指切りをした後の指撫でてやる細いその身にゃ重たい約束
パチンパチン音立てて飛ぶ白い月「私」であったはずの爪たち
幼子のぬくい手引いて歩いてく明るい方へ明るい方へ
喉ふさぐ飴煮詰まった ....
僕だけが星を見たんだこっち側流れる君の星を見たんだ
隕石と勝手に名付けた石を蹴り胸にささればいいと思った
泣いていい?口さきだけでつぶやいた
君のハンカチ抱きたかったんだ ....
吹雪舞ふ街並暗くなりゆきて
車の尾灯赤く際立つ
遊び居し子等それぞれに呼ばれ去る
昏がるる公園白芙蓉散る
ひそやかに花韮の咲く野辺のみち
春寒の今日三月終わる
寒の水一口飲 ....
ニッポンの原風景がそこにある 日曜夕方7時の家族
父さんの座る席だけ座布団がある食卓も今では稀で
じゃんけんぽんウフフと笑う朗らかな声は週末終わりの合図
聴と視を捧げた浮世の全ての事象
泣いて叫んで今日も終わる
右からか
左からかも解らない
踏み出す足の頼り無さ
愛すか殺すか二つにひとつ
人並みの希望と虚無を抱えたら ....
闇、叫び、月、銀、狼、爪の痕ほとばしる血は昴の花弁
月を噛むアカイ目眩に舞いくるう鴉揚羽の鳴り止まぬ翅音(はね)
雷(イカヅチ)の刺さる。蒼きは明星の息遣い。眠れぬ ....
銀色のマストに映るまるい月甲板上に舞う{ルビ四重奏=カルテット}
月と地の逢瀬は今宵ひとたびのカレイドスコープ闇は緋色に
紅い海ガレオン船が進んでく鞭打つ波に叫ぶ号砲
....
今は空 日差しに溶けていずこかな 葉陰に集う セミの脱け殻
晴天だ! 我ら光に焼けてゆく 燃えて本望 いざ勝て黒組
「空を見て、それが勝利の秘訣だ」と 言われて気づく 綱引き日和
タワレコの
袋にキムチ
詰め込んで
何食わぬ顔で
電車乗る
(そんな恋)肯きながら何も言えず飲み込む冷めたブラックコーヒー
バスを待つうちから小銭を探してる今もずっと準備している
手放した風船から垂れる糸浮き上がるにつれ役目も消えて
....
今さっき光ったものはなんでしょう波か小石か魚の鱗
知らぬ間に色を変えたる紫陽花の根元に落つるは誰の涙か
夢見るは遠い昔か未来の影か琥珀に眠る小さな虫よ
雨打ちてうなだれる花は鳴く犬の ....
すぐにでも
手を離せるのにベランダの
手摺に祈るは
「わたしに意味を」
空を見て
目を閉じたあと見えたのは
月明りに透けた血潮
グランドの端で滲んだ石灰にあの日の雲の面影を見る
新学期水が抜かれたプールにもやがて積もるか木の葉と思い出
鐘が鳴る吸い込まれていく先はどこ一人で帰る放課後の道
....
チクタクと時計の針が刻む音音もないまま積もった想い
夢を見て泣いて目覚めた{ルビ朝=あした}は遠く気づいてしまう母も老いると
竹の葉に埋もれて眠る秋の午後「もういいかい?」のこだまは遠く
....
そう、確か約束したのは今日でした。あの日と同じ月は無くとも
まっくらな夜に逆らう星たちを握りしめよ、と右手をかざす
涼しさは不意撃ち気味に訪れて何も言わずに終わっていく夏
....
星島 〜タカラジマ〜
銀の帆の船は拒まぬ「可能性」ムゲンのココロ映せるものは
指で作る望遠鏡に反転のスカイオーシャンさよなら地球
広すぎる世界 ....
ぼんやりと見送る乗り遅れた電車ひと待たすことにも慣れて
柔らかいたんぼの風が撫でてゆく改札を出る冷えた二の腕
夏の田と風戯れてドミノ倒しあらわれ消える緑のライン
山の端の ....
夏の午後、ペディキュア剥がしふと思う 君のジャケット 散歩道の冬
黒い髪、寄せるシーツの波に巻く 君との絆 二人の孤独
瞼の向こうはいつも雨…だから「ひとみ」のナミダ誰にも見えない。
別れ際に用意したナミダは嘘っぽくならなくて少しホンキ。
磨りガラスにナミ ....
酔ひつきて手酌は野暮よと差し出せば宵の月揺るすすきの水面
「エナジー×ブルー」
群青がはじきかえした陽の弱み それでも翼奪える熱射
まどろみの窓に映った海岸線 打ち寄せる青い波の憂鬱
波あらく感傷拒絶せし海よ 昨日 ....
「目にはさやかに見えねども」
二の腕に日向の匂い残りおり 気付けば日暮れ夕風の立つ
秋来ぬと告げんばかりの午後六時 風鈴の音も耳に違へて
水を踏む頭上に蓮の花が咲く ....
おとなにはいろいろあんだ父さんは今から{ルビHAS=YMO}のライブだ
うん/ううん以外の返事身につけてまた三つ編みが似合わなくなる
三十一の文字では足りぬ想いなら千と連ねどなお余りあり
三十一の文字では足りぬ我が恋は億と重ねど君に届かず
三十一の文字では足りぬ恋ならば口をつぐみてただ手を伸ばさん
....
お見合いの場をとりもちて話題とす
梅雨の晴れ間の夏萩の色
方形のタイルに朝日照りかえり
台風去りて厨秋めく
無人駅に日ぐせとなりし雨に逢い
止むを待ちつつ夕顔に佇つ
想い出 ....
浴衣着た
乙女の数で
気がついた
今日は
びわ湖の花火大会
続々と
打ち上がる音
聞くだけで
私カタカタ
仕事終わらず
あの日見た
打 ....
夕暮れに一緒に歩く帰り道 二人並んだ長い影見る
目の端に映る紅、桃に白。君が好きだと言った秋桜
棘刺さる胸の痛みを誰や知る ムクドリのように色には出難きに
外にいて見るともる灯の暖か ....
『シッコ』だってゲラゲラおもしろーい訃報を伝える手紙も増える
ロボットだから、といじめ続けていたら死んでしまって学会大騒ぎ
1m50のバーを跳び越えてそのまま自分のベンチに戻る ....
無気力な日々を過ごした助手席で明ける夜から逃げ続けていた
草むらに仔猫のように丸まったビニール袋が孤独をくるむ
光無き音の世界の悪夢なら早く醒めてと手を震わせて
口走る言 ....
夏だから?違うよいつだってすっ裸で寝ているよ阿呆だもの。
なーんかこんな日にケンカ見てるとうりうりするよね馬っ鹿じゃないの。
打ち水のお姉さ ....
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