偽物のような朝日に照らされてスローモーションで抜けおちる髪
みずたちは迷路に惑わず進みゆく辿りつくもの溢れでるもの
窓越しに電線のたるむ一点を凝視する裸婦をデッサンするきみ
....
黄昏に季節外れのお花見を 浴衣姿の君に一献
記念日に飲もうと言ってた幼き日 開かずの洋酒 明日嫁ぎます
ぅんまいねぇ
ジョッキがからりと音たてるラムネもころりと笑って ....
ペルシヤの青い陶器がひとかけら我を誘え千夜一夜に
アラベスク文様煌めく異国(とつくに)の薔薇の女の微笑み妖し
ダマスクス鋼(はがね)のように煌めいた瞳美しムスリムの君
ヴェスピオの灰 ....
ひとりきり そうめん食べる 夏の午后
冷え切る孤独 広がってゆく・・・
空青き
海に移りし
優し波
触れて跳ねるは
白き水晶
遠く見て
流れて来るは
白き船
恋文書いて
貴方の元へ
創造の神が居るなら破滅への航路も君が仕組んだものか
完全な物など無いと宵闇に薄らと笑う十六夜の月
暗闇で愛を語らず歌う蝉世界の歪未来の行方
朝顔の 浴衣着せられ すましても
{ルビ囃子=はやし}の誘いに 鳥のはばたき
色具合 綺麗じゃないかと なだめても
姉のお古に チョーさん唇
何故わかる 金魚の匂い ぐいぐいと
群れ ....
絵葉書の端からおしゃべり零れ出す「暑中お見舞い申し上げます」
目標は銀河で泳ぐことだからヒマワリ君とは背比べしない
窓辺にて涼む巻貝ひとさじの碧い潮鳴りおみやげにした
....
海に来て月の遺骸を{ルビ面=も}に浮かべ
白貝割りて指先を切る
貝やぐら沖に燃え立ち{ルビ蒼蒼=そうそう}と
胸に巣食うは十三夜月
月葬に送り遣るのは{ルビ鸚鵡 ....
魂が枯渇しそうなこの暑さだるさ寂しさ負けそうな日々
回るだけ進まぬあなたは扇風機みたいな恋をこの夏もする
一人寝がこんなに暑い熱帯夜 二人で寝たらどうなるのだろう
ああ嫌だ雨がしとし ....
思い出に、ゆかたの君が見たいだけ箱根温泉ゆあたりに風
きっかけがどこにあるのかわからない花火轟くまでの沈黙
ぎゅっと手を握る二人は蚊帳の中 外のすべてが愛しく見える
小学生み ....
夏をつれてくる妖精がいないから冷やし中華を初められない
泣きながら闇夜に響く帰り足コンクリートは{ルビ夏=プール}の青み
ウェディングドレスの中で夏に埋む指の日灼けを抱いて遠くへ
....
冷えきった繋いだ手と手を温泉で去年の炎暑を取り戻そうとす
耳元で優しく君が囁いたあの夏のさよならを海で泳がす
夢うつつ瞬時に散りゆく白昼夢、儚く消える思い出花火
....
●奇跡さえ 起こす力の 源は 人を愛する 想いから
●苦しさに 握り拳を 振りかざし 吼える川辺の 水蒸気
●さよならと 聞いたあの日は 寒空の おかえりと 呟く明日 蝉時 ....
水深5キロメートルの恋に落ち プールサイドで墜落する午後
砂浜の午睡からうつら目を覚まし すいかの縞の波に溺れる
ピーラーで削がれ半裸になりしきみ 水にさらせば ....
しなやかに 手折る指先 見とれつつ 翼をもがれ 君に堕ちゆく
漆黒の 壁紙に映ゆ 君の色 時を忘れて なぞる指先
浴室の 戸を開きかけ 頬滑る こぼれ髪の香 君の胸にも
絡ま ....
冬の頃 テレビで見つけた温泉に
夏に来たのは 僕一人だけ
この夏の 打ち上げ花火 忘れない
初めて君と つないだ手とね
待っていた 暑中見舞いの ....
放課後のプールサイドに一人きり石を投げれば割れる太陽
まだ細い腕もいつかはヘラクレス鏡にうつる半裸少年
肝だめし墓場を歩く君とぼく怖くないよと結ぶゆびさき
花火あがる綿菓 ....
星屑を たくさん集め つくりだす 銀河の夢と 夏の思い出
紺色の 甚平を着た マアくんと 兵児帯浴衣 はなちゃんと
夕顔の 切ない思い 知りながら 朝顔を描く 観察日記
すぐやるよ ....
枝豆の
香りとともに
茹で上がる
頬染めたきみ
ビール欲する
曲線を描く黒髪いつの間にけたたましく鳴る風平行線
太陽の光を点で結んでは指に集めて舐めいる残暑
白鳥の飛び立つ様を物語る神の白髪結えし因果と
草かげで鳴きあう猫に呼ばれてや境界不明の現実が減る
....
ぐしゃぐしゃの猫に涙のご馳走はメロンソーダに浮かぶ死顔
今日と明日継ぎ目の時に迷い込む空疎な羽ばたき地下室の夜に
星たちを耳に手首にぶらさげて羨望の矢をへし折る少女
「牛乳をスプリンクラーで噴射して虹がでるのを待ってるの。あ」
「おつかれさま。今度はあたしと遊ぼーね」蝶は埋められ、そして天へと ....
愛なんていらねぇからさ、温泉で混浴チョメチョメしてぇのよ、夏。
君が持つ花火の描く曲線が僕らの絆の擦過傷です
都合よく凸(でこ)と凹(ぼこ)とがあるのに僕ら蚊帳を隔てて交わりもせず
....
いんげんの つる夏がきて 萌えいづる
添え竹よりも 高見の空へ
月光に薄らと光る素肌をも幻想ですと冷ややかな笑み
「綺麗だよ。」そんな言葉も偽りと闇は伝える口元の光
名も声も今宵限りの姿にて君の腕から溶けて消えてく
愛し合う二人の仲はマル秘なの親兄弟にも親友達にも
柔らかい肌もあなたの唇もその感触が近しい二人
背徳の恋のはずだが何故だろう愛し愛されこうも幸せ
けたけたと笑い飛ばしてホラを吹く背中 ....
「海まではあと2時間はかかるからスイッチをぜんぶOFFにしとくの」
扇風機だせば宇宙人がやってくる黒いかみのけ黄色いはだの
温泉は自宅の風呂とは違うからはだかの歌は真夏の空へ
....
一年に一度会えればいいじゃない自由な恋を楽しむ織姫
孫悟空真似して彦星あまぐもに乗って波乗りミルキーウェイを
おまけ
ミサイルが二人の逢瀬をおびやかす七夕前の大気圏外
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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