在りし日のコルベ神父という人が
住んでいた、大浦天主堂坂下の
記念館に入り
賛美歌の聞こえてくる奥の部屋に
教え子達と共に日々を歩み
雑誌を印刷した思い出の日々の
モノクロ ....
在りし日の遠藤先生が好きだった
大浦天主堂の脇道を入り
祈念坂の石段をのぼっていたら
足元に、サンタマリアの姿のような
ましろい石が落ちていた
柔らかそうな石なので
頭と足 ....
おかみさんぇ、お富さんぇ、
いやさ、これ、お富、久しぶりだなぁ。
そういうお前は。
貧乏神だ。
えぇっ。
東日本の災難から早や四月
今でも体育館で寝起きしている人がいるっ ....
きらりと日差しが
部屋に溶け込んだ瞬間にあなたは溶けていきました
さらさらと崩れおちたあなたを
美しいと思うだけの私です
あれから月日は過ぎたけれども
今も日差しの中で彷 ....
戦場
君の髪の毛を揺らす風は 何処から吹いてきたのだろう
僕らの涙はきっと 誰かが堪えた成分で出来ている
君が今吸い込む空気は 誰かが吐き出したため息で
少しだけ咳き込んだ君は 今日も元気 ....
ちのながれの中の
つぶつぶをかんじると
球をおもいうかべて
みずのながれへと変わる
ちの管
と
かわの管
がにていて
ちきゅうのいちぶが
ひとなんだろう
それでも
ちのながれの中 ....
少しだけ長い旅に
あなたに声をつれていくことにしました
それはずっと思い続けていたことで
あの夜の端で聞いた音も
連れて行くことにしましょう
ここに旗を
....
川のように
網のように
体液が流れる
私はあなたという太陽の
光を浴びて
生きる力を得る
一枚の葉のようなもの
でも体液の流れは
あくまで内に秘めなければ
なりません
裸に ....
なまえをつけようね
あなたの
たましいに届くように
大声で伝えるね
きっと
忘れないでね
なまえをつけようね
しだいに
それは漢 ....
穏やかな夜
時間が砂時計
澄んだ心
無我の境地
欲を捨て
時の流れに
身をまかせて
目をつぶる
息の音
吐いて吸って
時間が止まる
万物の愛を感じる
急いでって君の手をとって
駅の階段を駆け上る
発車のベルは鳴り止まない
このままこの階段で
いつか波音を聴きながら二人で眺めた丸い月まで
登って行くことは出来ないだろうか
お別 ....
抱かれてみたい
坂の上で、月を眺めながら
貴方の腕は温かいのだろうか
想像だけで濡れる瞳は
貴方にどう映る
溢れる滴りは、貴方の指を濡らすだろうか
ああ、感 ....
しょうがをすりおろす
わざわざ金のものを用意して
細く飛び出た繊維に
寄り添いたくなりながら
ぴりっと辛いわけじゃない
ぼやけているわけでもない
ちゃんと無言の私の
代わりに橋になっ ....
公園のブランコ脇で
おさなごが泣いている
おとなとちがって
大声で泣いている
わがままだろうと けんかだろうと
そこに罪はない
公園は森影のベンチで
若者同志が ....
宇宙に開かれた水の滴の
泥の堆積
火の木っ端に
夢が沈む
雲の破片の沈殿物 また水の滴
屋敷の塀の高さに隠されていた
思い出のくす玉が
ロートルな部屋に輝く
ミラーボールの乱反射 ....
皿は 大理石
アスファルト色に咲いた
滑らかな アイスクリーム
とろり
掬い上げる 瞬間に
ぽたり
エキスが 流れ出して
勿体ない…
小さく 呟く
ソースは どうしよう ....
生温かいザリガニが
真夏の都会を歩く
いたるところから車や人や
ラッパの音が聞こえてくる
そんな暮れ方である
炭酸水を買ってくるように言われ
下働きが走る
近道のフェンスを越 ....
はたらく人の手
大きな手
油まみれの
重みのある手
その大きな
たなごころで
わたしは撫でられ
育まれ
はたらく人の手
素敵な手
物をうみだす
魔法の手
岩のよ ....
窓からの容赦ない日差しを受けて
何年か前を思い出したよ
あの頃はとにかく走っていた
長い廊下を全速力で
階段をひとつ飛ばしふたつ飛ばしで駆け上がって
いつも難しいことを考えて
....
最近、おなじ夢をよくみる。
岩場に立っている。そこからどこへも行けない。見下ろすと深い淵がある。とても飛び降りられる高さではない。踏みだせば死ぬ。死の淵だ。そのような岩の上に立っている。
以前にも ....
神の手が、空の光りをも覆い隠す神の手が、日本の空を隠した時には誰も気がつかず、あるいは日本人特有の気質のためか、誰も神の手を口にしないうちに、その手は日本を越え、ひとつの海に浸し、海面を撫でるよう ....
友達が風を捕まえた。
見せて貰うと
風は虫かごに入れられて
崩れないように
消えないように
中へ中へと
その身を渦巻いた。
見続けて感じた時間は
ほんの数十秒、
虫かごの隙間から
....
受精で
創造されたもの
壁のない部屋が荒れ狂う大宇宙のはるか彼方を漂っていた
巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨巨 巨巨 あ 巨巨巨
巨大なたたずまいが四億の夜を硬化 ....
貴方のいない右側に
少しは慣れたはずなのに
携帯を見るように
気になる。
僕の心は空白だ
これから絵を描くように
絵の具を出して
色を混ぜている。
手持ちの札はそろった
後は ....
大陸に境があるように
海に海域があるように
わたしにもわたしの
ボーダーがある
あなたというボーダー
超えてはならない
神の領域
超え ....
気付かないうちに朝になって
気付かないうちに夜が過ぎてた
昨日の貴方はもういなくて
今日の貴方が動き始める
貴方をもっと感じたくて
夜の境目を探しました
....
永遠の新兵の手話だけが
僕らの塹壕に響いていた。
時計以外はある世界で
タバコは内臓をさらけ出してる。
クスクスと笑いあって、弾を分けあった。
訓練でしか言えない言葉。
嘘つきだか ....
力を信じる人
仲間を信じる人
明日を信じる人
僕達は
大きな葉っぱの上に
偶然落ちてきた
震える水玉
金を信じる人
言葉を信じる人
目に見えないものを信じる人
風が ....
坂の上で微笑んでいる雲に
吸いこまれそうになる
たどりつくには早すぎる気もするが
そこが頂上だろうか
登りきると
目の前に下り坂
正面にさらに険しいのぼり坂
その上にある四国の形をし ....
起きると二時
ああ、夜中に目が覚めてしもうた
と、思いきや、昼の二時である
よく寝たな
と、テレビをつけるとサスペンスドラマの再放送
うむ。
面白いではないか
と、それから寝転がってテレ ....
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