ましろい錠剤を口に含み
ほろ苦い赤わゐんで 胃へ突き落す。
その重みではねあがつてくる悲しみが
わたしをどおしようもなく 涙させるのです。
1
しかし人生はあまりに冗長で
ただ生きているというだけのことすら
難儀に感じられるというのに、
人を愛している余力も余裕も
無い。
それでもなお、
愛せずにおれぬと叫ぶなら ....
一匹のからすが
あおあお鳴いている
小さな子供が歩きながら
あおあお
あおあお
声に出して真似している
雑木林の中から
鈍く光った黒いマントが見え隠れする
前を ....
日本人が震災の瓦礫を受け入れようとしないのは何故だろう。中国人をののしるには、あまりにも下等な民族にも思える話しである。これは、あまりにも明快な現象としての国民性の現れである。分断化された県と県とが、 ....
あの日からちょうど1年
メディアではあの日の映像ばかりが流されている
あの日はたった震度4であったが
最中はもう死ぬかもしれないと感じ
本当に怖くて漫画のように体が震え ....
鮭は生まれてから
海を目指して何万kmにも及ぶ
果てしない距離を旅する
その海で4年暮らしたら
産卵期が近づくために
過つことなく自分が生まれた川を
目指して過たず
流れに抗いながら ....
地面におちてはじけて消える雨粒は幸せである
夜が明ければ溶けて消える雪だるまは幸せである
では、溶けて消えることができない、このわたしは……?
ああ、はじけて消えることもできない ....
きみはいつも言葉をえんげきのようにつかうね、という言葉がとてもえんげきで、
わたしはそういう風に話すあなたのことばにこたえていたからそうなったんじゃないですかあと、い
言えなかったのたけれども、そ ....
昼には新幹線のなかにいた
各駅停車の新幹線だった
固くて煙草くさい客室だった
掲示板に流れるニュースを見つめていた
一夜明けても
首相から被災地へのメッセージはなかった
....
とぼとぼ歩く人間の足もとに
耳をつける
理不尽なほど大きな音がする
暗い
地上
力の
行進
高い
運命
とぼとぼ歩く人間の足もとに
耳をつける
....
この日は特別なのだ
人々は痛みと悲しみを共有し
信じる神を持たない人々も
祈りを捧げずにはいられなかった
この一年
多くのボランティアが汗を流し
沢山の これから が話し合われ
かつ ....
【3.11】
海は静かに波を揺蕩えている。
あの日、多くの大切なものを飲み込んだことさえ
まるで嘘だったかの様に穏やかに、そして優しく。
笑顔も
....
庭にも
屋根にも
雪が残っていて
まだ寒いね
こんな日は
ストーブを点けて
こたつにもぐって
寝転ぶ
平和な日曜にすべきで
テレヴィジョンは
がれきしか映さないので
....
ちくしょう…
と 呟いて
見上げた 闇は
紅く染まって
でも
星は綺麗で
ちくしょう……
呟いた
その言葉さえ飲み込まれて
さようならが
一斉に羽ばたく音がする
また会おうね
また連絡するね
笑顔で手を振るけれど
きっと果たされないことを
本当は
知ってる
さようならが
一斉に羽ばたく音がする ....
きっさてんに
いこうと
いう
めーるを
うって
きょひされた
よくじつに
カフェなうと
かいていて
これは
きっと
Rさんが
みすてたと
みすてられた
ひととして
で ....
冬の終わりです
雪です
女を埋もらせています
深さ九十センチ
春ともなると
シャベルがやってきて
雪を掻いたり
女を掻いたり
シャベルも
女も
シャベルも
女も
みんな ....
月のような陽が
雨の奥から見つめ返す
白へ白へ
流れ込む青
冬は冬を巻き
隙間はまたたき
足首の渦 山への径
白く踊る日々
悲しい嘘が
空に咲いて ....
a book
僕は古書店の隅 いつまでも売れ残っている一冊の本
誰かに買われるのを いつまでも待ち続けている
声には出さずとも 喋りつづけているのだ
時には歌うように そして時には叫ぶよう ....
なにごともなく
あさがくる
なにごともなく
ひるがきて
なにごともなく
サイレンがなる
またおなじあさが
やってくる
おなじひが
どこまでもつづく
....
この秋のあまりの美しさに 歩みを止めてしまった友よ
色づいたけやきの葉を透かして やさしい光が
おまえの大きなからだをつつみ
少し眉を寄せて 落ち葉に埋まった足先を見つめながら
一人思いを ....
兄さんが虹を見ている
祈るべき神を持たない僕らの祈りは
それでも決して無力ではないはずだ
兄さんの肩にオウムが止まる
救急車が静かに横切って行く
俺は言葉の中に一つの使命を
一つの運命を見つけた
この世は見放された過去だ
火星からも随分遠く離れている
俺の運命は
この一本のペンに培われている
君の行手を遮るも ....
私は夢の裏側にいる
私には夢が見えない
夢も私が見えない
いま
夢はあなたを見ている
夢が見ているのはあなただけ
夢は朽ちて落ちるひとひらの葉を拾う
夢がなければ、朽ちて、落ちて ....
舞台
晴れやか
うなぎ晴れやか
はがねもうららか
研いだしせんに
切断されずに
ひらひら、ひらひら、
だぶるおだやか
みゃーはなごやか
からりとこけるこうせんは
宇宙からも知覚から ....
手を合わせて
想う気持ちは皆同じ
それは神だとか仏だとかではなく
旅立っていった
愛する人への祈り
今日もありがとうとか
頑張れますようにとか
差し伸ばした手を
握ってほしいだけ
物 ....
2011年3月11日
16年間生きてきた中で
いちばん
自分の無力さと自然の恐ろしさを感じた1日でした
大きな揺れに
悲鳴をあげることしかできず
広い街が
建物が
....
耳をすますときは
手と足が
とまる
だれにしたって表情が凝固して
仮面になる
手配写真のようにだ
音がするほうに
むける
....
この眩しい青空と比較してみる
かもめを探す
敢えて口にしない哀しみ
沖に流されては潮/騒
に引き戻され
わたしには縺れあう術がない
風またつよく、 荒い波
そして、
一 ....
{引用=
その珈琲豆は挽かないほうがいいです その鉄のにおい
そのままでいてとてもわるい
この身には
どろみず色の牛乳紅茶が
湧きつづけていてとてもわるい
ひしめく指と指の間から
....
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