冬風に呼ばれて振り返ざらねれば
思い出したり親の付けし名
命なき草の喜びよさらさらと
日差しさしこむ窓辺にゆれり
血液の色にどろりと赤黒く 淀む怨念のごと恋心
「くだらない」と一蹴してよ 頚椎にまとわりついた恨み、首ごと
汚らしい親父の娘麗しく「私がずっと守ってあげる」
煙草より酒より危ない薬よ ....
猫の友達になりたいと思うので猫のルールに従って生く
フィアンセがいるなら先に言っとけよ口説くつもりで着た若狭湾
駕籠に乗り来てもらっても交通費払えませんよギャラも出ません
むらさきの沁みわたる音風揺らし母傍らに我を生かした
結露に潤む硝子窓に指の跡透かして見れば犬が飢えてる
桜の下に死体があるとは思えずも掘り返しては徒労が慰め
蒼白の子供が眠るこの野にて銀色の風ほほをかすめる
冬の田の真白い雪をほおばって意味ないことをしているおのれ
落語するはずで入った園芸部「寿限無寿限無」と花を育てる
カレー喰う人は誰でもインド人親のジョークを真に受け布教
つまらない思考に時間使わない無音のままの今を感じる
味噌汁を飲んで身体が温まる朝から元気湧き出る源
奥深く隠されている扉ある自分で見つけ自分で開く
太陽は光を惜しみなく注ぐ全てのもの ....
巨人とは皆が嫌がる悪役を買って出てますナベツネもです
初デート鼻毛を抜いてメイクして下着代わりに鎖帷子
しゅんしゅんと沸く湯気の上はがされていく、ボクののりづけ
きぶくれた冬の雀がひだまりでおとぎ話の続きをうたう
かあさんの手冷たいねりっちゃんの手はあったかいね
火傷した誰かの指のため ....
正月に必ず食べている慈姑程よい苦み新鮮な味
ピアノ弾き空気の流れ音になる心に波のように溶け込む
正月はお節を食べて腹一杯年に一度の特別なもの
僕と逢う時は弁当作る君愛されている喜びが ....
携帯の明かりが照らす叫び声音もなく声かける人もなく
刺す冷気窓際からの匂いかな不定期深夜慟哭時間
エアコンの熱暖かく吹く風の色に育てよベッドの蚕
芸のない男の指がただ紡ぐ言葉が消える ....
ため息を缶詰にして積み上げて635メートル越え
からからと 庭の枯れ葉は 風に舞い 集まってゆく 雪のように
チチチチと 小鳥は木の実 ついばんで 眺めるわたし 息をひそめて
ベランダに 小さな服が 並んでいる 冬の陽射 ....
庭に落つまだ新しき抜け殻は夜間飛行の孤独かたどり
未開の地鉄線伸びいく開拓史月の先住民保存せよ
日本の古くて暗き引き出しを覗けばなかにいる死刑囚
夏祭り流し踊りの白粉の細きう ....
古本屋本の匂いが混ざり合う色んな理由で棚に並んだ
今日もまた何処かで花が咲いている見る人みんな心は子供
好きなこと書けば書くほど面白い詩になっていく日々の出来事
過去なんて振り返る ....
ここからは
通れませんよ
一ミリも
....
死がそこにあることを知る幼子も羽だけ残し逝った虫の
きょうもまた葬儀場に黒々と人は集まり人は集まり
病葉を冬のひざしに見透かして空のこんなに小さきことを
この世への未練を断ち切る日数 ....
編み棒を一目ごとに刺して抜く扼殺ですか黙殺ですよ
酢昆布をヘリからまいて地鎮祭オレの本名ミヤザワケンジ
女子のいる飲み会でさえ三國志熱く語ってオレ残酷死
雪が降り真夜中も降り銀世界一歩一歩が新しい道
降り積もる雪は無音のままでいる思考を止めて雪と同化する
ポケットの中から外へ出せなくて思い伝えることが出来ない
人気無い神社 ....
「久しぶり」強がる言葉消すように奪われました初めてのキス
本当の自分はとてもカラフルで輝いている軸足に乗る
プロポーズ成功すると思ってたロマンティックな企画は中止
キャバ嬢に俺の作品プレゼント ヤフオクに出て妻が落札
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