鎖につながれたまま
ぼくは海へと落とされた
からだが腐敗していくよりも
錆びついてしまうような、
そんな気配が恐ろしくて
頑なに
ぼくは目を見開いて
泳ぎ去る魚のひれなんかを ....
みんな寝てしまった
ここは薄暗い
煙草の匂いが残っている
三つの茶碗が
シンクで黙っている
ここは薄暗い
ぼくは誰だろう
....
涙だって蒸発する
この暑さのせいで
だれかのせい
自分のせい
そんな繰り返し
夢をみてはいけないなんて
学習してしまう
それがイキルコト
自分がもってない
ものだけに
詳し ....
送り火を焚いて送り出し
お盆の月を越えると
残暑という夏の名残りだけが残った
ご先祖様の供養を
夏の真ん中に置いて兄弟達で
あの頃を懐かしんだ
残暑お見舞いが届い ....
叩きつけるような
全てを絞り出しているかの
言葉、
言葉、
言葉、
言葉に魅入られた者は
言葉で自身を
癒やすのか…
痛い
痛すぎるよ
名前も
顔も知 ....
轢いてしまった
かもしれない
と思って
何度も道を戻る
時間を永遠に
くり返している
女なんて嫌いだった。
ベッドの隅に横たわっていると、
それは、一体何故なんだろうと、
口元に、微笑みがこぼれるーー
野球少年だった頃は、
夢を見ていた、
緑の多い公園の中で、
....
わたしが
きらいなのは
むし
なつにたくさん
でてくるから
むしもわたしが
きらいなのかしら
なつにたくさん
でてくるから
だとしたら
すこしかなしくて ....
こんな自然に囲まれた
景色の良い養老院に
住めるようにしてくれたんだね
うねうねの小道を
両手一杯の手荷物で汗だくの父さんと
ボクの手を引き黙々と歩く母さんの後を
ばあちゃんは
....
わたしたちが
ねむっているうちに
またひとつ
よるがまちを
おとずれました
ねむらずにきょうもまた
よるがまちをおとずれました
わたしたちが
ねむっているうちに
....
ブランコにのろうとした
そのときだった
いちじんのかぜがふいて
ブランコをゆらした
たくさんのこどもたちが
ひとつのかぜになって
はしりぬけたかのように
わたしに ....
白い月を横切る飛行機雲
塩素の匂い
ブラウン管に映る
よく焼けた高校球児
汗をかいたペットボトルの
清涼飲料水
耳を澄ましながらただよい、沈んでいく
午前0時
整合性の海の中で
....
枕の下から ひらりひらり
貴方の写真がベッドの下へ落ちる
忘れなさい 貴女のため
諦めかけた天使の声がする
あの日 私たちは幼くて愛を知った
今日 私たちはその一文字も描けない
....
澄み渡る日、
やわらかい音
ひかり
いつも、いつも
待ってる
こいつの人生ぜんぶを
過去もいまも未来も
ぜんぶそばにいなければならないと思った
となりで女が泣いていた
手をあたためてやりたかった
肩をあたためてやりたかった
....
あなたを抱きたい
あなたの名を呼んで
せつなさを爆発させたい
きのうも
おとといも
精神が恐慌に陥ってゆく
肉が飢餓にひりついている
ぼくはまだ
この世 ....
買い物袋を下げて
君が坂道を登ってくるのが見えたら
僕は窓をあけて
そろそろ君のこころを狙撃する準備をはじめるのだ
値引のシールのついたおかずばっかりでごめんね
君はそういって笑 ....
東南アジアの音楽がこころの闇を奏でている
こころの闇なんか信じない
そううそぶいていたシンゴのこころにねっとりと熱い音楽が流れていた
こころの光を信じていたかった
鏡にうつった ....
{引用=スパゲティー讃仰フェスティバル参加謹呈}
1
長いスパゲティーを食べた
まっすぐ、まっつぐ、どこまでも
スパゲティーというより、
スパゲティ―――――――――――――――――― ....
見上げた曇天(そら)から
幾つもの雫が舞い落ちる
ぽつり ぽつり 雨音が地を黒く染めるように
僕もあなたを想う涙で濡れている
雨は汚れた町を洗い流し
明けた空は希望を運んでくるという
....
鯨は賢いから
殺してはいけないのだと
海の向こうでは騒ぎが続いている
賢くないわたしは
きっと殺されてしまうから
その前に沈んでしまおう
深く、深く
肺が潰れてしまうところまで
....
あなたは
決してわたしをゆるさなかった
はじまりの
隠しあう接触のぬくもり
黒くながれおちる髪を
手櫛でやさしく梳きながら
洩れる水を袖口に運ぶ
清潔な距離がくれた
まどろみの ....
いつの間にか
背中の子どもは静かな寝息をたてていた
スーパーのレジ袋を下におろし
あたしは 一体どのくらいそうしていただろう
電柱には 黒い紙に 金色のマジックで
『キリストは必ず来る』 ....
LUCi
cicada
なつのせみたち
なんでそんなないてんだ
おれはかなしくもなんともない
セミはさ、
あれ、
したくてないてんでしょ
でさ、
あいつの声さ、ちょっとイイよね
と ....
背中が痛いよ
見上げればお月様
おなかが重いよ
だから
筋肉を伸ばしたり縮めたりするよ
今夜も
夜を着て
招けば水が湧きいずる
鏡に立木や鷲をうつしながら
わず ....
中学二年生のころ、
友達が、
雑誌の広告に載っていた、
身長がぐんぐん伸びる秘宝を、
1万円で、買った。
ドキドキしながら、待っていた。
虎の巻には、
毎朝、ジャンプしよう。
と書いて ....
あの人から知らせが届いた。
何度か二人で逢った事もある人。
「入籍したの。名字、変わっちゃった。」
バカヤロウ、世の中のバカヤロウ。
世の中は悪くないんだけども、そうつぶやいた。
手元を離れた前葉体。
肩に乗せたハートの風船人形。
軽めの空気を含ませて
形いっぱいに想いを馳せてみる。
白ける一歩手前の緊迫が
青褪めてしまいそうになった。
平常に合わさるための ....
日が暮れて
大勢の人が家に帰った
私たちは研究棟を出て
砂浜に下りる
波ひとつ立たない
海を眺めながら
思い思いに飲んだ
ソルティ・ライチ
軽くステップをふみながら明日への渾身のほほえみを放ちながら
わらっているのか哭いているのかなどどうでもいいとなりふりかまわずにあっけらかんと夏の雨上がりの空にそらぞらしくかけっこ
コーラを飲み ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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