見えぬ鳥いだく重みに耐えかねて歩み止めし時そは飛び去りぬ
一枚を破いたはずが二枚なりお前をどこに葬ればいい
あなたにはあなたの石がわからないあなたの水に削れ ....
非常識ゆびの動きに旋律す何に喩えておんがくかたる?
飲み込めば海どこまでも海岸す遠い夜空に沈む航海
逆らえばごろっと未完こぼれだす胸の意識の底の明日の
....
せりなずなもはや野山で得れぬものあかぎれ知らぬ手の買う七草
母の言うごぎょうはこべら忘れればいっそ帰れよ病で家に
白がゆで満ちる鍋こそほとけのざ黄色の匙で母から子へと
いぢわるをする ....
口ずさむ歌も亡くして冬の海に君を葬る(雪降り止まず)
ウエディングドレスの尻尾に水色のポストイットで貼れ祝婚歌
少年よゆめゆめ忘るることなかれ『御婦人はみな理不尽である』
これはつ ....
雨の中ドラムを叩く僕がいてピアノ奏でるきみがいる海
風の無い丘でうたた寝 ねぇここは風の駅かと聞いてくるきみ
ねぇ誰か教えておくれどうすれば僕は靴下を食べずにすむか ....
桜
僕たちの最初の声が本当に欲しがったのは何だったのか
{引用=羊水の中で足掻く胎児は
魚類に他ならない
僕たちが生まれたとき
本当に欲しかったものは何だったのでしょう
どうして ....
逆立ちで見ている蝶がひらひらと空へと墜落してゆく絵画
音楽はすでに秒読み棺から指揮者は水となってこぼれる
ハイウェイを夜と名付けて人見知りばかりしている ....
浅ましい魚に餌を
やるように君は俺に
言葉を与える
一年を健康無事故で過ごせるよう
一家の和楽祈りゆきます
職場でもまた地域でも実証を
示す行動一年貫く
信頼と友情の輪を広げよう
自分が成長人を励まし
並んでいる箱の中にて細々と使いこなせぬ紋切り型を
{引用=美しい涙に沿って目をさがす
by oldsoup『内部ナイーブ』}
方舟は沈んだきみのゆびも絵も僕のなみだもノアの見る夢
....
曇る窓、雪、陰る月、つたう指、キス、キス、何かの足音が恐い
クレヨンの白で塗り絵を塗りつぶしひっくり返してどこにゆけるの
落下する教室で身を寄せあってたった二匹の兎だったね
透明なプ ....
イブの夜に彼女にあげたキスマーク 不埒なサンタクロースは俺だ
クリスマスケーキを食べたその直後キスして聞いた「ねえ、甘いでしょ?」
{引用=
ちなみにクリスマス前の五七五はこちら(昨 ....
さぁ、主観デラシネにして海の絵にキリンの首をくわえてみせて
花の名をたった無数の花の名を思い出せづに死ぬものがたり
目を閉じて夢のほとりに佇んだきみの両手に紫を置く
....
いつだって、囁く愛とは反比例。きみからの電話、「好きだよ」の言葉。
起きてると、たまに気付いて後ろから抱きしめてくれた。温かかった。
キスマーク。見えないとこに残す事さえ、きみの許しはでな ....
黒と赤まとって白いこんにちは 音は存在してるとゆうの?
高低の激しいおんがくだだっだだっぴろいのはらに吹きぬけて冬
階段を転げ落ちれば痛いけどマンホールはどこまでも暗い
....
{引用=(鍵盤が駆け上がる夜、/ガラス片、/鉄塔/に続く紅の、足跡、//)}
裏側はどうなってるかわかりません そんな理由じゃ嫌わぬ 月よ
差しだすとき、グラスの中身は原液です。 ....
風のかがやきとセピアを追いかけるようにくるるるらせんを描く
あっ銀杏仲良く囁きあってるねあれは秋の置き土産なの
後にも元にも戻れない路上のニュースペイパーサクサク言って
....
イブの夜に赤い炎をイメージし生きていることラッキーと思ふ
日雇いに登録したけど魔がさして買い物し過ぎて地獄に堕ちる
日雇いで働くことを志す今日の思いも明日は消えるか
沈んでるいつかの冬の奥底に
春知らぬまま消えた季節よ
向日葵の鮮やかさほどの白さかな
恋を重ねし色も重ねし
大胆に時には装う花もあり
見渡せば冬の枯野原
霜焼けの愛する人の手を ....
廃校の焼却炉にある入口に「大人禁止」と落書きしてみる
前足を失くしたぎこちない夜と散歩しているひとりきりの部屋
ループする16系統降りられずブザーのありかを君はしってる
....
サラエボの母と娘が笑い合う姿にもまた戦火の名残
黄昏が
あなたの街だけ照らす様
闇の下噛む、下唇よ
日雇いで働こうかと思ってもすぐには取れぬ怠惰のしるし
庇護の中から無知のまま歩きだす
不安を抱き信じる道へ
愛ひとつ
この身に余る温もりが
家を離るる支えとならむ
「孝行したか」と問われても
不孝ばかりを思い ....
ひもじさで己の足を喰ふ蛸を真似て己の爪を食む夜
霊長類以外は死なねばできません死んださかなの目といふものは
二枚貝裏と表は同じ顔見習いなさひ二枚舌の君
一〇五円で買える二匹の命かな二 ....
現代詩フォーラムは{ルビ試薬=クスリ} 日本語を知ってしまった僕らのための
明日からは飼い犬として生きていく これも決して容易くはない
あん時ね、蚊に刺 ....
禁色の恋醒めやらぬ夕べにはピアノ奏でつ思ひを凝らす
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