ことと
置いた所から
緑の深い村の
ひび割れた
土瀝青が広がる
夏のまひるは
黒く歪んで
両の手におさめ
土の道を
寂しくあるく
芒の夕闇
底溜まりに見て
目を細くした ....
突如として現れては消えていく、
それぞれの視線の残光が、
1億年後の地球の夕闇に、微かな光となっているとしたなら、
全盛を迎えた恐竜の視線が
今、日没したばかりの、空の
際を、闇に混ざるよう ....
未来に羽ばたく自分は
人に必要とされ
愛され
大切にされる。
誉められ
役に立ち
喜ばれて
必要とされる。
幸せを噛み締めて
ランランランララ
辛い時もある。
でも未来を ....
幸せな毎日
食べ物があって
仕事があって
家族がいて
慕ってくれる人は
沢山います。
密かに思っているから
私にはわかりません。
風の便りで
色々聞きます。
住む家があって ....
バイオリンの音
夜の帳
杏の実をガリリ
海の音
心地よい着信音
許し
許され
振り振られ
愛の戦士
愛するもの為に
戦う。
守るべき者、貴方。。。
この街の駅前
待ちわび続けた冷たい犬
この街の雑踏
白い杖から遠ざかるハイヒール
この街の店頭
量産型の安い文句
この街の食事
薄い酒で流し込むレトルト
プレートが ....
西へ流れる大気にあわせて
わたしの心もどこかへふんわりと
消えてくれれば
この夕焼けも青くは見えないだろう
乾ききった洗濯物は
だまったまま
昨日があって明日もある
その間で ....
リズム感のない
遠慮がちな
小心者で
プライドだけは高い
私の分身
へんしんを待ちわびる親指
歯を磨いた
言い訳をした
良い年をして
どちらもまだ
苦手にしている
食事をすれば
あたりまえのように
食べ物をこぼす
それでも箸の持ち方は
三年前に直した
誰も傷つける ....
あの日 あの時まで 生きていた人がいる
朝は新聞を読んで
トーストを食べたのかもしれない
ランチは簡単にコンビニで
カロリーの少ない弁当を選んで買ったかもしれない
あの日 あの時 そ ....
世界があまりに苦すぎるので
曇り日の朝
空を飛んでいた
歌を
菜箸で奪った
噛みしめたそれは
{ルビ土塊=つちくれ}の味がした
人々が己を捨て去る夜に
僕は一人で酒を飲んでいる
誰もいない夜更けに
風が話しかけていった・・・
もう野良猫にも相手をされず
僕の孤独は極まってしまった
職場の皆からは嫌われて
....
差していたビニール傘には
雨が滴となって付いていて
細く包めるときに
水となって手に拡がり付いた。
とりあえずズボンの生地で拭ったら
沁み跡として残った。
湿気を帯びた空気の中
黒髪で太 ....
猫はまことに、遊び上手である。
部屋の隅に落ちていた、萎んだ風船さえも
小突いて、追って、じゃれている
僕も日常の些細なものを見つけて、遊びたい。
曜日を欠落させる夏のさなかで
缶ビールが俺たちのかわりに汗をかいている。
シャワーでも浴びてきたらどうだ
俺はバスタブに飛びこむように
川にダイブする
思ったよりも流れは急だが
手頃なテト ....
布団に入った妻が
すやすやと夢を見る頃
すでに世を去った
妻の母さんの面影は
安月給の{ルビ婿=むこ}を祝福しに
何処か遠い国からやって来る
机上の花瓶に咲く
あふ ....
ぬらぬらと吸う君の不定形に誅された
垂らして摂取するよく冷えた朱い食材
熱帯夜窓も開けず朝迄君を詠み尽くし
何故痛くするの?に精一杯応える暴力
快楽物質《Endorphin ....
どこにいても 何をしていても
ゆるがないものを持って
「根っこが生えるような家をつくりたいのです」
と、僕は大工さんにお願いするのです
いつでもどこへでも旅立てるようなものしか
置 ....
姪
七月まで腹の皮一枚隔てた彼岸におり
去年生まれた赤ん坊が
今年はそろそろ歩き始めて靴が要る
靴!
おお、八時間の惰眠と十六時間の覚醒とを
等価交換でちり紙交換に出してしまった
....
通勤
自転車こいでせかせかと
毎朝の四十分
先日
夏の風がロングヘアーをするりと撫でました
最近
どこかで草刈りしてるにおいがします
庭師さんが長い三脚を担いでいます
どうしても
ゴ ....
カーブミラーにうつる道が
ふと現実でない方向を示す
そんな気になる夜明け前
労働を始める人と
労働を終えた人がすれ違う
そしてこの道を
ただゆっくりと歩む老人は
人生の終着へと向かっ ....
深いため息のあと
胸のあたりが
ボコンッてへっこむ
もとには戻らない
踏み潰した空き缶みたいに
....
その右の掌 その左の掌 {ルビ杯=さかずき}に似せて
差し伸べてみれば
その酒 その味わい 幸せの恵み
汲めば 掌の溝 幸せが埋まる
あの幸せ{ルビ購=あがな}えば その努力と引換え
喜 ....
別の生き方があったと思う
キット
設計図に忠実に従って
組み立ていれば
はじめに
描いた
チェックしていたルートを
忠実に
道を挟んでいる
道の外にある世界を散策してみ ....
砂塵が舞う
....
人はなぜ生きるのだろう
私は 眠い 今日も
そして何もすることもなく
眠るだけ
囁くような
耳元で
部屋を抜けて行く、風の
足踏みの音
甲州街道を過ぎた頃だろうか
君の走る跡を
閉じた瞼の隅で追う
雨の匂いが止まない日にばかり
鈍い痛みを思 ....
思念が光子を遥かに超えるって
ずっと昔にわかったっていうのに
あえてこうやって手紙を書くなんて
なんだかちょっと照れますね
でもいつか会いたいね
なんて想いあったりして
会えなくたって ....
結わえる
眠り
と
花を待つ
夢
ふれているのが
すべるような
くろであって
電車がトンネルを抜けるスピードでかたちづくる息
すいこまれるひかり
に ....
いつも躓く丘の上の
崖の縁に私を積み上げていく
こんな季節でも不思議と崩れないもので
いつしか、
見上げるほどの、わたしになっている
いつからこんなことを、と
通りすがる誰かに聞い ....
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