自転車で風を突き抜けていく。
何時も変わらないあの道は、
今日も忙しそうに回っていた。
春の風が吹いて、
土の香りがする道。
この道を通る度、
下らない話に笑ったり、
耐えきれない何か背 ....
ひとが声を出さずに
絶叫するときは
そのまま連れ去られるか
逃れられるか分からなくとも
死神にやさしく抱擁されたときだ
やさしく抱擁する死神ほど
凄惨なこの世の別れ ....
君が分からないならそれでいい
群青
羽ばたく音がうるさいが
一匙の化学式も分からない
君では
不揃いの訳も分からぬ
それでは
美しく整えてくれ
式よ
混ざり合って
無かったことにし ....
友達と二人で歩いていた
僕らは 二人で どこに行くのだろう
人と会うのは とても疲れる だけど
恋人といたいと思ったことはない
僕に 夢は無かった
あるのは ただ 疲れだけ
た ....
今日という日ほど
あなたのいのちを
祈ったことはない
いままでの気持ち
浅くて浮かれてた
今日なんど泣いた
今日なんど祈った
今日なんど愛した
....
{引用=Tanning red}
雲ひと筋ない昼下がり
日差しがもう頬を刺す
樹々は一段と深くなり
更地の砂埃の向こう
間延びたロングショットを打ち合う
2面だけのクレイコートの4人は肌が ....
陽の当らない路地裏の側溝を流れるよどんだ水が、区域の変るところの段差で病人のように流れてゆくのを見ていたのは夕方、肉体と精神が遮断されて、明るくなる朝と暗くなるだけの夜を見つめているだけの ....
真夜中
犬が鳴く
私も鳴く
犬ではないものも
私ではないものも
裏木戸が
閉じたり開いたりする
風が行ったり来たりする
風ではないものも
老婆は
うるさくて眠れ ....
楽園の解体工事が
とり行われようとしている
汚染された水を タイホする警官たち
風たちは 殺し合い
泥んこが 泥んこに 罪をなすりつけている
天がくれた 雨
天がくれた やさし ....
生きなければなんて
誰が決めたの
決定事項
決定事故
きっと私は事故ったんです
人生の岐路を間違えました
なんて
もう一方通行
後戻りなんて出来やしないのに
後悔だけは人並み以上 ....
賄賂に有らず では 有りません
秘話の色でも 有りません
鶸と書く色は 銀杏チックだと
今日 初めて 知りました
知らないことが 多すぎて
知りませんとも 言えなくて
....
水みたいな汗とまらない
ひじから指先ふるえてる
わきにつめたい風ふいて
胸のどきどきとまらない
不安いがいの気持ちがなくなっていた
気持ちが不安だけになっているようだ ....
私は
白檀であり
伽羅であり
石榴姫であり
デザードローズであり
富倉 咲夜であり
無花果のジャムであり
無限上昇のカノンでもある
真実の私はここにはいないし
そもそも 私に ....
生温いラブソング
みたいな雨が
無骨な傘を叩く
手頃なセンチメンタル
みたいな歌が
鳥肌にまといつく
南風に押されるままに
よろよろ歩き出す
曖昧な記憶
傷つけたこと ....
君は踊る
薔薇を 菫を 雛菊を踊る
揚羽蝶を踊る
木洩れ日を 気ままな風を踊る
君は踊る
虹を 青ざめた夜明けを 葡萄色の黄昏を踊る
波を 湧きあがる雲を 嵐を踊る
君は踊る
....
チャイムが風みたいだから
白いチョークに掴まっていた
答えなさい
黒板を差して
先生が
おっしゃるので
包帯のようです
そう、言ったら
みんな笑っていた ....
愛してるよ
愛してるよ
愛してるよ
愛してるよ
愛してるよ
愛してるよ
....
在りし日の婆ちゃんが
出来たての熱いスープを出した後
つぶやいた、あの日の一言。
「ちょっとしたことで料理は、変わる」
さて、あの頃よりも
少々大人になった僕は
今日の場面 ....
机上の聖書の上に置かれた
ひとりの骸骨が
遥かな明日の空を視て、笑ってる。
骸骨は、恐いものと思っていたが
全てがそうではないらしい
どんな人もいつかきっと骨になり
顔 ....
夜、ベッドの中で
妻はいつもより濡れている
ぎゅっと抱きしめると
ぼくの腕の中で
あっけなく崩れていった
豆腐だった
水切りが足りないことに
どうして今まで
気づいて ....
六角形の星ラメと擦って皮膚に散りばめる
滑らかすぎる肌触り
うぶげ混じりの鳥肌
見て楽しむ
へそまでの夜に激流するブロンドヘアー
人工で煽られた風のリモコン持ちながら
身につけ ....
逃げ切った
小さく叫んで石壁に
身を潜める
取り出そうとした煙草が
地面に落ちる
うまく拾えない
背後を見る
奴の姿はない
なにが「次はお前の番」だ?
俺は逃げ切った
大金持ち ....
ある程度
ルールがあるって素敵じゃない
赤信号
渡っちゃいけない死ぬ気なの
自転公転 月に潮
無秩序と
がんじがらめは勘弁で
笑いが起こる中身には
笑う同士に共通認識あ ....
使い古された財布が
波打ちに漂っていた
誰かの落とし物だろうか
それとも海に帰したのか
迷いながら通りすぎた
次の晩
そこを通ったとき
もう財布はなかった
満ち干にひきとられたのか ....
沈黙の海へ
ダイブ
言葉の氾濫に
へきえきして
漆黒の空へ
ジャンプ
人工の極彩色が
毒々しくて
時を告げる
チャイム
耳を澄ませて
身を立ち上げる
最後の ....
学生服で横浜野音のロックフェスティバルにはじめて友達と行ったのは
田舎からでてきたばかりの冴えない俺
両想いだったかもしれない恋も風に紛れてどこへやら
彼女は僕とは別のさわやかな青春のむれの ....
ねぇねぇ ちょっと どこ見てるのよ
ねぇねぇ ほら わかっているのよ
世の中で一番だなんて 思っている訳じゃないけど
あなたがいったんじゃない 信じさせてよ
愛してると言われただけじ ....
曇り空に 晴れろとも言わず されど
曇り空に 気分連れて行かれそう だなんて
よかよか 曇り空でよかよか よかばってん
受話器がはずれた ズーズー音
もう掃除も洗濯も終えたんですー
....
絶望のない
暗い 暗い 海を泳いでいる
起きたときには
そうなっていた そう鳴っていた
フライドポテトを食べた直後の
人差し指と親指にまとわりついた
まどろんだ違和感のようなものが
....
ひとは別にペンを持たなくても
そのひとだけの生は小説である
ひとは別に筆を持たなくても
そのひとだけの生は絵画である
それは確かに歳月の流れのなかで
忘れられてゆくものかも知れないけ ....
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