先生が悔いを残さず生きろと言うたった一度の人生だから
浴衣着て線香花火一つ持ち飛び散る夏に切なさを見る
言いづらい質問されて聞こえないフリして実は心に刺さる
母親に男を見る目ないのだ ....
寒いねと出したその手を繋ぎ合いふと空を見る夜半11時
お互いにサヨナラ言えず見つめ合う終電憎しクリスマスイブ
もう二度と触れ合うことは無いけれど忘れ難いよその指の温度
二人して旅の魅力を満喫す地獄巡りに堂堂巡り
今も尚禁止している遊びするばれるばれないスリル味わう
浴衣着て一人孤独に火を灯す線香花火に想いぶつける
三階の窓から見える赤い花名前も知ら ....
降り積もる桜も雪も徒にその行く宛を知る者は無し
床を離れつとめて見入る曉雲の紅白藍の極彩あらむ
ビル群の山々より吹く木枯しの歌声を聴き今日も歩く
{引用=
にんげんに「いつか」の単位はないことを知らせるための報せが届く
あたたかくあまいものが頬をながれて部屋は焚いても焚いてもさむい
ほねになるただしい順序であることに最 ....
○ 一羽来て日輪背負いカラス鳴く冬枯れの土手に小用足すとき
○ 風となり枯野駆け往く自転車は赤子の瞳に何を残して
○ オルガンを枯野一面響かせて陽は寒風に反比例して
○ ....
息の続かない夜更け 知らないひとの肩越しに見るアップライト
運命を信じるとか信じないとかはいいから今すぐ抱いてよ
背中からあいしてほしい つまさきからからだは冷たくなってゆく
....
雪のふる音をきいたような気がしてイヤフォンで世界をさえぎる
幸せそうに瞬くイルミネーションをピンヒールで蹴飛ばして歩く
サンタさん、プレゼントはいらないから少し話し相手になってよ
....
隙を見て二人でエレベーターに乗った
上にも下にも行けないのに
思いには歌作るべき種もなく机に座りかくペンをとる
体にも心にも力与えずば気分は失せて骸骨となす
改めて妻と自分を並べみむ彼女こそわが心の絆
無い音が無い音のまま駆け廻る影より疾く影より疾く
花はただ花を呼吸し花に在るわたしたちでなくわたしらでなく
空つまみ冬を廻して雪を舐め夜を分 ....
耳を当て 君の鼓動を 聞いている 唇重ね 一つになろう
夜空見て 雲間に覗く 暗闇に 星の瞬き 生きてるようで
降り注ぐ 雪に音は 吸い込まれ 大地の鼓動 春までお預け
休館日静けさ浴びる図書館の返却ポストは闇への入口
七夕の願い書かせるイベントで永遠よりも今の幸せ
長男が生まれた時に植えられた庭にある木は屋根より高い
窮屈な電車に揺られ会社へと向か ....
簡単がわずらわしくて、快速を降りて隣の各停に乗る
「天才」でも「落ちこぼれ」でも結局のところ生まれるは、ただ劣等感
卑屈だと言ってくださいそうすれば、もう少しだけ卑屈になれる
....
とりあえず雨だからって感傷を君に抱かれる理由はない
前向きにペダルへかけた僕たちの出来事ごっこを覚えてますか?
好きのまま過去に残した人々を未練ではない夢にみている
P.S.に ....
赤いマントを身につけてつとめゆくいつもの妻との7時半
リストの曲静かに響く今朝の部屋姉妹の歌を作りしのちに
もしもしと 繋がっていた 糸でんわ 星の降る夜に ぷつりと切れて
「立て膝であの日たくさんの宇宙船がスクラップにされるのを見てました」
{引用=
思い出は、グレイと紫と青のまじった夕焼け。鉄条網の向こうには、カブトムシの死骸のような宇宙船たちがにぶく銀で光っ ....
窓越しに机に座り学びいる人の姿の好もしきかな
人にとり妻は親しきものにして親子に勝るものにありせば
淡き陽のさんさんとさす朝の路姉妹の車ゆるゆると出ず
朝になす家事のほとん ....
{引用=
群青の金魚を掬う午前四時 涙をのませて。カンパネルラ
ぼくたちの間に光る星屑の甘さを揺らして廻る車輪よ
十字架を背負って羽ばたく泣き虫は優しい毒を敷き詰めていく
....
寄り添うと寒がりな君の体温を奪ってしまうとつぶやいた君
少しだけ落ち込んだ君のメールは抱きしめてよと叫んでるのか
わき腹をつついて遊ぶ君がいてつつかれ笑う馬鹿な楽しさ
何となく素 ....
誰彼の感傷ばかり閉じ込めて落葉にねむる二人のベンチ
{ルビ埋=うず}もれて天地山河の広けれどこの身の{ルビ外=ほか}に往くあてもなし
死ぬ迄はスワンのように美しく死なばオフィリアのように美しく
生成りて五徳の憾みありぬれば黄泉つ{ルビ途=み ....
粉雪の 一つ一つの 結晶を 散りばめた夜 ひっそりと泣く
降り積もる 雪の上には 足跡を 静かな中に 奇跡を信じ
星空に 列車の車体 凍てついて 彼の童話に 思いを馳せる
....
マンションの上の階から落ちてくる別れの歌に擦りむく心
紫陽花の色に負けない薔薇の花新種生まれて華やかになる
児童等の笛の音色が漏れてくる故郷の歌口笛で吹く
降り積もる雪を見つめて白く ....
人はいつか死ぬけど死ぬから死ぬ時はみんないるから安心、安心。
真夜中のNHKで黒い鵜がとろとろの黒い海に沈んでた
思い出は記憶になった穏やかに健やかに失われ、損なった。
なにひとつで ....
○ 肩寄せて小春日の降る水面見てダメな兄だね妹泣かし
○ 君のこと掬いきれない呪わしきゼロと1との「男デジタル」
○ 往く君のケータイ握る手の甲に夕焼け空はそっと差し込む
あかぎれの 手にクリームを 塗りながら 母の位牌に 昔を思う
ガス栓を閉め忘れて数時間あわや爆死か中毒死か
温泉に浸かり身体を温める抱き合うような愛を感じる
夜明け待つ富士山頂で待つ僕ら朝日に映る君は女神だ
不自由も辛さも生きる証でも耐える身体に限界は来る
山崩し新たに団地作られる環境破壊 ....
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