海色に囲まれてただ、沈んでく羽毛の底に疲れた背中
抜けがらだけ置いていきやがってという人もまた何時か脱いでゆく
午前四時朝になるか夜にとどまるか。待てずなき出すのはだあれ
もう二度と ....
奪われた 赤いかさぶた 剥がされた また血が出ても 見ないフリした
手術した昔の傷に 口づけて 重ねて赤い傷となりたい
白い肌 「触らないで」と割れた声 口づけて消す 蒼い唇
....
八月
終戦を 夢見た蒼き大空が 戦闘機器を彼方に消した
満月
木曜日 砂鉄を摘んだ方舟が 闇夜の月へ方角示す
海月
群青に 揺らぐ{ルビ海月=うみづき}透明は 件 ....
不覚にもB級映画で感動し
愛する人に会いにいく夜
寝過ごして過ぎてみたら喉痛く
乗り過ごした駅数えて冷めた
電話して声をきいたら尚更に
必要性の有無さえかわる
その首を朱に染めたのはこの腕の両刃だった、気づく抱擁後
祈り、というダガーナイフで斬りつけた罪で私を処刑せよ、君、
「とりいそぎ水琴窟を送ります、異境の夏を静寂しなさい。」
白昼に虹色柳が揺れるとき僕たちだけのワインを注ごう
柱撫でいつ帰るのと訊く枝に右肩上げて焦らした鳥居
薄闇の ....
非常ベルなんども押した 標識のない建物とわかっていても
「もう誰も信用するな」と声がして 拒むまぶたに緑、明滅
ほら、もうすぐ出口だよって歓喜して振り向いたと ....
突然の雨に抑える衝動を持て余してぞ足を動かす
てんしん飯もどきを食べる夏の昼書かずもがなの事をしぞ思(も)ふ
坂道を少し登ってあの丘の上から花火を見てみませんか??
人混みを避けて今年もあの丘で。「花火見よう」と君を誘って。
もし君をそこからさらって行けるなら、花火をみたい。。あの丘の上。
親指の震えを添付できたなら伝わったかな電波塔さま
どっちとも舐めたらしょっぱかったからあせとなみだは似てると思った
ユニクロのデニムは卒業したんだね続いてゆく恋 ....
灼熱の黒光りする鉄板に
ジゥジゥウのステーキ的 短歌
さぁ 御遠慮なく 玄関で靴をお脱ぎください
ここは日ノ本 日いずる列島日本
はち切れん我が魂の ....
初デートマックシェイクのフレーバーで占う二人の恋の行方を
マクドやろマックはパソコン譲らないきみは異星の人かと思う
欲しいのはむしろ怒りや涙とか眩しいなそのマックスマイル
....
時を止め「ジ」を繰り返すセミが居て瞬時に時を駆けてく燕
路地の間を踊る燕の曲目は、セミの歌った真夏のワルツ
目の前を燕が無言で横切った。今日は雨でも降るのでしょうか?
{画像=110417072954.jpg}
手頃なる橙ひとつ
夕暮れの熱き雲よりつかみ取ってよ
おい!この開きめくらを黙らせろ
物質だけ よく見えるのは・・・
一二三 ひいふうみいの第三の眼
キリストのめくらを癒す 開眼式!
物の見えない人にど ....
軍艦の現れて消ゆ
満載の雲丹もとろけて
跡形もなし
{引用= ※雲丹(うに)}
初出「LBS」二〇〇八年六月
にじいろの炎をともし黒髪は少年少女の真夏をあそぶ
少年の肩から旅立つ星たちは少女の空と海とに抱かれる
潮騒とよく似た硝子が割れてゆく、眠りの底を旅立 ....
雷の音にあわせてはしゃぐ声。学校のそば、無人駅にて。
どんどんと人が集まる軒下で君との距離にバクバク心臓
天才が年下と知り鼻血出す深夜三時は命が危ない!
行く末の わからぬ未来に 不安げな
雲ゆきと我 雷雨の予感
土方巽が死に物狂いで突っ立っていて
筋骨が軋み孕み勃興する そんな歌
ゴヂックロココのデフォルメ欲しし
わが魂の彫塑の歌に
自己検閲するモチ ....
海牛のようにリーフに内分泌す
57577が暗礁のように波立つ
真紅のハイビスカスが海風に揺れて
真っ青な空に咲いていて雲の影を
太陽光が眼球を焼き尽くす ....
仏法界の救世主と知れ権力者
霞ヶ関を冠位で色分けす
御霊会が御霊の供養ならず雷の
落ちるがままの我が日本国
太子御一家根絶やしにせし日本民族
....
月のない夜に君も独りで寂しいの??窓の外から聞こえる鳴き声
ママ以外顔全滅のご家族の静かなディナー皿の音する
ひいやりと冷たいメロン空に浮き
悩ましい夜見つめるだけの
物思いシロップの海に漂うか
救ってみたい桃のかんづめ
ごめんねとパイナップルの輪切りして
白 ....
冷たい水でタオルを濡らしてしぼって持って来てと言われるネコ
青空に舞い散る飛沫きらきらとプールに飛び込む少年の夏
呼んでいる遠い記憶の夏の声駆けて行きたいいつかの森へ
朝顔の花が咲いたよきれいだな笑顔も満開夏の絵日記
水平線の彼方に浮かぶ蜃気 ....
「らっぱのみ」って「ラッパの実」だと思ってた
ラムネの瓶で揺れるビー玉
宿題あるし
何十日も君の顔見れなくなるから夏休みは嫌い
毒々しく赤く染まった舌を見せ笑う少年
まるで悪魔だ
窓の外 西も東も セミの声
目の前うなる パソコンの声
扇風機 照りつく太陽 セミの声
一番勝ちは 風鈴の音
「窓の外・・・・」の詩を推敲し ....
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