何もない
やるべきことが何もない
ぼんやり庭を見ている
小学校入学前で
幼稚園に通っていないぼくは
兄たちが学校に行っていて
遊び相手がいなくて
やるべきことが何もない
ぼんやりし ....
女子バレーの
銅メダル写真で
我が国の人を見た
仲間といえども
バラバラに喜ぶ
そんなふうに
僕も人を選んできた
まるごとわたし、なつごもり
こんな季節なので
あなたと顔を合わすのもおっくう
真っ盛りに教室漬け
教科書ノート参考書の順で
男子と女子が、かたちもなく
見えない上下運動をくりかえす ....
降り注ぐ雨の中、君に夢中……。
広大な砂漠の中、
君の涙を飲み干した。
僕等は星の旅人、
瓦礫の中水を求め彷徨う。
世界が儚く輝いたとしても、
君の為、生きてきたと、
目を閉じれ ....
真夜中に
ひとりで開く小説は
難しさを持ち合わせない
さみしさの入り口、
でした
なりふりかまわず
一途にさまよえたのは
誰にもやさしい夏の日で、
つめたい雨のひと ....
朝になればさらさらパウダーシートで確かめる
自分と世界との境界。
(大丈夫、まだどっちもあるよ)
でも鎖骨の窪みから急速に気化していくのは連続熱帯夜の更新情報だけで
臍の奥の奥にある、本当に持 ....
盆の即興演奏
磨き抜かれた墓石のように
重厚に広がる天の平野
夜空は シャンペン色の発疹を患っていた
星の高熱も 青年の村落へ墜ちるころには
地上はすでに 輝きを唄っている
いたる ....
生ぬるい大型トラックの風が
スカートを捲くらせてしまう
わっ
と手で押さえたあたしを
見ていたかどうかなんて
煙草の煙で分からなかった
最近の暮らしぶりも
カメラの趣味のことも
空 ....
知ってますか
春はしゃべることを
知ってますか
彼が嘘をつくことを
知ってますか
猫はすべてを見ていることを
知ってますか
あなたがどこから来たのかを
真っ暗な夜
ピカ一ゴロゴロドッカーン近くに落ちた…
怖い
私は、一人ぼっち暗やみの中人形を握りしめ眠った。
夢をみたそれは明るい夢だった
いつかプロトコルを委譲する伝達飼育員が
アバラをひっくり返して心臓を剥き出す
なみなみと湛えられた
骨はつぶれて
内臓も空っぽで
血管と皮だけが残った
血はなくてもあ ....
「護りとおす」
木の若芽
午後一時 夕立 風鈴しきり おびえなくてもいいよ
雨が大地を冷まし 風が木を冷ますのだから
生あるものの声は労から快へと変 ....
春の雪はおっちょこちょい
夏の雪はちょっと我侭
秋の雪は目立ちたがり
冬の雪は冷たいけれど礼儀正しい
突き刺さる言葉の雨は乾かない。
「草遊びのうた」
木の若芽
<とうもろこし>
青年たちは青空を支える兵士に志願して並んでいる
インディアンの若き新兵たち
熱気をおびて らんらんと
うぉー う ....
「私が空を見上げれば」
木の若芽
私が空を見上げれば
誰かも空をどこかで見上げているのだとわかる
あの川のむこうかもしれない
あの山のふもとかもしれない
遠 ....
過去は あたたかい渦の中
からっぽのまま 行き先は闇の中
流れていく
動き回る
もがいている
雲が来たり留まったり
生きていれば
生きていれば
風が吹いたり道が見えたり
「わ ....
詩を書くのは
やめにしよう
なんだか
疲れている
「ありがとう」
って言ってほしくて 親切するのは、
偽善だって 誰かが言ってたけれど
ありがとうって
言ってもらえると
こそばゆくて
うれしくて
いい気分になるから
また、いい ....
ここに
ひとつの 針金があって
あなたの指は
それを
曲げようとする
針金は うねうねと まがって
あなたの指も うねうねと 曲がる
道を曲がっても
あなたを 見つけること ....
何かを失うということは
あまりにも日常的なこと
そしてそれが二度と戻らないことも
人が自ら行おうとする
生活に必須なこと以外の多くは
これらの穴埋めや消失感の緩和のため
それが ....
となりのまちから
ひとえき切符を買うより
ぶらぶら歩いて行こうと思ったのが
何かの間違い
閑静な住宅街を歩いていると
だんだん道が狭くなってゆき
家も密集してくる
もとの道を戻ろ ....
あなたの発見を
ぼくは言葉にできる
そうやってふたりは積み重ねてきたんだ
ぼくに言葉にしてもらえなかった発見は
これからふたりで暮らす何十年のうちに
一つ一つかならず ....
目のまえのきみを見つめていると
あんなに触れていたことが
夢のなかの出来事のように思えてきた
白磁を帯びたきみは
純潔につつまれて
どこまでもどこまでも美しかった
....
ベンチに四人家族が
あの夏を集めて
薄い木立の向こう
ジェットコースターの嬌声が上がる
奇妙な家族は動かない
リストラを告げられなかった父親は
濃紺のコートを着
行き交う家族づれのさざめ ....
夜のように平らか
あるいは、呼吸している
みずうみの内面
雨の降りやまない
さみしさに
どこまでも潜っていく
あかるいままの投影
モノトーン、翻って
波しぶきはきれい
....
苦々しい限りの“本音”を
彼女は黙って受け止める
そして、私をまっすぐ見つめて笑った
「まったく、口が悪いんだから!」
私も意地の悪い顔でふふんと鼻を鳴らし
「お互い様でしょ ....
帰り道のパン屋で
硝子越しに覗いては
ランプに照らされていた
こんがり丸い窯焼きパンを買い
紙袋に入れてもらう
今日は、給料日。
10回の高級料理と
たった1個の窯焼きパ ....
この湖の水面に移る世界はキラキラ輝いていて素敵
真っ暗な世界も心も照らしてくれる
神秘的な明かり
あの月へ行けないのかな、なんて
そっと裸足になって水面に足を付けてみるけど
いつ ....
銀行ATMの画面に映る
貯金残高の、底が見えた時
日雇いの如き自分に
歯軋りをしながら
この手を額にあてて、考える
一日の労働を終えて
家に帰れば迎えてくれる
妻 ....
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