『おはよう』と
交わす言葉に
込み上げる
今日の愛しさ
噛み締め生きる
『また明日』
あると信じて
別れてく
沸き上がりくる
寂しさ隠し
ためらはず さしかけられて傘に入り
片身ぬらせし君が気になる
足悪き子雀来たり 今朝もまた
待つ身となりて エサをまきたり
枯葉踏む犬の{ルビ足音=あおと}はリズミカル
夕づく公園を ....
夢染める 折々の日々 同じ時 流れ流れて どこどこ憩う
日記にて 徒々なる日 綴りては 積み重なりし 笑顔と涙
ご機嫌に 口笛吹けば 飛んでくよ 茜の空に あの日の迷い
....
突然の激しい雨に言葉切り
雨戸を閉めた君の白腕
さぁさぁと静寂の中に衣擦れと
息遣いのみ聞いている午後
まだ止まぬ長雨の中見送られ
しぐれ柳をくぐりて走る
ゆれてゆれていま夏風に何問うのでしょうあじさい紫陽花この白昼夢
青い花いいないいな
でも紫も
名前に負けない輝きがある
昨日の雨は飲んでしまった?
それとも土に凍りつ ....
恋をする魔法があるなら教えて欲しい あなたにそっとかけてみるから
おはようとおはようございます それだけの関係だけど気になるんです
ぴかぴかの1年生にもなりきれない 恋愛初心者 でも恋 ....
隣屋の塀にはびこる つたの青
さみだれに色 尚つやめきし
散歩にと さいそくにくる愛犬の
うったえる瞳に 重き腰あぐ
「サヨナラ」の言葉は彼を他人へと 出逢う前にも戻しておくれ
惹かれてた 好きの言葉を飲み込んで会えなくなれば忘れられる?
左手の指輪の跡が告げるから その手に触れて見えなくしていた
....
各地へと
足跡残す
偉業には
天国行きの
片道切符
漂泊の
旅を終えれば
いざ寝床
朝日を見ずに
さあ眠り逝け
神哭きて
割れんばかりに
響いては
涙滴り
大地を濡らす
刻経りて
涙は尽きて
笑い出す
陽の優しさに
虹を返して
単純もよきときあると自らと
慰むるとき 時雨の音する
ふれ合いし手の冷たさは言はずして
春雪消ゆる早きを語る
尋ねきし人は留守にて山茶花の
散り敷く庭に一人ごちする
我が裡 ....
おばぁちゃん
ただひたすらに
愛でてくれ
今は一人で
味噌汁すする
日日に緑深まる狭庭辺に今朝は蛙の鳴き声がする
さきほども小雨降りいた表通り人の声して雀飛び交う
グリーグのペール・ギュントを聴きつつも紫陽花の絵をじっと見るとき
また鳩が一声 ....
「アリュール」
{ルビ汚=けが}れならば五月雨川に流せりと誘ふその手は{ルビ梔子=くちなし}に似て
「ブラック」
黒髪に触れし指先奏づるは重なる肌のあつき旋律
....
洗濯機の渦に心を巻き込みて
しみつく澱も洗い流せり
長雨のやみたるあとに松葉ボタン
閉ざせし心も開くがに咲く
娘が生けし菊に顔寄せ深深と
秋の香かげば夏も惜しまる
二十世紀 ....
掃除機が
ごーごー奮起
する日曜
我は横目に
チキンラーメン
妻清張われは花袋6月の空ベランダにバロック流る
午後になり雨しとしとと降りつづき朝顔の蔓つたふ土塀に
書物など喫茶に持ちて読みおれば髭の老爺(ろうや)が前に座りて
もみじ葉に ....
彼の人にアスパラガスの花束を
込めた思いは宣戦布告
風露草贈りし君から翁草
勝負終われば裏切りし君
勝利した君の頭に月桂樹
手には僕からその花束を
満たされぬ言葉想いて立ちつくす
足元に身をすり寄せる猫
故里のなまりやさしく語る友
友も故里をとく出でしなり
何着ても似合はずなりし我が年を
哀れがりつつせめて紅さす
故里の老 ....
押し入れで
手繰り寄せた
青春の
3ページ目の
笑顔の魔法
アルバムの
ページの枚数
数えては
その数よりきっと
多いと思う
反射する
カッターシャツの
青写真
....
恋の道 照らすかのよう 月明かり ためいきさえも いと柔らかに
道すがら 出会った二人 ときめいて この一瞬が 永遠にと願ふ
優しかれ 涙はすべてを 許します 闇に小さく きらりと ....
しとしとと 雨のリズムは 跳ねるよに 色とりどりに 開く傘花
窓辺にて 紫陽花の夢 つらつらと 君が眠った 横顔を見る
愛してる も一度言って その言葉 濡れた路上に 虹が映った
....
ほこりせしゴムの鉢をば雨に打たせ
ついでに心もなどと思えり
梅雨明けの豊かになりし賀茂川の
水しわに照る夏陽が眩し
云ひわけの言葉聞くとき掌に
猫のまばたく感触も知る
忘れたき ....
家も無く
吾を知る者も
今は莫し
根無し草とぞ
人は言ふらむ
風荒ぶ
夜の旅路に
光差す
命の灯火
いざ、行きめやも
黎明に
はためく翼は
輝きて
火の粉振り ....
傘持ちて吾子を迎えに行くことも
久し振りなり雨もまたよし
さりげなく扇風機の風 吾が方に
向けてくれし子は漫画読み継ぐ
見知らぬ子 通りがかりの吾れに寄り
トンボが居るよと ささやき ....
朝8時
バス停にある
虚無主義(ニヒル)の目
息の空想
煙草の科学
指絡め柔ぬるい舌食んでいる今この時を吸い尽くさんと
緑色いっそう深まり空曇りスズメさえずる朝の机に
わずかなる胸の痛みと音楽の耳にいりくる今朝の心に
マンネリか歌に心はずまずに昔作りし懐かしき歌
陽は上り妻の植えにしかわゆ ....
【愛してる】
これ以外では表せず
君に捧げる五文字の心
友愛と恋の違いを知り得ずに
ただ愛だけが心を占めた
世界中誰に聞いてもわからない
【愛】の意味は自ら生み出す
カラヤンのレコード買いきて おもむろに
娘灯を消して聞くがよしと言う
萬緑を濡らして夕立過ぎゆくに
近江の里の深き静もり
緑濃き萩の道もいく曲りか
蓮の花咲く池に出にけり
....
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