恐ろしくひょろ高い
竹馬に乗って
海水のなくなった海の底を
歩いて行ったムーミンたち
私は歩道橋から
街を見下ろし
長い脚で
椴松や公孫樹の
街路樹を
ひょいひょいまたいで
....
歯磨きを始めるのに
砂時計を逆さに立てる
ネットサーフィンを始めるのに
ガジェット画面の時刻表示を見る
「時」は速いとも 遅いなぁとも採れる
いぃや 長いのか 短いのかとも 採れる
....
辿り着いたこの街で
老いていくのだ
運が良ければ
最後の日まで
そのことが
頭の中ではっきりしていて
どこまでも
美しい
晩秋の遊歩道
硝子ケースの中にある、{ルビ木彫=もくちょう}の
酸っぱく熟れた{ルビ柘榴=ざくろ}から
赤い粒等は顔を出し
薫りは鼻腔に吸いこまれ
僕はひと時、酔い痴れる――
美術館で立ち ....
春は誕生
柔らかな朝の
穏やかで優しい光を浴びる
芽吹く喜びと安らぎの声共に
静かにそっと瞳を開ける
夏は青春
光り輝く昼の
目を奪う緑と青が騒ぐ
生きる力の喜びをを感じながら ....
鏡の向こうの世界から
足音も無く
こちらに歩いてくる{ルビ女=ひと}は
軽やかにも手をあげて
({ルビ今日=こんにち}は…)と、旅人の僕に云う
裸婦の姿のその女に ....
1
やがて堪えきれなくなって、場所を求めて彷徨し始めることにした。立ち退きを余儀なくされたのだ。河岸の沿いを進む。うららかな午後の、ちいさい淀みを掻き分けながら、光に透けている、光そのものであ ....
男はそれからかなしいくらいに震えて灯りをけした。
蝶々はどこで死ぬのだろう
鳥の眠りは浅いそうだ
凍りついたまばたきに春が来ないことはわかっていたが
それでも男はここにいたかった
あなたには奥さんがいるし
私には彼氏がいるわ
何故か晴れ間が続いている
もしも昔々
暗い道を二人で歩いた
あの恵みを全て捨てながら歩いていた日々
年上の彼女は怖いと
言った
テ ....
愛を込めて野菜を育てる
すくすく育ち嬉しさが込み上げる
育ててみたい野菜がいっぱいある
水をあげながら
話しかける
色んな言葉が帰ってくる
感謝しながら頂く よく噛んで味わう
....
わたしはあなたを咀嚼する
わたしのためのあなたのために
わたしはあなたを消化する
わたしのためのあなたのために
あなたの中身、知っているか
どろどろに溶けあったそれから
ひ ....
今日一日
一人 何をした
思いあぐねてばかり
外に出ないと
誰にも会わないから 手は
指としてだけ機能する
指先でスマホをいじり
文字の言葉を交わし
電車のシートで目を閉じた
残 ....
さみしい
さみしい
さみしい
と言っていたら
一人づついなくなった
いとしい
いとしい
いとしい
と繰り返しても
もう誰もいなかった。
こんなことを昨日から考えている
診断の結果異常のないはずの子供が
なんらかの障害をもって生まれてきたら
なんらかのミスでそんなことが起こってしまったら
ぼくならどう思うだろう
....
....
貝殻に閉じ込められた海の声
時々解放しては独り占め
見知らぬ海
近所の海
くじらの住む海
人ではない者が住む海
貝殻の中に身を潜めた人魚の声が、
耳を誘惑し持ち去ってしまった ....
きっとバカみたいに見えるような顔で
ぼんやりと
わたしは明日の声を聞いている
太陽が来たらリセットって
解決できるような歳じゃなくなっちゃっても
明日は音もなく光を連れて
だか ....
次に接近するのは60才後半かな?
その次は90才近く?
そんなんで大丈夫?
って、
年季が入っているから
大丈夫なの。
衝突して
どちらかが消滅するま ....
にぎやかな群衆に気づいて
「好き」だの「可愛い」だの言っていて
その中心にいるひとがあんまり不憫だから
みんな帰ってあげなさいと言えば
皆さんいっせいに振り向いて
わたしたちはただ愛している ....
馴れない方言を使う眼が赤い
三日に四日はバカ
自分をとんちで納得させている
すみれの香りがするね
ルビー色のワインを飲みながら
つぶやいたあなたの唇が
柿渋のように舌にからみつく夜
新月が笑い
大潮が笑い
あなたの赤い月が、ひとり
イ ....
あたし世界中を旅するの
大学病院小児科病棟の主
チエちゃんは言う
イチロウにやる!
僕と同い年の女の子
チエちゃんはいつも上から目線
僕は週に一度か二度
グリコのおまけを ....
確かに理屈としては
合っているような気もする
しかし
よく考えると
ドSはドMよりも
ノーマルから
ややS寄りの人を
相手にするほうが
もっとS心を刺激されるのではないか
とも思 ....
化粧を落としても
わたしは見えない
そこには
皺と染みの増えた顔があるだけ
わたしはまだ
様々なことに怯え
かたかたと震える
小さな小さな
わたしだというのに
化粧を落として ....
情とは 小さな 青と書く
指で 作った 四角から
覗く 空が 正に情
リッシンベンだと 突っ込む心
さにあらず
★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°
....
まぁそんな顔するなって
行くなら行けよ、俺はここで待ってるから
まぁあれだ土産もって
帰って来いよ、俺はここで待ってるから
目を覚ましても
夢すら見られなかった別の人生が通り過ぎて行く
....
マッサージしたのに足取りは重い。厚塗りの化粧に
キツい香水は攻撃であり防御。
ファッション雑誌のスクラップみたいな、ドギツイ
組み合わせは愛嬌たっぷりの皮肉を染み込ませたス
イーツ。だれか ....
(ボクめせん)
ボクね
けっこうはながきくんだ
あまいイチゴのにおいとか
けむたいたばこのにおいとか
くっさいオナラのにおいなんかも
すぐにわかるんだ
かあさんはいつも
....
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