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大きな奇跡よりも小さな奇跡のほうが見つかりやすい。わたしがここにいることにわたしが何にも感動を覚えないみたいに。
わだつみの声よ示せよその教え、遠くに見える鱶を眺めて
弾丸は砕くものだとこそ思へこぶしは何をするものだろう
もの言わぬ虫けらどもの歩み寄るそれを見ながら反抗するは。
オリオン ....
うらめしく掛け違いしブラウスのボタンの始まりいじる淋しさ
コナゴナ ....
心配を 呼ばは人の 無理強いる たよりましかば たより書かまし
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じりじりと焼く鯵の身の焦げ方にわたしの罪をひっそり重ねる
降り出して濡れゆくまちで動けずに 空があまりに重たくあるので
なにもかも違う ここではなにもかも違う あなたが過す場所とは違う ....
世の人は自分も含め生まれつきマゾヒストかと哲学しては
かつお節みたく体を削りたくなる日に見つめ、エゴン・シーレの。
いなくなれ、いなくなれよと繰り返し、午前三時の新聞ことり。
手首か ....
四つ辻の老人ホーム日が暮れて色とりどりの折紙の森
泣き濡れた同級生の美容師に長靴一杯の画鋲をもらう
「亡くなった人に救いはありますか?」色白の男に呼び止められる
鮮魚店から出た水が焼 ....
眠れない夜は羊人間の数を数えて眠るとよい
ゲバ棒を構えた少女一斉に海に向かって雪崩こむ夜
ひき割りの納豆の雨さめざめと夏の夜更けに卒塔婆を濡らす
子供たち川を流れてゆく途中賽の河原で ....
粉塵と血と寄せた眉紙面越し見ている我は屋根ある下で
少女期という期間とは恥ずかしきものであるなとこのいもうとに
窓ガラス叩く雨音憂い帯び明日は自転車乗れるだろうか
なにという鳥か知ら ....
車で4時間 炎天の墓苑 「おかあさん来たよ」
祝す事なき 日々なれど 景色移り 木々の色 鮮やか
雨音の 皮膚に落ち ただひとりの人 想われる
柔らかい視線、あたたかい差別、私は戸惑った。
麦わらを被りて座る母の背に今日は夏日であったとおもう。
敗戦と聞き自害した青年の血のなき跡に自転車とめて
よろめいて叫ぶ彼らの声などが含まれたる潮戦後にならず
日本戦没学生の手記など ....
いたんだら
なおせばよいと
よくもまぁ
おしえてくれて
じつにサ ....
き君みを立てるるく首ららられる鴨居には川わをんんん
(世(ゐ)界は下僕と君で閉じて囲る)3.141592...
芍薬を芍る薬のあるものと祟れぬ根のぬ己の身くだ(再)
口縄は口に出すと ....
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すこしずつ除け者になってゆくab間の距離に追いつけなくて
2009年に停止しましたそこからは私が狂い始めたのですヘッジストーン
囁きに鳥を殺します囁く名札をつけて レジにて
敵は敵静 ....
夏過ぎて
恋に落ち行く
比良の顔
紅葉と共に
散りし恋かも
甲羅を脱げない亀でよい 脱皮の空に泣く蝉よりも
ワンパタンアニメ アンパンマンの歌詞で泣く
「ソーラーで回ってるのよ」 ショーケースのガラスに映るひと
花火、風。立ち尽くす夏 陸橋で麦わら帽子は抑えずにいた
日に焼けた腕に食い込む荷の持ち手 両てのひらで生かした金魚
向日葵が燃えない程度に咲いていて息継ぎの度ちらり ....
中三の冬に耳朶刺し安全ピン漿液{ルビ瘡=かさ}がパンクを塞ぐ
高一で曲がりいし次女称号が遅刻の女王その親教諭
筆跡を真似て風邪引き飛び歩く我ゆえ母の土曜午後飛ぶ
ひねくれたひよこが騒 ....
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ネックレスをつけるひとの息遣い
「海は嫌い、夏も嫌いだし、晴れも嫌い」 僕が何よりすきだった君
わがままな人ほど白が似合うのだと知った 季節が変わる音がきこえた
そのかわり僕のなまえを覚えてて 僕がきみを忘れるかわりに
動物の
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太陽直下屋上の熱風 吹き返せ吹き上げろ 空調屋外機の孤独
残されたものは何時だって 地を這う 雑草の草いきれ
古本「遠き落日」 まんが喫茶にて読む 一生の歯車の中
捨てられた ゴミ袋 ....
あなたを信ずることができなくなつた余りに地の呻きが大き過ぎるので
主は試みに苦しみを与へられる動物を弄ぶわれらは主なのか
君を口汚く罵る主よわれらに知恵の実を教えたのは何故
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