今もなお 薄桃色の 美しさ この目に居残り 頬に広がる
花の香を 蒸し暑い風が 奪い去る 今もかすかに 鼻をつきつつ
春すぎて 季節は青みを ましていく 春の夢中に おきざりにして
....
コピー紙に墨滴らせよくのばす青黒い旗を得るためには
書き留める 心の動き 五月雨か インク滲んで 心細げで
ぽっかりと 開いた空洞 埋まらずに 八年巡り 響く雨音
空見上げ おぼろに光る 輪郭を なぞってみたい 月夜に酔って
....
「ばかみたい」愛を決して云わぬ君恋する人はみんなばかだよ
またねえ、と元気?と涙とハグ夜の改札前に無数のせつなさ
注文は好き・憎い・好きのトリプルで君とふたりで来たサーティワン
....
だいすきな
人がたくさん側にいて
私はそれで生かされている
見たいんだ
きみのあなたの
その笑顔
それだけでもう
心あたたか
書きたいと 思っていても もう無理ポ ああ、自由に 書かせてほしい
満開の桜並木を葉桜に変えようとする意地悪な雨
月光を秘かに浴びて書き綴る今日一日の嫌なこと日記
病気とか日々の悩みやストレスをすべて飲み込む青い大空
地に落とす影さえ君に恋をして夕暮 ....
衝動に駆られて打ったメール文字 やっぱり無理ね つぶやき消去
マニキュアを ぬる宵明日を ばら色に 夢に描いて 指先キラリ
太陽の 恩恵光に とどまらぬ 必ず明日も めぐる希望と
....
ふしぶしにふと表れる愛しき妻の持つくせ声と姿に
夢をみし水晶の王冠と妻を表すしるしのダイヤ
妻の絵がもう一枚できる日が近づいている文月半ばに
遠ざかる妻の車を見送りて我がうちにある妻新なり
今朝もまた妻の歌おば作りいて妻は心の支えと中心
妻と吾在らしめている神と主はエホバ神なり主イエスなり
雨のあと光さす路濡れていて妻の帰るを待ちているなり
妻は明日休日ならば連れ立ちて何処へ行かむ夏さかりなり
子と妻とクリスチャンの集会に楽しき時を過ごしし昔
意味のないものは必ず白い部屋散らかる玩具に目を留めるの
がらくたを寄せて集めて作られたひどくかなしいいきものたちは
赤い目を握り潰してもう二度と君は見ないと約束するよ
....
つい昨日君と歩いたこの道で「おはよう」なんてメールしてます
祝福の夢を見ていた気がします されど心は寂しいのです
良い夢の後はどうして寂しくなるのでしょうか泣きたいのでしょうか
明後 ....
疲れたり向日葵畑に寝ころびて夏に負けない元気をもらう
指きりが僕の人生支配する子供の頃の大きな約束
その前に決められていた雨上がり言葉をひとつ少女は知った
ひそやかに水は逆流していると富を嫌った国語教師は
ペンギンと乗れば寂しい 24時25分に出る終電車
いましがた呼び合いました。 ....
偏見を
もって見られる
この至福
自分の基準は
思わぬ個性
(足のとれたピーターパンの人形が積もった埃の下で見る夢)
途切れがちな点字ブロック跨ぐ夏 雲の向こうに打ち寄せる青
内側にはびこる針の芽を撫ぜて微かな痛みが ....
今日は日曜
風は吹き晴れわたりたる夏の朝二人で来てみた熊野川べに
夏はきぬさわやかな路伝道の家々を二人してゆけば
疲れては葉桜の木陰に休み友も来りて語りあいたり
昼食のビー ....
書いてある内容よりも君の手がやさしく見えて繰り返し読む
今日もまたいつものようないちにちが暮れ 書く程の知らせはないよ
「大丈夫。相変わらずで、元気だよ。」きれいな嘘が並ぶ返信
....
遠回りしているだけの放課後は
ただぼんやりとただぼんやりと
キミノコトこっそり見ているようなこの目が恥ずかしくはずしたメガネ
横断歩道の渡り方などしりません
陸橋の上に ....
捨てられたテレビの前に数羽いるカラスも観たい恋愛ドラマ
遠足で弾む心を感じつつ雨の予報と裏腹な空
カラカラの砂漠に一筋ウーロン茶
わざと音出し飲む心地よさ
我が肉の南方回帰さめやらず
高天原もリーフの先に
創世の靄る熱の中浮遊する
人間の種五体固まりつつ
昏い寝間朝日射す夢まどろんで
....
今朝もまた
三十年妻と起き伏し今朝もまた出かける妻に礼をのぶ
雪の朝子を連れ妻は自転車で駅に向かいて出でゆけり
深夜勤残されし子と吾と物語読み聞かせやる夜幾夜重ねし
今日も日暮れて
六月の風が涼しく吹く窓にチリリリリンと風鈴が鳴る
夕暮の庭のテーブル二人して食事する焼うどんビール
日曜の就寝前の一時を聖書朗読心にしみる
世に在りて妻のふとしたしぐさ見て慰めているわたしの心
人として妻を恋うよりほかになし声をかけたし勤めゆく妻
早く起き今朝のいつもの食卓を妻とかこみて庭のアジサイ
梅雨のあめしとしとと降る涼しき日妻の車はいつものように
森色の匂いがついてる木漏れ日に「ぐっぴい」と娘名前をつける
由々しきは森を這い出て森に似た住居をあがなう罪の深奥
常しえに遊ぶ子らの基地宿す森あざやかに日々よ集え息して ....
うつうつと気分すぐれぬ真昼なり比叡に白き水蒸気たつ
まばらにも家建つ土地に梅雨の雨青田潤し緑濃き稲
中元に妻と二人ほうじ茶玄米茶煎茶求めけり
白雲をシーツに寝付かせカルテには「ただただ青い」と記す看護婦
「お水まだ、青くないね」とはしゃぐ子の満ちてくプールに濡れるくるぶし
ルウプするデイジェイのかける ....
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