ビルが並ぶ世界に
酔ってしまった僕は
向日葵に魅せられ現実の世界に戻ってきた
首を垂れて
太陽を見ようとしない向日葵はどこか僕に似ていたんだ
そう
現実から逃げ続けている僕に
....
手に槌を
身に刃を
心に柱を抱え
空を仰ぐ
久しぶりだね、
昔好きだったひと
このひとの気をひこうとしてた
昔の私が見えたから
無視した
なんだか嫌だった
懐中時計の ねじを巻こう
私の人差し指と、親指にどれくらいの時間がつまっているの
....
陽が山の陰に入り
俺はいつものアニメを見る
心は既に荒んでおり
恋人はいつまでもやって来ない・・・
もう失われた物なのだ
河原の向こうに石を投げても届かない・・・
....
食べることは生きること
書くことも生きること
そりゃあ、
なんだってそうだけど。
語りあうことに望んだり
抱きあうことにも望んだり
どっか、 ....
水蓋が波打ったから覗きに行く。
搭乗回数をメモしておいた壁に手をあてて
今度は足元を、かすめ取られないよう慎重に。
浮き足立ってしまう中身は
ひもで括って下に降ろしてやる必要がある。
....
その橋の欄干から身を乗り出せば
清らかな流れの中ほどに石ころだらけの中洲
別段、川の流れに抗う姿勢をみせるでもなく
上流に夕立でもあればあっさりと荒くなった流れに呑まれ
ちょうど今ごろの季 ....
書かなければいけない、と決められたことには
ギリギリまで、おれは、手を着けることはしない
いよいよ時間がなくなって、おまけに
だらしないあくびが出る頃になって、ようやく、手 ....
日焼けした砂浜に
(いるはずもない恋石亀
)うぶ毛でも覗いてやろうか
(そんなことできはしない
わかっているだろう)
【秘密の基地を造る】
親亀がゆく 雌亀その「直感的交換」 ....
友よ
あれから何年の月日が流れたのだろう
砲弾のスコールが
いつ止むとも知れない
湿気のうねりにうんざりする
熱帯雨林の中で
笑顔交じりの涙をこぼしながら
手を取り合って硬く誓い ....
夏暑く
汗があふれて
パンツの中
黄金のタマも
ムレムレ
若人よ
いざ
股間に涼しげな風
当ててやろう
可能な限り
ああインキンが
君 ....
今日も
大地の上で生きているモノ
すべてを殺戮するために
にじりよる朝の光
表面を輝かせて
自らの酷薄な薄ら笑いを
その下にうまく隠したつもりで
偽りの微笑を地上に降り注ぐ太陽を
頭上 ....
石ばかりの街に
ひとしきりの、 雨
刈り上げた項を
さぁと風に撫でられて
今を知る
そんな雨のような
人と紡いだ記憶に
支えられながら
僕は在る
小さな苦し ....
残響だけがひびきわたる
詩人の内面で
何が起こっているか
誰か知らないのか
蒼き草原を
ただ疾駆する獣となって
君は走れるか
骨まで砕こうとする敵に
ただ反撃できるか
....
草木のゆれる
その方角に
わたしはときを聴いている
これまでを悔い
これからを問い
わたしは巧みに
たじろいでいる
雲のちぎれる
その方角に
わたしはことばを ....
もう一度飢狼のように血に飢えて
青春という広野を疾駆したい
しかし私は一匹の弱い羊
牙もなければ爪もない
泣きながら帰る夕焼け
一人ぼっちの夜
もう戻れないあの日
ジョルジョ・デ・キリコの静止画
大量に発汗する
焦るぜ
外気温 摂氏三六度三分
平熱だと医者は言う
医者の持つ寒暖計はデジタルだが、
モノクロのため眼がしょぼつく
熱 ....
カラのコップに残る
冷ました 後の氷
気体になって 闇になり
朝方から 光に変わっていく
眼から光は入り
指先から 出ては
小さな声で笑う
寝癖で まとまらない髪の中
....
寡黙なものは寡黙なままだ
高齢になってしまった
爺様と婆様
薪ストーブの時代を思い出している
かじかんだ思考が
チーズの溶ける仕草を真似ながら
五感の隅々へと広がっていく
懐かしい冬 ....
雨の一粒ひとつぶは
空気を孕んでいて
引力にひきよせられて落ちるときに
真ん中に窪みができる
屋根から
下がる糸の鏡に
することもない子どものものおもいが
写しとられる
傘から ....
それはなぜなのだろうと思う。誰にも見えない言葉を人に伝えようと思う。それは俺の言葉が悪いせいなのかと思った。だがなかなか伝わらなかった。風が吹いたけれどよくわからないし眠かった。家に帰りたいと思う ....
ブラックニッカに飽きてきて
ジャックダニエルに買い替えりゃ
詩の断片すらも浮かびやしない
おのれジャックダニエルめ
おのれ貧相な俺の味覚め
確かにブラックニッカは280円だが
ジャック ....
スーツに付いた君のファンデーション
ああ それは宇宙の彼方の星雲のようにきらめいて
この世界が美しいのはやはりあの{ルビ女=ひと}のためなのだ
などと考えながら
生地に残った彼女の温もりと匂い ....
五つとひとつの指で実をささえ
右は左の午後を見わたした
こぼれゆくものを
見わたした
鉄とガラスのはざまの蜘蛛
ずっと光を投げつづけている
陽でも灯でもない
雨の ....
抱いて
あなたが
海を渡ってしまう前に
強く
優しく
あなたの印を
いっぱいつけて
あたしを
ふるわせて
ねぇ
抱いて
身支度をする前に
とろける ....
肌に吐息を
響かせる
指に匂いを
響かせる
声に憂いを
響かせる
そのようにして
生に命を
響かせる
メトロ降りてガードくぐり歩道橋を渡り
平らな道は地図にしかないと語り
それでも景色を破る血気なんてなかったろ
上滑りする言葉がいちばん大嫌いだからさ
水たまりにかすれてしまった声で ....
目の前の何でもない風景は
独りの画家が絵筆を手に取れば
真っ白なキャンバスにあらわれる
一枚の美しい夢になる
たとえばそれは
{ルビ陽炎=かげろう}揺らめく夏の坂道を
杖を ....
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