ブルートレインに子と妻と共まだわが家に神の在りし頃
昨日本当の伝道をしたがしたくない残念だ神は無い
これからどうするって誰もそんなこと言ってくれん
鳩のすむ枝を見むとて妻しつらう椅子 ....
加茂川に降る雨と共に昭和逝く
何時もと変わらぬ景色まぶしく
編隊のかたちに鴉帰りゆく平成となる日の夕空を
永かりし昭和の御代も終焉となりて
小雨降る 夜となりけり
親しめぬ言 ....
「いつか奇跡」
霧雨の向こうに遠い日の日記 差し出した手が迷い濡れてく
影送り透けて遠のく僕たちの眩ばゆいほどにピュアな夏の日
吹くはずのない甘い ....
雨の中 傘もささずに浮遊する 地下駐車場の黒猫の目
ストレスが主食なんだと君は言う ツナ缶なんか合うかもしれない
感情のはけ口さえも見付からず「フルリレロ」と闇に唱えた
アリゾナの砂 ....
穏やかな日々の陰からはみだした恋という名のあてなき手紙
忘れたい忘れよう忘れられるのか君に恋がるる熱き自分を
水暗きなかに閃光突き刺さるまじわる場所は色彩なき場所
青春の色彩すでに忘れたり鳥飛び立てる後の静けさ
掌にあまる白桃まだ知らぬ空の色彩抱きて帰らむ
朝露に光る姿は艶やかに彩り添える紫陽花の花
清流に若鮎跳ねる今もまだ大志をせなに雄飛を胸に
揺れ動く穂波は仰ぐ空の青田には命の輝き満ちて
雨続く窓の際には子どもらが作りし ....
一人だけ何でも言える人がいる
ただそれだけが笑顔の理由
ひとりきり過ごす一日時長く
窓際近く微睡む陽射し
独り言呟きポツリ溢れ出し
止めど流るる滴と共に
....
心より一切の欲消え去りて青き紅葉の葉は揺れており
水無月に外郎を求め与えてし母の眼鏡の顔浮かびくる
さえずりの混じりて聞こゆ玄関の机に田山花袋を読む
教室に忘れたものをとりに行く黄ばんだカーテン揺らす微風
曇り空の中を飛んでく飛行機の風を切る音つばさの光
港にて海からびゅんびゅん吹いてくる潮風あびて髪の毛ギシギシ
扇風 ....
一面に広がる三つ葉のその中に
必ずあるさ君の幸せ
白摘の花編み飾る冠に
想いを隠し頭に載せる
幸せを探したあの日
夕暮れの色に染まらぬ僕らの心
四つの葉見つけた時の ....
わたしよりウチとか言ってる息づかい君に会えたと確認してます
あほやなぁそれで駅へと行きますか次に会う日が未定というのに
急かされて、はよう決めやと言われてるそんな時間が大阪と思う
....
五月雨に打たれて果てる卯の花に永遠には咲けぬ理を知る
降り注ぐ雨音強く打ちつけて
声をかき消し絶えず涙す
濡れねずみ涙の跡もかき消して
変わらず空はただむせび泣く
誰がために声あげ泣かむこの空は
絶えぬ想いを涙に変えて
....
風吹きて傾きやすき天の川おをむけのわれに星降り注ぎ
初夏の森蝶に誘われ入りにけり敵の数だけ花持ち帰る
「反対の階段下で待っています」
あなたの胸に蝶々が降りる
右耳に雫が一つ落ちるから、ワインのコルクは赤く染まる
幸せを謳う詩ならどこまでも響くものだと信じてたけど
....
日盛りのセルフスタンド満々と吹き抜ける風人それぞれに
暗闇に目が慣れた頃見えてくる何万匹ものヒツジの群れが
専属のスタイリストが欲しいです あなたとデートの日はいつも
会ってすぐ「ラブホに行こう」と言う君が清々しくて妙に愛しい
好 ....
あいねがい
たえぬこころも
なくなくと
さらにながるる
みずからそらへ
闇空に 轟き咲いた 火の花束 川辺に並び 見る人々よ
浴衣着て 二人で花火 眺めつつ 悟られぬよう そっと手握る
冷めやらぬ 昂ぶり胸に 抱きつつ 人込みの中 紛れて帰る
熱帯夜 ....
濡れそぼり張り付く髪もそのままに睫毛重ねて雨を忘れた
君思ふわが名流るる滝つ瀬の
はやき心をたれか止むらむ
紅の色に夏の葉かくす{ルビ山躑躅=やまつつじ}
いでやかなしき人をぞみゆる
こころありや宵待草にあさつゆを
....
ドトールの片隅の席 揉み消した 今日の吸殻 君への想い
席を立つ後ろ姿に映る影 君への未練まだ捨て切れず
月照らす家路の途中 何か落ちていやしないかと俯き歩く
誰もいぬ部屋の明 ....
夕陽の堕つる彼方に昨日問ふわれと埃かぶりし母のオルガン
澄み渡る空に浮かびし虹を見る子らの顔には虹の跡なし
われ乗せて北へ走らむ夜汽車にて車窓に顔つけ頬を冷さむ
誘われて
親元はなれ
駆け出した
風の向くまま
行方は知らず
降りたった
土壌は堅く
独りきり
見知らぬ土地に
不安を覚え
この土地に
深く根差した
モノとなり
大志 ....
花咲な
月が差し込む
夜にのみ
雪の色して
光仄かに
濃紺の夜空黄色き三日月に赤き火星と白き明星
夏の野は沈黙の果てみつめあう
だけのくちづけ唇に蝶
じっとして壊れないよう忍び寄る
白い羽には光だけ射し
言葉などもはやいらない君をつれ
夏の丘へと逃 ....
紫陽花に魅入っていたら置いてかれ 独りぽっちの雨の放課後
雨蛙ぴょんぴょん跳ねて彼方へと 愛するヒトを探しに行った
雨上がり黄昏どきの葉の雫 きらきらきらと光を放つ
吾が母の産まれ出でぬる六月に 制服の 子等の 列車に乗る哉な 。
溢れ居る列車に乗りし子等はただ 任天 DS 黙って 興ずる
今朝 部屋で にきび つぶしし 少年の 満員電車で ....
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