優しさが 爪弾かれるも 泡沫と
振り向きもせず 貴方は泣いて
静寂に身を寄せながら 綴りゆく
独白が刹那 雨音に消ゆ
やさしさをうたうは哀しき{ルビ歌人=ひと}ゆえか
いたみを知りてその{ルビ歌人=ひと}を知る
眠れずに聴く子守歌は中島みゆき
何故か重な ....
何も 香、も
捨てられるほど・強くなく
守れないのも
また 然ること。
千切れそうな肌の内では、
ただ今も
広がる影が 漂ってゐる
反逆の中 で
救い ....
まぼろしの握手をすれば手の中に土の味するひまわりの種
夏の夜の平均気温が2℃下がり僕は機械の夢を見ました
青空に君が裸で泣いている 機械の僕は近眼のまま
コーヒーを眼鏡の縁で焙煎し3 ....
授業中 廊下を二人で歩きたい 「お腹が痛い」ホントは嘘だよ
背を撫でる君の掌 思うほど大きくなくて 愛しく思える
得意気に話す隣に女の子 夢の中では何度も殺した
「優しいね」優しいは ....
髪なびく風通り抜けるTシャツの袖つまんだら恋走り出す
真っ白なシーツに夜を預けたら眩しい光に「おはようございます」
「おはよう」とまだ寝てる声で返事する眼をこする手すぐわたしに触れて
....
会いに来て腕一杯の猫じゃらし花束にしてリボンをかけて
うつせみやあなたの上着をだきしめてくんくんくんと息を吸いこむ
小枝とか石だとか夜空情報とかわたしのもとにもたらす人よ
朝風を浴び ....
「不思議だね、みんな死んだらいいのにね」ってビルの65階の夜景
もう少し待って 60年くらい経てばさみしさが死因で死ねる
{引用=6月、梅雨 ....
日に満ちた電車はそっと風になり火照ったほほをすりよせてゆく
夏に包まれた海の底の席で車掌が居眠りしつづけている
唇のはしからはじまる熱気にもあたたかないばら胸に ....
硬くなっただんごを2分素揚げして見知らぬ墓にお供えをする
柔肌のわけへだてない膨らみにみたらしだんごそっと置きます
アメリカのだんごは星で出来てると君に嘘つくダンボールの中
海釣りの ....
踏みつけた木の葉の裏に隠れてる虫さえ愛せるくらいにひとり
冷房のファンに揺らされ落ちる葉のむなしさだけは凍り付いてる
あの雲にかかればあの葉の色だって一撃なのよ だからわたしも ....
金魚鉢かすめる涼風の行方知ってか知らずか手招きの夏
逝く春の背中押しつつ背中からはじまるアブラゼミの{ルビ時間=いのち}よ
きみがたわむれてた波ならひとすくい両手ですくって ....
A型のあなた翼を折りたたみ夢の背中へ落下してゆく
B型のあなた昆虫採集を投げ出し籠の中で寝ている
C型のあなた視界に映る朝こことは違ふ世界の夜明け
O型のあなた肯定し続け ....
遠き田の隅に孤独は佇みて親しきわれの呼ぶ声を待つ
白きゆり手折る微々たるゆびさきの力でわれをあやむるおまえ
君が代をふたりで唄うさつまいも甘き田舎の夏の縁側
....
よちよちとあどけなき手に握られた小菊の束はあさつゆに濡れ
街かどに伽羅のかほりの漂ひて白き日傘に蝉時雨のふる
いま何処におはしますやら彼の人の辿るゆくへは菩薩か修羅か
....
マリアンヌあなたが眠る七月にあなたが強く響くのを聴く
マリアンヌ七月の原をふりかえり星の海を見つめつづける
マリアンヌ石壁を越えあなたへと滴のような声がしたたる ....
君恋し改札口に佇めば嘘つきの空闇に広がり
この街のいつわり愛は面はゆく胸元揺れてなほ移ろえば
みおを引き声のまにまに小舟ゆき行き交う人の波打ち際に
漂いて水面に朽ちた古木 ....
カブトムシちゃん
にこっと笑って
ぼくのこと
好き
って言って
くれるのかい
0と1でオレオをあらわす方法は010か000か
夕焼けに空のジャムびん投げつけてあつめてるのよ このアイシャドウ
よく舐めて→出てきたものを→腐らせる→ヨーグルトにはならないのかな ....
骸骨がブラブラ廊下歩いてく音楽室の鍵は壊れた
理科室の匂い取れない制服に誰かの刻印深く押される
日食を見るため屋上集まった魔女が湧いてる魔女が湧いてる
チャ ....
口吸えば愛は永久にと君は言ひ嘘の眼差し思ひつく間に
タバコ消し苛つく仕草あざとくて値踏みされたか愛の深さを
出ようかと言ふきみの髪かく仕草それでも想ふきみの優しさ
街はま ....
ニ日酔い眠れぬ朝に大あくびホテルよりいずる朝日のなかで
何故に外したネクタイ風にのせ一心不乱にバット振るのか
振りぬいたバットの先に君がいて微笑みの向う打球飛ぶ
乾いた音ひとつふたつ ....
カリフォルニアオレンジジュースと勝負するこの恋からは決して逃げない
ここで飲むビールもいいねと君が言う上空強風離陸見合わせ
風鈴が止まってしまうほど酔ったあなたとのお酒辛く ....
枯れた花に心奪われて立ち止まる あの時の君の掠れた笑い声
キスが下手なわけじゃないんだ 本当は君の唇が苦手なだけ
クラマーが向こうへ渡した細麺が途中で白地に置かれてしまう
轍からシド・サクソンを掘り出してポンプ修理が午後までになる
トイバーの潜り込む穴が増えすぎて逆に迷えばつま先伸びる
紫で曇っ ....
定型に望みを賭ける
形なきものにかたちを与えるように
カメラ無し三脚立てて五歩下がり
瞼が切り取る秋の夕暮れ
君のこと好きで好きで気が狂いそう
君の字に宿る君の ....
エジプトに眠る少年少女らの夢であるかもこの世のすべて
着物から覗くあなたの白い脚 幽体離脱の感覚を知る
水色の街へと渡る鉄橋の錆びた思い出ながれゆく河
....
作中の 妙に気になる人がいて あっと赤面 君に似ている
憎しみを憎めぬ己に目をつむり走りつづける霧の日の朝
手をつなぐふたつの季節の境いめのついばむ鳥さえいない花の実
何もかも光も土も不確かな滝のように流れるふち ....
風も木も滅びゆくときわれもまた等しく愛に抱かれて過ぎよ
降りしきる雨でおまえの声は途切 れ遠い異国である公衆電話
たった今、落ちた花びらだけ見えたった今見えなくなったただ風 ....
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