愛してると伝えるにはあまりに近すぎる距離
袖を掴んだら驚いた顔をした
『兄妹のように仲が良い』とは私にとって賛辞ではなく
ずっと{ルビカツ兄=かつにい}の隣にいる ....
この愛を何処に着地させようか
北の空星の朝静かな夕凪
砂浜に残る花火の跡など
私答えのないまま流れてゆくの
あの人の心ひとつ ....
ぼくはわらう
きみもわらう
ふたつのわらいは似ていない
けれどもきみとぼくはいま仲間だ
きみとぼくの痕跡はまったく違うが
たまにおなじ涙をながす
ふたりとも最近猿よりもいささか利口 ....
もう
お別れの時なのですか
君と初めて会った日のこと
君と笑い合った幸せな日々
涙の後の仲直りの記憶
思い出しては
涙を流し
すべては傷となってしまう ....
港で生きてると
いろんなことがあるよ
と、港の猫は言った
港で生きてないと
いろんなことはないの?
と、僕は聞いた
港以外のところで生きてないから
よくわからない
と、猫 ....
ベクトル、それは常に上昇志向
謂れもない理想像
彼らは僕の嫌悪を気付くはずもない
何故なら僕はこれほどまでに微笑んでいるのだ
この世の不条理ってものは
綺麗な心であればあるほど
....
くもりの日
あたらしい音楽を聴いて
約束だってやぶれそうだ
だれかのためにつくられた
あたらしい意味や理由が
不自然に黄色いかげをつくる
そうしよう
捨ててしまおう
君のこと愛して ....
あなたに
とても会いたい
せめて声だけでも
だけど
時計が許さなかった
諦めて
灯りを
消して
ジャンを抱きしめた
テディのジャン
ことばを持たない
ジャン
いつで ....
最初の理由は違っていた
けど、
君に会いたかったから
と、偽りして
夜風に会いに行った
まだ湿りすぎる前の
さやかな君は
わたしを
ほどよい
心地にしてくれた
いま ....
生まれ変わったらもう一度
君に会いに行くと決めていた
だから 男と女でいるよりも
この姿を選んだ
君さえ見つけられれば あとは
その腕に飛び込んで行くだけ
過去の痛みを少しだけ 分 ....
仮面を外すと 崩れ落ちそうな私がいた
いっそ 先に堕ちてしまえば 楽になれる
だけどもっとその先の苦痛へと 私は
容赦なく踏み込んで行く
快楽と解放の匂いが立ち込める
かすかに射し込む光 ....
関係について
一、自分について
自分が生まれるずっと前から
「自分を間接取り巻く関係」は生まれている
あらゆる可能性を秘めたこの身体も
この関係が、とある行動を禁じていく
....
想像以上の心地よさ
抜け切ることも逃げ出すことも
叶わぬまま綴っています
そんな風にいつまでも
いられると思ってはいないけど
どこかで願ってしまっている
自分がいるのも事実
....
それは じき春という
ある季節の架橋
冬籠もりしていた娘が
不憫で
散歩に連れ出したときの
出来事
よちよち歩きの赤い半纏
が ふらふらふらふら
....
黒い卵を俺にくれ
できれば真っ黒な奴がいい
昔、ローリングストーンズというバンドに
「黒く塗れ!」という曲があったな
そう、そんな具合に
俺の手にも真っ黒な卵をくれ
俺はそいつをこの聴衆の ....
きみの
美しく長い舌の上
一面に広がるれんげ畑
雪どけの淡い水が
陽を吸ってさざめいている
僕は、そこで
幾つかのたいせつな思い ....
君に言うべきさよならはまだ
とても遠くにある
たとえば隣にいたとして
蹴っ飛ばしてしまおう
決意っていうのは
別れに使う労力じゃない
きょうのこの日の朝に悟る
おはようを視つめるため ....
母がいる時
我侭で
祖母がいる時
譲らない台所
誰が最初に教えたの
料理がうまくなるには
見よう見まねが一番で
サトウ、シオ
スッパイ過去の
....
一枚一枚
葉っぱをむしりとるように
ひとつひとつ
約束を破った
一本一本
虫の肢を引っこ抜くように
ひとつひとつ
約束を破っていった
それは自らも止めようのない
虐殺であ ....
雷や台風は
学校を休ませてくれる
ありがたみすら感じる存在だった
初めて話す人には
ためらいなく心を開き
すぐに打ち解けられた
虫やカエルなんて
面白がってべたべた
....
鮭缶が
海を泳いでいる
よく見ると
泣いている
帰りたいのだ
ラベルを見ると
知らない国
川を遡上するといい
と教えても
遡上の意味さえ
鮭缶は忘れていた
身振り手振 ....
さわられると
そこからかたちになってゆくような心持ちがしました
口をつけられると
そこから血がめぐるような
はげしさは
はるか向こうでゆれる波でした
ことばは
ばらばらに砕ける音 ....
はねが抜けたので
もうとべない
と
おもったけど
とんだことはなく
おちたこともない
なんとなく
みみずを
愛しいとおもって
飼いはじめた
子供の頃
凍てつく夜に
寒さに震えて
迷子の子羊たちよ
怖がることはない!
例え優しい母の手を離れ
見知らぬ街の中で
孤独に包まれても
温かな愛の記憶を辿り
故郷の空を思い出すんだ! ....
協議離婚し幼い娘を引き取った母は
幸福追求やまない女であって或る日
男と出会い同居を始める
こうして連れ子という不利は
夜な夜なまぐわう男女の力関係で決まる
小突き回され足蹴にされ
飯 ....
仕事が終わり
家に帰り
靴下を脱いで
床にほっぽらかし
気持ちよい素足でスタスタ歩いていくと
うしろで靴下タチむくっと起きあがり
ひょいひょいついてきて
プロ ....
震えるほど
嬉しいのです
あなたと出会って
こうして一緒に生きている事
震えるほど
嬉しいのです
優しい母が見守っていてくれる事
震えるほど
嬉しいので ....
潔癖性、禁じられた遊び、肉体と精神の同化、中性的な性愛者、同化する君と僕、一つに溶け合う。
千切れた吐息、君が恋しい。
君は背徳の罪を背負い、僕の唇をピンク色に染める。
鮮やかに彩られた僕は君の ....
染みったれた 思い出に
縛られるのは 嫌で
今さっき 着いた
染みの付いたシャツを
思い切り 脱ぎ捨てて
冷水で 洗った
さっき 大根の代わりに擦った
指の傷は
未だ ....
日常はいつも
巡回セールスマン問題
とことこ
とことこ
どこから回りますか
詩詞の素因数分解
エラトステネスのふるい
ことこと
ことばたち
何から読みますか
どこかにはあり ....
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