ある人、死ス。
その墓、石一つ花一輪。
周りの墓は花盛り、人絶えず。
年月十年。周りの墓、相変わらず。
ある人の墓、石一つ花一輪。
年月百年。他の墓、人絶え、墓石半分。
ある人の墓 ....
男が
ひとりで 燗を飲む
気遣いのBGMは五月蝿い
男が
ひとりで 燗を飲む
肴もないのに
燗を飲む
男が
ひとりで 燗を飲む
辛さの目立つ安酒は
....
{引用=
消えそうに震える
ほっそりとちいさな肩
けだかさは
すべて死に絶えたのだと言う
おまえに似合う花がないこと
知っていて
それでも探し続ける
青ざめたねがいを
包み込む
....
内臓が焼けてただれていくような無力感
なんにもしたくない気持ち
夜中になってからカラやる気にまみれるからこういう事になるのだ
暗闇でやる気になるのは良くない
一人でかーっとして、頭と目が別の生 ....
無地のキャンバス塗りたくる
台詞吐き出し続けてる
時代遅れの汽車は遠く
未練がましくたなびいている
あの排煙は何のつもり
セピア色の破れたアルバム
寒空に下手くそギ ....
女人と婦人の違いを把握せよ
例えばそれは
シャーロット・ランプリングと
ローレン・バコールよく似てる
気質が猫に撓うのと(霧の夜は更なり)
義理堅い女は所帯臭いのよん(わんわん)
ダスター ....
白昼 気だるい午後
軽く眩む ひと時を越して
背任罪に食い込む技法で
偽証罪に刷り込まれる詩句を素描
快楽とは
交感神経を複雑に甘い切れ味で
繊細に光速で往来する電気信号をい ....
飲み込めない
飲み込めない
だって 泥だもの
青いのに 泥だもの
必至に。必至に、啜ろふとするも
飲み込めない
飲み込めない
だって 泥だもの
こんなに綺麗なのに 泥だもの
....
瞼の奥で失っていたことに気づく。しかし、
それが、髑髏を巻いていたひと夏の感情だ
ったのか、それとも、行きずりの女が床に
棄てた水着の匂いだったのか。朦朧と立ち
込める喪失感だけが、ドラム ....
小さな喫茶店である
余りにも小さすぎて
見落としてしまいそうなそういう場所を
隠れ家と呼んでいた
隠れ家にはたった一つだけ揺り椅子があった
その椅子は
誰のものでもなかった
....
ガラスが割れた
ステンドグラスを一つ一つ溶かしていく
溶けてなくなる事を惜しみながら
最初、光がすべての色を透過していた
私は、それを一つ一つ消化されることを 知っていた
溶けて ....
{引用=
よくできた箱の中に
一つの因子が
入ってきた
それは流動し
箱の中のよくできた
因子たちを
かき回した
たった一度の邂逅
たった一度の瞬間
夏休みが終わる ....
キュウリ空の晴れやかなある日
魚々しい海へ旅して出ようとナスさんが言う
こんな世の中じゃあ 生きていたって仕方ねえ
せめて旅に出て草枕、野菜らしいおナス人生を ....
101105
もうちっと
もうちっとですね
もうちっとで冬ですね
河原のネズミも慌ててる
ほじくり出した獲物を咥え
呑み込む暇に走り去る
水 ....
溜息をつくと幸せが逃げる
そう言った人がいた
幸せを呼び込むには
どうすればいいんだろう
きっと『愛』を叫べばいいんだ
好きだ
愛してる
抱きしめたい
君しかいない
一緒 ....
ゆるやかに伸びてくる腕を
気付いたらあたしは掴んでいて
その手をすぐに離した
「嫌いじゃないよ」
「やさしすぎて恐いだけ」
あの華のつるみたいに
純白で 棘なんかないのに
刺されてしまい ....
畑のまん中に
猫が座っていた
「おまえなにやってんだ」と
声をかけたら
聞こえないふりをした
じっと見ていたら
しっぽがピンとなって
顔がまじめだった
「おまえなにやってんだ」と
....
何食べたい?きくと答えは
なんでもいい
魚?
肉?
なんでもいい
私いらない?
なにか言ったか?と
言ったかどうか
なんでもいい
どうでもいいは違うみたい
出来上が ....
窓に映る窓に映る窓に映る窓の奥の
水も枝も光もひとつに
人の外からこちらを見ている
無いものを踏むたびにたちのぼる
生きものの夜
かがやきのない星に満ちた
小さ ....
雨粒がダンスする
黒い傘の谷間を
小さな黄色い雨合羽が
流れてゆく
五線譜を進む
お玉杓子のように
あちらこちらに
メロディは揺らいでも
目指すのはただひとつ
駅の屋根の下
....
大切な物を失った時
僕は失った物の価値
失った物の大きさを
切り刻まれた感情を
拾い上げながら心に
留め置くことになる
夕陽が沈んで消えた後
暗闇の蒼さを
恋人と別れた ....
森を乞う
雨というサークルがあるなら足を踏み入れてみたい
それは穴という穴から
窪みという窪みに媚びりついた悔恨の手垢が
思い出の活性剤となるようきれいさっぱりに落としてもくれる
....
だいどころで
ピアノをひいている
きょうはやけに
かなしいねいろで
しなずにすんだいのちを
しょくたくにならべていく
おもいだせない
メロディのように
肉体が ガラガラ とうねりはじめる
ガラスの破片が そらじゅうに ばら撒き始める
必死に、目を 足を 手を 口を 脳髄を かきもどそうと
倒れた体で かき集める
からだじゅうが ガラス ....
ふうがわりなふくをきて
ちちがははを
こんわくさせる
にあってると
おもってるみたい
ふきだしながら
ははがわたしにみみうちする
だからだまって
にあってるねと
....
違うというのなら誰かここで明確に説明してほしい
私は少し焦りすぎていたような気がする
今は みんなに悪いと思う
砂場が見えた 一人で 子供が遊んでいる
俺なのかもしれないと思った あれは ....
トイレットペーパーの
長く伸びて
浮いた道を
走る
角を曲がると公園
また曲がると公園
眼で水を飲む 名詞の噴水
その横で
マスクをした車と車が
お話していた
電柱 ....
うれひを小脇にかかへ
不眠の患者の眼のうへ ありく
うすひ壁なぞすすす あへなし
やる気もうせたこのカラだ
サイレントピアノを百年たたく 人真似よろしく
肺病む少女をゆうれひ ....
左官の息子は五歳の頃から友達だった
海へと続く一面の草むらを
真っ直ぐに突っ切って遊んだ
毎日あっという間に日が暮れた
左官の息子は都会から引っ越してきた奴が大嫌いだった
大雨の日幼稚園 ....
ひびわれて
よい暁の裂け目から
晩鐘の漏れ出ずる闇
雲
弱弱しい
足取り 振る舞い 声のピッチ
雪が降る頃には
もう 思い出さない
崇高の美は
....
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