渋柿を
外に吊るす
祖母の背が
あかねに染まる
晩秋の夕暮れ
真っ白な雪がつもった何もかも間違いなのにわたしは生きてる
縄梯子少女はおりるどこまでも夢の終わりへ釦は落ちて
にんにくを口うつしする秘めごとは口からださず噛み砕くだけ
....
超高級種も仕掛けもないビーフ舌でとろけて尻で固まる
夏前の視覚の審美報告を受けて腹へと指令が出された
バイオロボ最新鋭の内燃機にんにく2かけ鼠径に充填
縫い上げた ....
するまえに けしょうも よごれもおとして 「しよう」「脱ぐね」
寒くても雨も雪もあなたもすき外へ行こうよ
朝ひらく回転扉通り抜け
落ち葉の夕べ振り向くデジャヴ
吐息にてくもる心に口付ける
あいまいすべてガラス越しの日
今すぐに会いたい気持ち放つ午後
エレベ ....
お嬢様望遠鏡でお喜び お父様!羊から鼻血が!
泣きながらミシンでつけた道筋に友達なんかは歩いてこない
塾、稽古、家庭教師にボランティア砂糖にたかる蟻は∞
乾く ....
動物園の絵はいつも雨が降ってるあなたと行ったあの日から
手を繋いで坂道を駆け上ったね下る時に負けぬ速度で
母と二人ハンバーグをつくる夕日よりもきれいだったひき肉
....
染色体 新芽にも似た その一本 我に生えなん 恋にやぶれて
くれないを燃やしては織る彼岸花
散りゆくあきの路にざわめく
朝を着る嘘としたしむ桔梗の日むらさきいろの欠片をかおる
銀杏というなまえに咲いた羽たちを追いかけている日記 ....
オレンジの綴り忘れて青空のふりをしている北ロータリー
君はこないからブルーだらけの部屋にして海に還っていった泣きむし
レッドアイとまと嫌いの君に似ているからレパートリーにいれよ ....
電飾のアーチ 指きり 白い息 新世界でも生きていけるさ
片方の翼の折れた失速を
取り戻すまで我生きるなり
置いてゆく荷物の重さは測らない
翼の先を大事に繕う
夜の風 羽根のひとひらも凍みてゆく
翼よ向こうに朝が待つ
失っ ....
何時ぞやの
埃屋根裏
その中で
埋もれた君と
記した{ルビ優仮名=ことば}
ねえ、あたしに指輪をひとつちょうだいよ愛なんてこもんないでいいから。
赤い階段の赤いコンクリートに溜まった水に映る青空
偽物でいいから見せてよ満天の星空場所はプラネタリウム
長く ....
† 金色の笑顔かかげる その花は 遠いギリシャの まぼろし王子
☆☆ ヘレニウム * 花言葉:上機嫌 * ☆☆
† 薬にも 料理にだって お任せを! 我が幸せは役に立つこと ....
† ファルシオン 時を越え 今僕の手に 青の刃で 勝利を見せて
☆☆ マルス ☆☆
† 四方《よも》の海 風のタクトを奏でるは 緑衣をまとう おとぎの戦士
☆☆ トゥーンリ ....
かなしみと出逢わなければいたみなど
ふわり、するり、と流れてゆくのに
よろこびと出逢わなければ涙など流れなかった
ぱさぱさとして
いつわりへ戻りはせずにここに ....
† わっ! やべぇ! 編み目が違う! だいぶ前.... 糸始末して切った5秒後
† 綴じ針で縫った部分を 右 左 引いて揃える シーソーゲーム
† ....
活断層の裂傷を隠し暮れてゆく列島の国道はしずか
ひび割れてゆく日々の記憶行く手には空色のすべての皮膜
人一人ひとりひとりとひたひたと足音のする干潟はひえて
法 ....
涙かくしてティファニーで朝食を チップとデールのデールとお茶を
コスモスを見ましたすてきなコスモスでウサギが地面を跳ねていました
コスモスの背が高いのを忘れてました花もとっても大輪でした
風と一緒にコスモス畑の前に出てまた戻るとき頷かれました
こ ....
苦手だったメールと電話。
つながれる、そう思ったらやめられなくて。
他の子と過ごせば、更に思いしる。
誰の側にずっと居たいのか。
ずるいのは、駆け引きばかりするあなたと
傷つ ....
{ルビ藍玉=あいだま}の光に舞ひし 秋桜
遠き{ルビ海彼=かいひ}の 空に似たれば
コスモスの異名に大波斯 ....
中指は上に向けてよその中の愛を探っているつもりなら
嬉しげにぬらぬらの指見せつける…絡め捕られているとも知らず
知りすぎたことは あなたの初めてのキスの思い出 従兄弟のなまえ
真夜中の無言電話 座標軸の真ん中に赤い点がふたつ
どれくらい好きかを聞きたいのに いつも「ごめんね」ばか ....
立ち漕ぎの サドルになってみたかった ああ空に湧く入道雲よ
陽だまりに 眠る仔猫を抱き寄せて 春とは何かもう一度問う
生ぬるい シャワーのコック握り締め 純白の息 乳白の液
....
容赦なく不機嫌であるまなうらにひろがる無数の鶏頭の赤
いちにちを作業療法すると言いビーズ細工にこめるかなしみ
いけないよ爪を噛む癖孤独癖マニュキア塗って待ち合わせしよ
右足をアンクレ ....
パレードの喧騒にわかに散ってゆくここから遠いこころを想う
思い出す前のぼくらは幸福で雨雲は必ずしも雨を孕んでいるのだろうか
マタニティブルーできみは海の中ほんと ....
指組みのように身体を絡めゆく 二人で今日の夜空をつくる
ひとつずつ舌でたどれば直列の熱に融かされてゆくビイドロ
「ねえ、君にアイスピック突き立てたらブラックホールができたの ....
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