過ぎし日の愛に想いを馳せることはない
たとえ「貴方しかいない」と言われても
苦しみつつ整理した愛は過去へ葬り去る
過ぎし日の愛は再び甦ることはないのだ
あれから二つの心は反対方向へと向った ....
遠いところまで行って
棄ててきたなにかを
遠くから思う
耳鳴りのように
くりかえし
くりかえし
人は
信じうるものを
信じるのではなく
信じたいと願うものを
信じるのだろう ....
彼女についての記録、とは
その周辺に草木が茂っているとしか言えない
清冽であったことも激烈な事象も
すべて平面にねむる
おだやかさが尋常ではなくて
参照する意欲がわかない
わたした ....
光の行列の中で整理券を握りしめて
僕たちには 生きている間に自分の番がやってくる確証も持てず
枕もとに置いたステレオから流れる子守歌
横たわり抱きしめる音の羅列
星空から音がすると思ったこ ....
「早く寝てね」のメールで起きた
想像妊娠が安定期に入った
修学旅行で出会ったバスガイドさんとの文通が途絶えた
ひとが変わるとき
それをぼくらは裏切りと呼んだりする
ひとはいきなりは変わらない
それまでのことは隠れている
隠れていたことが現わになるとき
それをぼくらは裏切りと呼んだ ....
詩の声が聴こえる
私が設定したのか された必然性の声
優しさはあなたの右に出る者はいないよ
私は微笑みながら左から見ている 戦ぎと凪の時空空間越え
声が聴こえる詩の
あなたの神秘 ....
「あなたは過去の栄光にすがって生きている」
ある日 ある人が 私に 放った言葉
不思議な言葉
ぎょうぎょうしい表現
だから 笑ってしまう時もある
私のこと どれだけ知っているのだろう?
....
年上の女が
傍らに
横たわっていて
私を艶めかしく感じるのは
年上だからだと言う
そんな風に
年上の女は
年上であることを
隠そうとしないが
見ればわかるよだなんて
口が裂けて ....
練り香水の種類が増えるのは
誰のせいでもない
ただ私があなたに気付かれたいと
簡潔に言えば
そういうこと
あなたの視線が横切る
無作為に ....
「石」
川辺に寝そべって空を眺める
流れる雲を見るともなく見ながら
僕は石になって時を刻む音を聞く
僕はここにいるのに誰も知らない・・・
「意志」
砂を握り ....
どこまでも続いている道
遥か彼方へ離れていても
青い鳥は心を通わす
いつか森に還るときまで
あなたと繋がっていたい
誰もいない部屋
写真の中の二人は寄り添い微笑んで ....
日々の現実が嫌で嫌で
考え抜いた者が
行き着いたものは
物質への憧れ
何かを思うより
何かに触れていたい
家の近くの
何の変哲もない公園のフェンス
それを手で触って
握り ....
お前のイメージはお前のもの
同じイメージをなぞることなんて出来ない
でもイメージが伝わってしまう
僕は盗まれたり傷つけられたりすることが不安
お前はお前
僕は僕
一致しないから許しあえ ....
夜の匂いを忘れてしまうまえに
早くしなくちゃ、って思ったんだ
玄関から一歩踏み出したときに
夜の匂いがするということは
昼間とてもあったかかったということかな
熱が土にたまって、それが噴 ....
光しか見ていない人は
本物の光は描けない
きみが主役
きみがきみの人生の主役
会社への行き道
時間に追われる行き道
会社からの帰り道
こころを揺らす帰り道
生活を会社にもって行ってみたり
会社を生 ....
いろづいた
いちょうを編んで
やわらかなストールをつくる
ゆっくりと首に巻き
はしゃいで
みたりして
きせつは
名前など欲しがっていなくて
ひとり
通せんぼする散策路
....
土踏まずの深い足裏で
たわわに熟した葡萄を踏みつぶす
たちどころに
赤紫の液体が
{ルビ箍=たが}で締められた
大きなたらいの中でほとばしる
秋の森は
少年と少女の息遣いで色づき
どこ ....
遠ざかる
深夜
かえるはないている
あちらへ
ちかづきゆく
宙
零時の
あなたよ
覚えていましたね
しんなりする石
あいさつの
あまおと
え ....
ふわっと秋のにおいが わたしの頬を通り過ぎ
あの日を思い出す
だいだいいろの あの花は
今日も誰かを傷つける
少し寒い秋の風が わたしを通り過ぎ
あの場所へとさらってゆく
....
日曜の早朝のように
不穏な静けさのうちに固定された記憶のかずかずが、
箱のなかの玩具のように
あたまのなかに乱雑につめこまれている
手に取ればその一々は
あれもこれも絵になっていて、
....
背中に杭がささる
子どものころはそのまま
小学校に行った
人には見えないので
痛みをこらえている表情を見せなければ
だれにもわからない
休み時間に追いかけられて
プロレスのヘッド ....
なんと醜いものだろう
ただの肉塊であったなら
赦されたものを
このなかには
潜み蠢くものがある
....
温かなみそ汁が
食べたい
薄い短冊の大根が浮かんだ
真夜中のそれは
少ししょっぱいだろ ....
三が日は毎年家族で過ごす。朝はコタツにくるまって年賀状の仕分けする。おとん おとん おかん おとん おかん じいちゃん おとん あにき おとん おもち おとん おかん おとん なんこ じいちゃん おと ....
ニュータウンのそばの団地
わたしはその屋上から身を乗り出す
鉄のにおいがする
眼下に見える景色は灰色だった
冷たい人間たちが巣くう
わたしは蟻の巣の断面図を思い浮かべる
人間とは… ....
駅前で少年に声を掛けて
靴を磨かせる東京の蒲田の
ビ ....
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