なぶられて大鼠の尾やはらかに冬の地を打つ死してなほ打つ
むざむざと引きずられゆく鼠の尾 師走の道をけものが渡る
人並みにもの{ルビ購=あがな}ひて心安し師走の街の世 ....
一夜一矢の矢を番へ射る夢見る夜やがて微睡む赫の朝。
尽きる矢は在れ夜は無く夜を番へば果ても無く続く夜とは。
明けぬ果てには矢を番へ射りて殺ししおんな ....
告白します。
主食はみかんです。
黄色いお手てのみかん星人。
好きな音楽は、
シューベルト「未完成。」
甘酸っぱい望郷の曲です。
今日は休柑日。
....
知る人ぞ 知る限定のノリ弁を
買って帰らん 聖なる夜に
鮮やかな 赤いタンクに寄り添いて
灯油を入れるわが身悲しき
燃えるごみ 燃えないごみと分ける夜 ....
冬晴れの日曜の朝ふとん干すコントレールはうつろにながく
ゆきの「ゆ」が角ばって見える、
さむい。
屋根裏部屋は、
雪色吐息。
みかんはこたつで甘くなる。
ならばとりんごも並べてはみたが、
はて。
....
「譲ります」細き文字に貫かれ熱き心に雪が積もる
数億の命が競い手に入れた吾は身体を傷つけている
君が居ただから田舎を出てきたと言ってみたけど半分はウソ
体内のひとつ ....
猟奇殺人は世の常と、
皆がこぞって斬りたがって、
皆殺し。
死体がふたつで腕が三本足五本。
さて死んだのは何人?。
腕には、
それぞれ文字が切り ....
今はもう聞けないテープを出してみるネットラジオのなつかしいジャズ
辛口のカレーをライスなしで食うくらいは破滅的な木曜
このカレー泣けてくるほど辛いよね 玉ねぎのせいなんかじゃないね
貞操は守りたいから今日作るごはんはまるごとニンニクカレー
....
曇り空ストーブの上で鳴るやかんおはようを言う亀と私と
こんこんこん、
こーん。
と、
ルートヴィヒはかく扉を叩く。
はやく冷めますよ。
ブラームスの掛かる部屋で、
クララとお茶を。
いえない恋もあ ....
膨らんだ真っ赤な少女が綻べば真綿の雪に椿がぽとり
体内で春を待ちきれずに芽吹く血潮に染まった椿のつぼみ
花びらを散らさぬように雪の上そろりと歩くも染みが点々
赤い紅 ....
亡き友と同じ死に様カンニング中島忠幸復帰かなわず
たたかうトナカイさんへ、
サンタにまけないでください。
たたらたあこより。
あとごにちかんですね。
サンタのおうぶおうにまけず、
がんばって。
たあこ。
....
「名乗れば」 と
あおざめて、絶つ 色黒の 文みゃく馳す空 やけに音なく
いつだって 何もしない をしているの
ママは怒るけど本当だもん
赤面す 落ち込む 媚びる 自惚れる 恋の{ルビ醜態=フェイズ}の罠にあらがう
人恋し 初冬の夜半のニルバーナ 白磁のカップ一気にのみ干す
優先席お譲りください 不自由なこころの女がこ ....
さむい日には、
セーターくんが話し出し、
「ねえねえ。
はなみずちょーだい。」
「だめ!。」
「ケチ。」
しんぐるべーるしんぐるべーる。
街には ....
霜葉ふむ皮のブーツの小気味よさこのままいつか見知らぬ冬に
窓ガラスくもる吐息にだまりこむ人のしぐさのその残酷さ
冬{ルビ薔薇=そうび}あかい棘さす指先の血のにじむ{ルビ孤悲=こい} ....
冬の月中天にさしかかるとき人魚は難破船を{ルビ欲=ほ}りゐる
憎しみに冴えたるこころ煌々とはげましゐたり冬の満月
冬月が鉄橋の上に待ち伏せる窓にもたれる男の額
....
咳をしてママをふりむかせたんだね目が合えばにらみ返す少年
熱の{ルビ児=こ}を抱えた母の傍らで少年は嘘の咳くりかえす
さびしがる骨をかかえて咳をすればカラッポカラッポ胸が痛いよ ....
はりつめて切れそうだから目を閉じてあんまり空気を吸わないでいる
ひとりごと、白くかたまれ歌になれ風に飛ばずにここに留まれ
鍵盤にひとつぶ落ちる(きん、たたーん)か ....
さまざまなものにあふれる大都市にわずかばかりの霰降るなり
{引用=ピッピだっけ?窓の隙間に北風がこぼれるような素敵な名前だ}
なんで今日は羽根が開かないって、ああ、マイナスだらけの最低気温
君の目で体透かせば黒い部分のたくさん出来る季節がきた ....
金魚らの赤い背びれを撫でてやる指先に滲む生ぬるい水
どおぉーんとした夜明けには、
ゾンビがどんどん生まれて死なないのデス。
もしもーし。
死んでるデスか生きてるデスか。
もしかしてゾンビさん、
デスか。
....
まだ甘いジュースをなめていたいから世の中を美化することが好き
明日とか明後日とかに家出するために大鍋いっぱいのカレー
敵ばかりうようよといる毎日を無敵スマイル戦車で走れ
お空がこおると氷が降るの。
さみしくさむいの。
お星に還るの。
傘を広げて、
「こーるさいん。」
こおったお空には届かない。
こごえるの。
....
もう、
くもくもくもくもくもー雲ばっかり!。
お空なんて裏返しちゃえ!!。
お空をくりりん!。
お星さまが恥ずかしそうにお尻を魅せています。
やー ....
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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