泣かしたり泣かされたりする夏来る蒼いパンツでさっと出かけな
夏蝶が越ゆる沼にて逢ふものなし意思なきわれの明日浮かぶのみ
青胡桃にぎって家に帰る道街灯の影を父と信じて
夏空の鎮魂終わらず煙草火を擦り消し煙空に広がる
若葉燃ゆ
君の熱意に
照らされて
日毎世界も
情熱的に
桜散り
蒼き空には
つばくらめ
今日も世界は
光に満ちて
山茶花の
花を一つ
断ち切りて
匂う香は
眠りの中へ
雨に跳ね上げられし砂多肉葉の上で晴れ晴れ笑うて居るか
風の音に
草木の答える音ありて
空高く舞う
自然のメロディー
1音と1音1音重なって
奏でられる
僕らのしらべ
堪え難き春の長さよ葱の葉に無理やり夏の兆し見む我は
妙な魅力の変な娘のパンチラを短歌にせむと苦心す我は
柏餅
大きなコイと
花ショウブ
行方は誰も
知らないようだ
指先に塩いく粒かざらつかせ呆け行くかなフードタウンで
小市民の怒りは高層ビルのうえ浮かびて月は夜を満たさむ
聖燭をみがき輝かしたる夜工人ヨセフを愛してやまず
カモメ飛び立てるを遠くながめをり意思なき男は飛べないカモメ
遠の海横目に西へ向かう時短歌は手からこぼれ落ちけり
好きだった曲は嫌いになったんじゃないし好きなんだけど聞けない
限りなく優しいエンヤを好きになる 英語が聞けぬ我でよかった
CDを降ろし一人のドライブはラジオもかけず風の音だけ
....
五月晴れ
夏の陽射しを
通り過ぎ
風の温さに
頭を垂れつつ
北へ行く電車の音を聴きしよる瞼の奥に郷里はありて
五月空美貌眩しく輝きて刃のごとくにわれをつきさす
夜風吹き揺るる蠅取紙の蠅われの孤独は夜に膨らむ
夏蝶が荒野をぬけて来し時に大地の眼はするどく開く
青年はミケランジェロに惹かれやすく告げし身深く一羽の鷹に
夏の夜に堕天使つひに優れたり星月夜すぐわれに近づき
パンパカパーンパパパッパンパカパーンナニワノオッサンシンデモタ
食ひ過ぎの腹もて歩く夜半の道何の花木か匂ひ絶えざり
千切れかけなお千切れざるアロエ葉をふと千切りしが持て余しけり
青空にわれをおさめし帽子舞ふ故郷はいつもわれを拒まづ
街灯に蛾はなに求め集まれり夢なき高校生の分身
マッチの火点けて拡がる夕暮れに未来に逆らひ運河薔薇色
春夏の夢にかけたる浮橋の
途絶えに月をながめくらさる
五月雨にみかさ増したる川の瀬に
月は流れでみづ音ぞ澄む
ひさかたの光をかへすはちす葉の
浮けるみなもに波たつる風
....
一回転してしまえない飛び出せないからぶらんこの鎖がたわむ
靴だけを先に逃がしてぶらんこに繋がれたまま残ったわたし
順番を待ってから乗るぶらんこはつまらないからぎりぎりねじる
ぶらんこ ....
霧の村に石を投げれば切り開く明日の地平は放浪型に
五月空どこ見渡せどあを続き少年雲を翼にかえる
シーザーを刺して終わらむ野外劇星は夜空にあふれて消ゆる
空泣く夏
影法師たちの
追いかけっこ
ジャンケンしたこと
ないんだけれど
古家の壁かすかなためいき風と化しこの手触りに思い伝えし
去りがたき旧家にひそむ精霊も君もわが青春の影とす
穂草は種を密かに飛ばすイエスよりマリア若きをその罰として
満天の星は人の不幸ならむと決めつけ孤児はおのれなぐさむ
たたいても尽きぬ埃で日常にわが身を埋める「砂の女」
めくる字より脳を痺れさせたのは本が吸ったタバコの煙
※「砂の女」安部公房
夜桜で短歌詠もうと満月に照らされ君に逢いにゆく春
ハンガーに掛けられたまま置き去りのフレンチコートが恋模様です
去年見た枝垂れ桜が咲いているそうです君は帰ってきますか
遠方の山の ....
君のこと好き好き大好き愛してる十歩先行く背中にとどけ
ハハハという乾いた笑いだって良い 幸せくれるあなたの笑顔
恋心気づかぬふりして通り過ぎ自分を守る弱い僕です
アプローチ知らぬふり ....
翻弄する春の嵐が去る先は悲しい顔した菜の花の中
詰め込まれ押しつぶされてぺっちゃんこ現実つれてけ満員電車
集まると寄ってたかって噂して結局みんな彼が好きなのさ
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