この道は、何処へ続いているのだろう。
このようなことを、あの頃はずっと考えていた。
今までにつらい、苦しい、もうやめたい。と、膝をつきそうになることが何度もあった。
だが、そのたびに ....
僕は背を向けたのだろうか
それとも目を瞑ったのだろうか
君の笑顔が僕には見えなくなったのは
なぜだ
君を守ると決めた
君のそばを離れないと誓った
だのに君があまりにも強く輝いて ....
前ぶれは風のなか
雨のにおいのする
森は、騒き
心をみだす
( 誰もが平然と目をそむけるそこに、)
山の気はその密さをまし
やってくるものの 大きさをおしえ ....
伝えることができたのだろうか
熟れ落ちていく夕陽の悲鳴を
表わすことができたのだろうか
沈殿していく闇の舌なめずりを
キーを叩く指の隙間から
瞬間は呆気なく零れ落ちてしまう
慌 ....
痂を剥がして傷に戻す
昨日の夜を思い出す様な軽い気持ちで
雨が降ってないのに傘をさしている人
火がついてないタバコをくわえ続けている人
首のとれた人形を大事そうに抱きしめている人
ミルクに練乳を入れて飲んでいる人
からのベビーカーを押している ....
コーヒーとクッキーとタバコの三者択一をせまられて、
それらの選択肢の詳細を明示されない。
コーヒーはドリップなのかエスプレッソなのか、
クッキーはバターをつかっているのかいないのか、
タバ ....
ターンテーブルに古いレコードを乗せる
静かに針を落とす
黒い円盤は回転し
やがて小刻みな振動を針に伝える
スピーカーから懐かしい音が聴こえる
あの夏
このレコードを買ったときの想い出が ....
ヒロインが誘拐されたので
居場所をトレースするため
ドーベルマン刑事が
ミディアムレアの肉塊に
尖った鼻を突っ込んだ
それは凶悪犯罪者の
記憶だけに特化して
捜査の手順を追求した
....
こんなふうに甘い曇りの日には
痩せた烏賊が空で迷子になる
びっちりしたネオンの前で驚いてしまったら
うちへおいで
どこへも行かないから
つよいひとより
よわいひとのほうが
たくさんくるしむような
きがします
だから
よわいひとのほうが
ひとのかなしみを
よりふかく ....
眠るときはまるくなる
骨を抜いたイカのように
立派な毛皮に包まれた
ただの肉塊になる
目の玉はビー玉
なにを映すかはまだ決めてない
占いはできないけど明日はみえる
今日と似ていて少し ....
きみと最後に観た十五夜は
もうどのくらい前だったのだろうか
きみは教えてくれた
中秋の名月はもともと中国から
伝来したものだと
ぼくはそれは知っているよときみに答えた
じゃ十三夜は ....
治りかけの小さな傷は
ちょっと痒くなる
我慢できなくなって
その周りをおそるおそる掻いてみたりして
治ってしまえば
こんな小さな傷のことなど
きれいさっぱり忘れてしまうだろうに
....
旅路は
良いとか
悪いとか
いうものではなく
ただある
というだけ
来し方でも
行く末でも
なく
今がある
というだけ
私は生きる
....
この前山の道で見かけたカラスの死体は
ポトリと落ちていて
なんだかとても温かくて幸せそうな死体であった
私はカラスを不吉や気味が悪いというよりは
小生意気な賢い奴であり
....
なんでもない詩人たちがけっこう好きなのです
ごく私的でもよいのです
ときに詩的でさえなくとも
ぼくのちっぽけな世界をあたためてくれる
ひとひらの言葉たちがたぶん
ぼくがなんとなくたいせつ ....
寝ます
信号機が一つ増えただけだった
それが妙に腹立たしくて
この道を使うわたしはエゴイスト
狭い
直角に曲がることの
繰り返し 運転は苦手
3つ目の突き当たりで気 ....
ボーダー色の帽子をかぶって
空との距離を遠くする
この頭
ぼさぼさのぼさぼさ
そのリズムのなかで
ふくれる黒髪が
つぎつぎにつぎつぎと
はえ、はえ、はえ
はい、いま、引用しました
し ....
僕の前に
道はない
僕の後ろにも
道などできない
たどたどしい足跡が
泥んこの中
消されていく
生きた証しを
残したいとは
おごりおおい
自己顕示の欲
なにも ....
眠れない夜にはふらり
外に出てあてなく歩く
優しくて淋しげな
秋の夜の風の涼しさ
虫の音が
まあいいじゃん
と囁いているようだ
ふと目を閉じて
....
ネットで遠いってどこだろうね
豆つくって歩かないでいい
地下鉄の出口を探さなくていい
バス停の地図をみなくていい
ホームまでいそいでいかなくていい
ひとさし指がとまる
最後のキーが ....
そろそろ悲しくなってきて
隣の世界へ行きたいのに小銭しか持っていなかった
ホームに張り巡らされた電飾からは
コンビニで手に入る情報しかなかったのだが
それだけでなんとなく満ち足りるような気 ....
返信! しづらい!
お前からのメールの前で俺は立ち往生する
返信! しなきゃいけないのに
返信! してお前を助けなきゃいけないのに
俺はメールが打てない お前を助ける有効な対策が打てない
お ....
バスタブに水を張って
女の手のひらを投げこむ
まだ、
切り落とされたばかりの
まるい骨ののぞく
その切りくちにも似た
鮮やかな真夜中
....
蒼い光りに照らされてさまよう
帰る場所のない人たち
一様におし黙って
立ちならぶ電柱の合間を
ぼんやりした駅のホームを
一定の歩調で脚をひきずるように
歩く
....
最新のマッサージチェアに住職
読みかけの本の
開いたページのすぐ横に
わたしを置き忘れてしまった
駅に着く頃
あ、しまったと気付くが
頭はどうしてもあの電車に乗りたがる
今日は座れた
昨日は座れなかったからね
....
泣きたいだけ泣きなさい
涙はそのためにあるんだから
ひとりで泣いても佳いし
だれかの胸で泣いても佳いから
それは弱いことではないし
情けないことでもないから
意地なんて張ること ....
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