あざやかに刹那春華に暮れてゆく君の名前も呼べないままに
空はまだ薄むらさきになれなくて鏡のように云わない鳥が
恋す日は夜明けを拒む呼吸して切ないだけで終らない朝
振り向けば見慣れぬ田園地帯からぼくに似たきみ空を呼んでる
青空を描き続ける画家としていつでも眠るときも仰向け
ゆびさきに雪のひとひら落ちてきて京都は違う明日を生みます
落 ....
ミーとケイの振りを峻別する妻は丙午にぞ生まれたりける
それぞれに言えぬ事情もありつるを五十路になりても踊り続けよ
ピンクレディーを踊る姉妹の姉ばかり恋人とした歴史ありけり
「や ....
ターバンを卷いた「ミスター念力」の原作での名は「GURU」でしたとさ (念力)
數々の呪文を覺えるそのための呪文を忘れた赤毛の少年 (呪文)
谷君の「謎の圓盤UFO]のプラモを壞して逃げ ....
いつまでも臨戦状態てのひらを開かないから握れないのよ
なにもかもこぼれてしまうふちのないコップをさがすいまもぼとぼと
パラシュートやんわりひらく恋人と喧嘩した夜はなすこのひと
....
「永遠のフォークソング」に一人だけ、場違いのような高田渡だ
NHKで歌える歌があるのかと高田渡のLPを探す
ブラブラもわからない節も歌わない高田渡は窮屈そうで
「自衛隊に入ろう」と一 ....
雨の日にてんとう虫を探すよりむづかしいこと考えていた
ゆれている壁の写真や金魚鉢自信を失くしたきみにゆれてる
驚いた山の紅葉へたくそなきみの手編みのマフラーそっくり
霧の ....
今日だけの花 さわぎの水のふりかけて かじり抱きして朝にしおらす
しょうちのうえで怒らせて 悪気もありで涙なら さじもなげる身もなげる 君
泥となり眠る あまい泥なら手でつかみ 掘 ....
花粉症の季節になるたび世話になる薬局のひと髪型かわった
苺とかバナナはあまりよくないと教えてくれる口元がいい
帰りには苺じゃなくてグレープフルーツ買って帰って剥いて飾って
好きになる ....
さようなら空を愛した空の鳥翼は冬の闇に消え行く
コーヒーに雪をひとさじ入れたらば味は冬味になるのかしら
雪の枝そろそろそろととけてゆく日差しが春に交代をし
塀の上スズ ....
妖精を やぶ蚊と思って 退治する あなたの手には 何が見えるの あっちょんぶりけ
ハムサンドだと思ったらハムちゃんズかじってごめんいたかったでしょ(と思って) 最果タヒ
ファイルする ....
水滴を鏡に落とし異世界の虜となりぬその未亡人
遺伝子の螺旋ドレスにして踊る女の口はひたすらに赤
水銀のぎらりを飲んでみせるからわたしと一緒に歩いて下さい
丸ボタンひきちぎっても ....
アメリカで銃をフトコロいれてても フアンは取れないモノなんだよな
空中に放り投げたる自転車の車輪の下の花びらが好き
背景として描かれる枯野にてかんざし拾うそれはゆうやけ
水没す古代遺跡の燭台にふたたび炎が灯る邂逅
風邪薬ばらまく園児裏山 ....
ゆうぐれにボクは涙をたれました オレンジ色はひきょうなもんだ
もうすぐ嫌いな気持ちがなくなる
くやしい くやしい くやしい
目を閉じて目を閉じないで目を閉じてそんな器用な真似はできない
手応えを感じているの?ラケットにガットも張らずに打ち返すきみ
舌を出し振り返るきみほらそこに妖精みたいな花が咲いてる
....
自爆するいきものだから喜んでスキップ踏みます地雷も踏みます
自爆してまた生き返って自爆してトムとジェリーの悪夢みたいです
自爆して地縛霊になってみたくって地雷を探す朝もあります
餡 ....
うどん粉って、耳たぶを噛む感触、照れ隠しのひらがなの発音
うどん玉ぶつけて君を差別する鼻だけ長い蛋白の僕
夕焼けに喉を詰まらせ思い知る逢えない夜のうどんの長さ
うどんにはあまり興味が ....
ラインストーンふた粒はがれた日のようにさよならって言ったほうが勝ちなの
彼氏くらいいるんでしょってモノグラムの財布撫ぜてるひとに問われる
ゆめのなかほんとうの家族に愛される ....
校庭の桜並木花吹雪に見惚れる君に見惚れる僕
若葉萌えて黒髪の乙女自転車ノーブレーキ危機一髪
君が読んでた本の栞場所を変えた犯人僕ですごめんなさい
雨の日の ....
眠ってるそうではなくて沈黙よあなたを葬るながいまばたき
肉食の僕を嫌いと言うきみもすでに世界に捕食されてる
夜遅く広い畑に穴を掘り埋めるという名の行為を見てた
寄り添って ....
魚の核のごとくつのるもの鳶色の街遠い野原
あざやかな稲妻のように殺す街 行き交う人みな 音の群像になり
ちっぽけな硝子のようなわれのかげ黄昏握るナイフの沈黙
水晶の祖国の ....
石炭を掘りし祖父らの手のひらにひとすじ青き川の流るる
コーヒー店ここにあるぞと言う父の初恋よぎる遺伝子の夢
をさなごと眠る畳に健やかな妻うつくしき秋の遊具も
弟は真夜中銀 ....
この部屋のおくにはいってこないでよ(あのひとだけは許されるけれど)
ただすこし、濁ったことばに背を向けてすべてを拒絶していただけで
そのあとは さんかくすわり、鍵をかけ 誰かを待ってい ....
ぷりりんとチョコの入れ物売っているフォークの先に突き刺さる月
ヴァイオレットきみの口笛残酷に金魚のエサは二粒三粒
鍵盤は白黒白黒白白黒カレーライスに蜂蜜入れる?
ふざけてるふざけてる ....
大雪が降ったら降ったで雪かきに見せかけながら遊ぶべベイビー
朝でなく夜でもなくて目覚め悪く夕陽遮る白天井
全身を駆け抜けてゆく閃きは貫く光冷えた弾丸
裂かれた身夢での出来事ではあれど痛む身 頭 “戦争ごっこ”
偏頭痛 止まったまんまの ....
トイレットペーパーにでも巻かれて汚物もろとも流れ去りたい
風引いたっつって休んだ子はきっと心も風邪気味なんだろう、なんて
あーーーー
早く帰りてーーよーー
もういいだろー
ウンザ ....
姉さ姉さ 何故に我が前 生まれやる
我が姉ざれば 憎まざるらむ
曼珠沙華 折々重ね 心埋める
未だ剥がれぬ 彼の人の香
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【短歌】このカテゴリでは31音律「5.7.5.7.7」を基本とした短歌と、その音律を崩した自由律短歌作品を受け付けます。短い自由詩は自由詩カテゴリへ。短歌批評は散文のカテゴリへ
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