塔というひとつの崩れるあこがれや空へと伸ばした腕の傷痕
傷つけて傷つけられて庭先で裸足のままで梅の香を嗅ぐ
濁流に映りしきみの微笑みか重たき日々の波のきらめき
階段の日陰 ....
「ごめんね」と去る微笑みの明るさに差し込む翳は「何でもないの」
血の故に告げやりがたき想ひあり 都鳥をばともに見上げて
蕾とは最も若き花なれば 散る痛ましさもて在れるものなり
外れてしまった隕石少年のように夕日のなかで古書を燃やせり
赤花を抱く少女の胸はずむ満ち潮になったら産卵しよう
生み落ちる星の数々ベガまでも藍色に黄ゴーシュよ ....
人間は 空を飛べないわけじゃない 空の色が 気に食わないだけ。
ゆったりと牛一頭の牧の原夕日につつまれ真っ赤になりぬ
背の高き風車なりけり水仙の夕日が低く輝いている
海の上ほら糸電話輝いて君までとど ....
てのひらの上の海峡舞ってゆく蝶よ朝鮮半島もっとも暗し
死ににゆく赤い海峡渦巻いて『未来』という地図霧に裂かれよ
消防車街走りゆくはるかなる ....
眼帯をしている目医者彼岸花しおれるところを花鋏で切る
いつまでも鳴らぬ時計よ深夜ふと台所で君に話しかけたかった
オレンジをできれば本屋の中央に置けばいつ ....
横たわる詩人に砂を投げ入れよテロリストのかなしみ知らぬなら
閃光のあとに残りしひとがたが刻まれており道路の上に
欠落を埋めないこと背を伸ばしカクテルグラスごしの詩の文字
血のにじむ指 ....
勝手言う膨れた頬の内側を舐めてる舌も僕は知ってる
火をつけてすぐにもみ消す癖のくせ人の煙草に文句ばかり言う
意地悪とすぐ泣くけれどどうだろう僕は意地悪君は意地張り
毎朝がはじめましてと新鮮なまぶしい目覚め軽いくちづけ
片想いあの手この手で口説きたい君が恋しい一人サーカス
人知れずそろりそろりと訪れる誰も気づかぬ別れの日
毎日が当たり前に過ぎてい ....
存在意義の中に君の吐息は感じず
生への感慨は深く闇の中へ
純白なる光で 生なる痛みでもって
....
小麦粉と卵と砂糖と牛乳で焼き上げました 衛星ボーロ
この空を君が見上げた瞬間に衛星写真のシャッターを切る
デコボコの街はテトリス 今もまだ降りつづいてるラピュタの欠片
{引用=ぼくらは起きることを待っている偶然そのもの by Thom e Yorke}
サジ加減まちがえないでね甘すぎるコーヒーなんて甘いだけだわ
狭すぎる棺桶だから埋められる ....
たそがれの丘にひとりのカーボーイ夕日を浴びて拳銃かざす
午後の陽よほこりまみれのカーボーイ牛追い稼業の残業となる
疾駆する馬を制する手腕かなロデオのように馬つんのめる
....
61. 櫛 ジーンズの尻ポケットに櫛を挿す少年好みしクリームソーダ
62. マスカラ フライングクロスチョップで翔ぶ距離が年々落ちるミルマスカラス
63. タクト 真夜中に少女はホンダタ ....
なぁんにも期待しないから突然に欲望だけを素直に告げる
ライバルを口説きたがるの悪い癖知っております言われなくとも
ねぇ蛇さんわたしはイヴよつややかな知恵の木の実を手にする前の
パソコ ....
寒さこそ まだ解けねども 冬雪を
はさみで切りゆく 春は来たれリ
33. 墨 靴墨で顔を染めたるシャネルズの日々懐かしむ田代まさしよ
34. 家族 輝ける春を吾等に!明日7時「北の家族」で合コンします!
35. みじん切り 玉葱も香奈もセロリも由紀ちゃ ....
望遠鏡さかさに覗くぼくたちは遠距離過ぎたりぶつかりあったり
プラスとかマイナスだとかカタカナで考えているきみはプラスだ
携帯を携帯せずに携帯すなぞなぞみたいな恋の答えは?
....
ともだちと消しゴム飛ばせばおとずれる春のはじまりさなぎになる夢
遠い冬口のなかいっぱい唾を溜め蛇に吐きかけ孕んだ何か
音もなくオレンジ色に燃える雲だれかぼくに手紙をください ....
寒い夜ぞ 街角見れば 凍える身 幸せ無きて 一人佇む
ふくらみの桜の花のもやいからあなたに送ったホカロンひとつ
銀河からいかなるものも貫いてやってくるんだニュートリノ
帰郷しようと世界地図を開いてはゆく当てもなく東京にいる ....
忘れてる憶えていない僕たちはいつからここにひとりでいるの
真っ二つに裂ける桃です落下して蟻がたかって朽ちてさよなら
この場所からもっとも遠いところとはたとえばあなたの微笑むところ
....
小田原のちょうちん座敷に棲むという山椒魚をボーカルにして
カップ風呂ふたり湯あたりするまでにい続けていたい体温
神田から二松学舎へ君と行くテレビ会社の広告契り
....
1 一 一つだけわがまま聞いてくれるなら曲馬団には売り飛ばさないで
2 二 二人ともそれぞれに夢を見て眠るとてもよく似た夢ではあるけど
3 四 鶴亀算宿題ならばよくお聞き、坊やよ亀の足は ....
もう一度白い世界さ何もない何もないのさすべて以外に
聴こえるかい草原をゆくぼくたちの忘れたすべての木々のざわめき
もぎ取った翼を売ってぼくたちは生まれたのだときみに言われた
....
切なげに君は言うけど拳骨を入れろと無理をおしつけてくる
失神をしている君にきゅうりなどいれてもだらっとしているだけで
これがいいバイブレーターほしそうにしている君に思 ....
初めて 制服を着た あの日から 早6年過ぎ 卒業す
血のにじむ指くわえようとするあなたから手をひっこめるさびしみがある
背後から抱かれて息が首筋にかかるぬくさを忘れはせじと
深呼吸忘れたことに気がついて深く重なる森の天井
きみの ....
路上からころがるビー球追いかけて草むらの中鳥が死んでる
ヘラクレイトス持ち寄って読書会する三つ目ばかりの
ブレーキをかけないままで港からそのまま海へ四人の若者
....
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