美しい赤ん坊のこぶしには滅びの言葉握られていた
怖い雨、怖い光を浴びまくり僕らは汚い名前をもらう
眩しくて見えない僕らの遺伝子に刻み込まれる悲しい記憶
誓い合う幼い僕たち ....
地球抱く ひきしおみちしお しをあそぶ 母なる乙女 膨らむは胎
空裂けて 朝来たる浜 歌響く 乙女の足元 積みあがる吾子
眠る午後 島は予感に慄いて 赤い花の咲く 赤い花の散る
....
鳴り響くゴングが開く俺の目は何も見てないすべてがシロだ
殴られる俺を見れないそう言った妻の祈りがリングに上がる
正義など存在しない。わき腹に喰らう一撃 あぁ、わかったよ
お前にもバー ....
あとちょっとだけ好きでいる さよならを上手にいえたご褒美として
木の船を揺らすな無邪気に邪な者ども汲めぬ柄杓を渡す
同胞よ騒ぐな天のあれもまた汲めぬ柄杓だ海は終わらぬ
天水は恵みの雨でも海水を薄める毒ぞ海のものには
手繰られて深きものども深みから湧けよ鵜 ....
太陽は誰が奪った洪水のようにまばゆい詩歌たちいづこ?
ゆうえんち、どうぶつえんにすいぞくかんみんなほろびてしまえきみとか
ぼくはもう崩れてしまう塔の上きみの手首を紫にして
....
夕焼けが差し込むような窓を見る 背中に回るのは反則と思う
くちびるが声を発することをやめ ただ感触が伝わるだけの
指を組むようにあなたの腕を脚を 隙間なく組み近くへもっと
....
尾を巻いて逃げることすらできなけりゃそのままそこに寝てろ負け犬
まず一人リングに沈め駆け上がる テーマソングはもう決めてある
無意識だそこにお前が立ったからお前を殴る 夢など見ない
....
頭にも手にも胸にも眠りにも 君がまわって中毒症状
かじかんで走り出せない こんな日に限って君の声が聞きたい
毒りんご食んで死にたい 口付けで君が生かしてくれるというなら
酸素など ....
リンス・イン・シャンプーにする(一刻も早くあなたに抱きしめて欲しい) (詠題「シャンプー」)
「生きながらロックンロールに葬られ」
墨痕淋漓なる祖父の墓碑銘 (詠題「ロックンロール」)
....
鱗粉を撒く蝶々を姉が追い
便りもとうに絶え果てて、二月
珈琲の苦さも世界のおしまいも二月の書棚に封印されて
死してなほ国歌と定めし
{ルビ売女=ばいた}をば二月の空に弔う君が代
....
かたすみでねじれ階段きしむよう影の向こうにりんごがひとつ
ざらざらの砂の床にて白昼夢目覚めて部屋にはりんごがひとつ
マンションの五階の窓から落ちてきた青空に映えるりんごがひとつ
....
雪解けを 待ち侘びている 下草の 息吹伝わり 春を感じる
雪深き 森の{ルビ静寂=しじま}に 深々と 降り積もるのは {ルビ凍解=いてど}けの音
偶然に君の面影着る人と箱に入れば時間が止まる
似ていない仕草と声に安心し似ている姿影を追う吾
たぶん そう 心が恋に堕ちたのは君が優しく抱きしめた時
....
しのぶれど 顔にいでにけり わが変は ホモや思うと 人の言うまで
夕影に マーブル ひとり ぽつんと おり
よろこびも いまは かなしき まーぶるの コスモスの なかに いた ひを おもう
ねーちゃんは よめに いくよと 弟に 告げし 君の 目 みた ....
南町二丁目電話ボックスでさらってくれる人を待ってる
ガキ大将なんて嬉しいものじゃない道具で殺せるジャイアンのこと
死ぬ星が一番光る 遠吠えを聞いた僕らのつく嘘みたく
....
漠然と自問自答が煮詰まれば頭がなぞるチェーンステッチ
ひとりでは出せない答え 明け方に鳥はどうして西へゆくのか
ほっぺたをシーツにつけて休日の速度について考えている
卵黄でよごれた皿に訊いてみる「今夜あなたは帰ってくるの」
遠回りしたとふ君の背に延びる一本道は凛とすずしげ
それぞれの身体と中身が並んでて同じ夕日を見つめて黙る
雪だるまの背中に続く足跡に「おうちに帰ろう」白猫が鳴く
去る音がしんしんと行く雪道のはなせない手のさすらう体温
欠けていく月に答えを見失う車窓にゆれる横顔抱いて
午前三時 ....
エアコンの温風だけでがまんするあなたがなでてくれないときは
ケータイの震えをピッと指で止め、いつもの声にからだ温もる
「何してた?」「月を見ていた」五百キロ離れた二人を結ぶ光を
電話だと君の声が近すぎて星座をつなぐ孤独に気づく
....
捨て椅子に 夕日と赤子を 抱く姉が ゆるり背を裂く げにトンボ鳴く
*
暴力も 効かぬ金庫に 閉じ込める 水と図鑑と バイブと私
*
身勝手に 影をめくりて 朝の日を 探す北風 ....
吾や先 吾や先と 行く友 に
いつかの じぶんを じっと 見ており
哀しみも いつかは 過ぐるもの ならば
棄てて しまえよ 川にぽつりと
物思い 過ぎにし 日々を 振り返り
....
下腹部の痛み抱えて躊躇って産めない身体知りたくなくて
叩くのは地獄の門か天国か全ては始まりそして終わる
幸せの象徴みたいな微笑に吾はなれぬとレッテル貼られ
女でも男でもない吾に問う性 ....
響く空
痛みを忘れ
伝書鳩
流れる季節
誰がために舞う
夕やけは待ってくれない ももいろのしゃぼんだまさえ待ってくれない
夜のため太陽を消す しんとする ろうそくの火ももうすぐ消える
モンゴルのむこうのむこうの太陽が地平線に恋をしている ....
何事も神の如くの一言の「残念ですね」君立ち去りぬ
子供等の顔のつくりで遺伝子は受け継がれたと確信したり
親のよに生きたくないと言い切って通ってきたのは同じ道のり
いつもならすぐに無くなる量なのに8日続いた野菜カレー
父さんのようにな ....
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