蛍・樽・足る
君の瞳は 眠ってる
翡翠色の 淡い光を
胸に 宿したまま
何となく 美しい
ぼんやりと 夢・現に
想ったこと
どうしても 一度
感じてみたくて
君と 蛍の地 ....
朝ひとつ
文鳥を買う
老朽の小鳥店で囀るけたたましさに呆然として
毱のような歪んだ標(まと)を見上げた
アクリルを
内側を
痛めつけながら悲鳴(いのち)は
雛たちから剥 ....
目前に開ける現在を見据えながら
ぼくは常に
過去と共に歩み続ける
手を痛いほど伸ばしてみても
握り締めたら弾けて消えた
歌の中で揺らめくシャボン玉みたく
刹那の現在は遠く遥かで
....
ありがとう。
今日一日もありがとう。
私の命ありがとう。
素晴らしき日々ばかりではない。
むしろ辛いばかりの日々である。
けれども、
私はここに在ってとても嬉しい。 ....
とても静かな川に
三羽の白鳥がおりてくるのを
土手に座って眺めていた
冬は
遠くまで澄んでいて
羽ばたきの音も
波紋の微かなひろがりも
すぐ傍らに ....
あたし
ここにいたら
たぶん
だめになる
な ぜ
風 ふってくるんだ
いちどに
ちぎれて
さ
みんな
ここ に いては
だめ ?
だめなんだ
....
なだらかなおかがつづいているこの辺りは
雲雀のさえずりが静かに雲にとどいている
きのう釣ったさかなをみずに帰してやるといっしゅんキラリとひかりを含んで消えた
春になるとれんげ ....
扉をたたいて
問いつづけよう
自己意識が
身体を所有するのか
身体によって
脳の働きが派生するのか
魂の世界が
形而上の何かが
あるのか
物は物たりて
物質世界がすべて ....
おっぱい
おっぱいがすきだ
まえかがみになったとき
えりもとからのぞく
おっぱいのあたまがすきだ
ぶらじゃーがかぱかぱして
ちくびまでみえたららっきーだ
おっぱいがすきだ ....
たわわに実る桃の実から
地平線へと流れる川まで
何もかもが瑠璃色の世界から
私たちはやってきて
何もかもを
忘れているだけ
おろかだね、と笑う
おろかだね、と泣く
スーパーで
酒と肴をひとつずつ持ち
買い物カゴの最後尾に
並ぶ小さな老人
ぼんやりと薄明るい部屋
冷たい空気にさらされ
体はだんだん灰色になっていく
コンクリートあぁコンクリート
スコップでよくかきまぜられた
生コンが口の中へ少しずつ流し込まれ ....
君の
長い
黒髪
櫛で
すき
風に
靡く
黒髪
影を
生み
肌に
つく
黒髪
指で
触れ
床に
散る
黒髪
汗に
湿り
椿が
....
編みきれない編み物の原因なんて
きっと何かの理由があってのことで
理由は充分満タン
足りているはずなのに
それでもズバリ
足りていないと思うのは果たして・・・
ちょっと前まで
11の ....
冬の気配を感じる日
信号待ちの足元に
からから枯れ葉が舞っている
まるで君の言葉のよう
冷たい風に吹き負けて
枯れてしまった君の言の葉
....
俺は間違っている
ちょっと外へ出れば
無名の住人
犯罪者ではないが
はたから見れば
不具者
誰とも話したくない
いや 相手にしてくれない
幸せな人や
幸せそうな人
不幸せそうな ....
悲しみは空っぽな鳥かごの中
小鳥は遠く離れて野原の地面の下
ひとりぼっちで目を閉じ埋まっている
柔らかな羽毛に包まれた小さな体は
土が含んだ夜露に濡れて
悲しみは流れ星の掠めた夜空にいつ ....
心なんて
みえないものに苦しんで
穴あいたりふくらんだり
ほんとにしてるの?
心なんて
みえないものに期待して
傷ついたり癒されたり
いそがしいんだね
だれにもみえなくて
だ ....
吉野川から 鳴門海峡も側溝のように横たわり
淡路島で途切れる
地平線は揺れない
地平線をさがす
わたしを切り離しているのはどの海峡か
どの法則か
(浮いているという錯覚)
(あるがま ....
ぽ
と花が咲く
しゅん
と萎れる
そんなこと目をくれることを
忘れてしまっている
今日もゴミを出して
顔を洗い 身なりを整える
そして朝ごはん
循環する朝が
おか ....
朝からの冷たい雨がやんでいた
野戦病院が濡れていた
夜気が目鼻を洗っていた
美しい白をぼくらは調べていたのだ
怪我ぐらい
当たりまえの話じゃないか
生きて愛して ....
お空にうかぶお月様
まあるい大きな傘さして
明日はすねて出てこない
足元で咲く小さな花は
精いっぱいに背伸びして
きれいでしょ?と自慢顔
隣のあの子は憂鬱そうに
あくびと一緒に涙 ....
呼吸のように
代謝のように
君と僕を
当り前につなぐもの
歯磨きのように
晩御飯のように
君と僕を
さりげなくつなぐもの
無理矢理つなごうとしても
呆気なく解けてしまうも ....
あの人の真似をして、煙草に火をつける。
ただ、
私とあの人の関係と、
あの人と煙草の関係とは、
とてもよく似ていたので。
私はあの人のように
火をつけることができない
む ....
ことばは
言の葉で良かったなぁと思っている
言の歯だったりしたら
虫歯になったり
何かに齧りついてしまったり
いろいろと痛そうだ
は
という文字は
漢字は
他にも沢山あるけれ ....
今日は月が一番
綺麗にみえるんだってと
君がそう言う口元を
不思議な気持でみていた
月は月だよって
とても言いたかったけど
君の瞳がやけに
光ってたから飲み込んだ
秋の夜の
....
アルミニウムの陰で
子守歌を歌う
眠っている人は
おしゃべりだから
わたしも話せることは
すべて話したくなる
秋雨前線が北上して
他に何もないこの辺りにも
やがて雨が降る ....
インフルエンザワクチンを受けに町の医院にゆく
一年にいちどここに来る
蛍光灯の白いひかりが湿っぽい
なんだか懐かしいような気がしてくる
そとは濃い青灰いろの雨上がり
血圧 ....
娘のように
夫が背を丸める
冷蔵庫は
水を集めて
静かにしている
床の上で
私の娘が
寝ている
のが怖い
横顔が淫らに濡れている
側を通り過ぎる足
に絡まる夫の口
が甘 ....
2794 2795 2796 2797 2798 2799 2800 2801 2802 2803 2804 2805 2806 2807 2808 2809 2810 2811 2812 2813 2814 2815 2816 2817 2818 2819 2820 2821 2822 2823 2824 2825 2826 2827 2828 2829 2830 2831 2832 2833 2834
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.39sec.