日常のいろんな事柄について
誰もわたしを見ていない
わたしだって誰も見ていない
―― 決して 心まで見ようとはしない
人は時々 したり顔で頷くけど
どれだけのことを分かっているの? ....
まず人間であって微笑んで
はたけを耕している
最後までたがやしている無心に
野良ぎがやぶれていたってかまわない
無心はかたちや定義をこえているから
そしてひとのは ....
仏教 神道に於いて
おんなは不浄だと
言われるが
それはおとこが不浄の眼で
おんなをそう見ている為であり
おんなそのものが
不浄ではない
故に不浄であるのは
....
健康的な朝を
求めてある
夜ではない
闇を味方にして
明けない夜のあげる
かちどき
夜風が吹いて
飛び散る星の
窓の外
日の出る朝を
待ち望んである
夜ではな ....
帰り道を覚えることが
いつも 正確だったら 僕はうれしいと思えるけれど
正解はでない 暗がりの中で
しあわせにしますと 言ったけれど
なかなか きみをえがおに できない
お味噌汁を飲み干して
おかずに手を伸ばして
やめて
ときどき きみを 見る
むずか ....
天上の調べに狐と踊れ
路銀の足りぬ旅人よ
目を開き見よ、めくらの花を!
ああ、紅の陽は燦燦と燃えて……
香辛料たる言語のソースは堪え難き薫り高さで
ロゴスとパトスの投手戦!
九回裏はま ....
大学生ぐらいの小さな女の子が
自分と同じぐらいの大きさの
真っ赤なケースで
たぶん中身はそうであろう
金管楽器を背負って
のしのしと前から歩いてくる
普段は金ぴかの ....
耳の穴に{ルビ鍍金=メッキ}をしたら
面白い音響効果が得られそうだ
例えば割礼ようの通過儀礼として
ある宇宙人には耳孔加工の文化がある
嗅覚細胞も、必ずしも鼻腔になくてよい筈だ
耳殻同様 ....
夢ではない
予兆であったと
ある日少年は気づくだろう
あの列車に乗るべきは
自分であったのだと
枕の下に聞いた
遠い汽笛
その遠さは
距離ではなく
時間であった
未 ....
さっきまでの雨が上がったようだ
雨の上がるように
ぼくも静かに死んでゆこうと思った
いまはなき
指揮者の合唱指導のエピソードを思い出していた
雨の上がるように静かに死 ....
君が遠ざかって
泣いて
泣いて
泣き濡れて
ひとばん泣いても
僕の涙の雨は止まなかった
光が見えなかった
このまま
ずっと
泣いたまま
君を想っていられるな ....
わたしのなかで
剥がれおちたなにか
そのなかにある
あかいかたまりのなかの
あかいわたし
剥がれ落ちたわた ....
学園都市線の高架下
灰色の橋脚に二羽の鳩が仲睦まじく
寄り添ってはキスをして
激しく身をよじってはまたキスをして
やがては重なり 羽ばたきながら
気の早い春が固い雪を緩め
茶色く水っぽ ....
嘘だよって
君がいう前の言葉は
心のかたちをしているね
私の想いを届けます
なんて
それも嘘
今日は少しあたたかい
有馬侯爵
有馬温泉が
領地で
侯爵
有馬侯爵
からおけに
さそわれなかった
どうして
のけものだから
かろんじられているから
ばかにされているから
ころされるから
こるろー ....
右手にはめた黒い指輪
私の首を締めて
離してはくれないのでした。
時間をください。
あなたの時間を喰らい尽くす前に。
....
朝になっても 降りつづいて
白を重ねる 都市の眠り
音を埋められた通勤電車は カーブを滑る
列車の窓は 薄明るく曇って
吹雪に閉じ込められた ....
父が潜水艦を買ってきた
またこんな大きなもの買って
と母が愚痴をこぼす
兄は鴨居の下で自分の腕を触っている
犬は昨日、何も食べなかった
ひとのいのちは不思議だ。
妊娠したからと彼女に、
突然言われても、
すぐ次の日に、ボコンと赤ちゃんが出来上がるわけではない。
ちゃんと、
10ヶ月のあいだ、
彼女のお腹の中にいてくれて ....
わたしはもう本当に眠りたいんです。お母さん、あなたはまだ湿った布団で眠っていますか。えいえんを手放してしまいました。えいえんが狭すぎるから。血を流さなくても痛いのに血の流れる描写だけが流れていきます。 ....
人間である事を止めたら
生きる事は随分と楽になった
人間でないから
失敗もあるし幸福になる必要もない
彼女も作らなくていいし収入が無くてもよい
人間である事を止めたら
....
死人達が世界に溢れ返って
世界は窒息しかかっていた
一つの花を踏み、虐げる事を
「人権」と心得た奴ばかり
俺の魂もやがては科学に解明され
自動記述の機械になるという有り様 ....
歩くのはいつも なまの義足
寄木細工のじん帯をか細い骨で震わせながら
足裏に
肌合いのわるい
なじめなさを押しつけても
二つのものが 交互に役割を担うから
どこか
と呼ばれるcell(セ ....
十二月の夕暮れは突然やってきて
時間の無い坂道を上って行く
左手に灰色のニコライ堂が聳え
覆い被さりながら
聖橋の先には聖堂の黒い森
神田川もJRも跨ぐ聖橋
暗いトーンの夕暮れから
....
笑う女がおりました
女はぼろ布をまとっており
知識もあまりなかったもので
町のものからさけずまれておりました
女は林檎の木の下でくらしておりました
赤い実のなる小ぶりの木です
女は雨 ....
春はいつやってくるんだろうね
もう寒いのはうんざりだ
君がつぶやいた
そうだね と
返事をしてみたけど
私はね
寒くても
君がいたから
心があったかくいられたんだ
な ....
短い詩をうたったのに満たされないのは
私の謎のせい
その謎は確かに
暮らしにまみれた泥の底で
息切れしそうに脈打ってあるのだけれど
同時に広がる外の世界にも
存在として在る気がするのです
....
エンゼルフィッシュの思い出が
一つだけ 有る
アレは 人生に たった一度の
(…と、言い切れる程
次回の パスポート 作成予定は
なかったりも する)
ハワイ 旅行
だなんて ....
きみを
たいせつにされていない時間をくべて
かなしい町にしよう
はじまりしかない町
わたしが保証されるほど
糸が切れていくようなので
まちがったままでいいのです、
す ....
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