夜や痴豚のラジオ聞いており
南天の花に雨粒直撃す
夏至の日が一番嫌い吸血鬼
藻の花や子供に会えぬ日は続く
....
山吹や夜になっても咲いている
故郷の駅舎のひさし燕の子
ツバメ飛ぶや水たまりに映る空青し
白いシャツ 黒いスカート ツバメ女史
不毛なる議論みなつきたちばなし
駆け引きの万策みなつき体当たり
やがてみな月へと帰る夜の姫
一人来て百人去った視界かな。
美人にもブスにも無言皐月富士
軸足に体重のせて茄子の花
ケータイが鳴らないままで梅雨入りす
焼酎を焼酎で割り狭い部屋
ビードロに息を吹き込む人魚姫
境内のいたるところに蝉 ....
指先の匂いを嗅いでいる猫も影一つ
蛍舞う哲学の道繋いだ手
東京は蛍に夜を与えない
蒼い火は霊子凝縮した蛍
恋やもめモールス信号打つ蛍
自分のことを棚にあげてヤジる
目覚めると夜が転がっている
巴里に咲く真紅の薔薇の下に猫
青かびを纏へるチーズ
喜びも光も食べる蝿の王
短めに髪の毛切って芒種かな
葛切りと京の祇園の唇と
蟷螂の子供びっしり葉の裏に
ロッ ....
夏羽根に着替えた白球池の中
夏のプール青い寒天切る名手
花体にもさくら{ルビ一片=ひとひら}にもさくら
一人にもさくら大勢にもさくら
木末にもさくら手のひらにもさくら
都会にもさくら陸奥にもさくら
野山にもさくら街ごとにもさくら
....
二股をかけた人にも麦の風
初めての親子連弾麦嵐
小満の木漏れ日サカナに変わる朝
毛虫さえ季語になってる人気者
生まれては消え生まれては消え毛虫
空豆のクリームパスタおうち ....
五月雨の
父亡きあとの
音を聴く
楊芽吹き夕日の果ての梨樹園
文字もなくベランダに茂るパピルス
仲間からはずれてひとり夏の下
風の歌を聞かされし人新樹かな
軽快な暴力喰らい青葉潮
鹿の子のおめめに映る朝の月
笛の音が闇を引き締め薪能
エメラルド色の泉に身を投げる
....
斎王代今年も俺は選ばれず
巡回す少年補導夏祭り
賀茂祭馬に乗ってる婦警さん
後ろから牛車押す人懸葵
チョモランマ チョモランマ 世界一
死んでゆけ死んでゆけ答えなど無い
世間体 世間体 事故死
星を割る 星を割る ただ美しい
誰ですか 誰ですか 私
綺麗な女 綺 ....
さよならも
死んでしまえば
言えないわ
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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