金色
水色
オレンジ色
銀杏が風に透けてゆく
枝だけたわんで揺れている
風の強い日だった
少年のころの
充実を思いだそうと歩いていた
金色
....
まだ腕時計のない頃
パスカルはいつも左手首に
小さい時計をつけていたという
一枚の額縁の中の、夜
机上のランプに頬を照らされた
パスカルの肖像は
銀の時計をそうっとこちらに見せて、云う ....
南に垂れたベランダは
アクリル波板の屋根
時空を横切りながら
そこに 雀が影を落とした 途端
一陣の北風が瞬いた
....
安らかに
ねむるように
鳥が死んでいる
いい夢見てそうに
目をとじている
思い浮かべていよう
死んだら喜ぶひとのことを
思い浮かべていよう
死んだら ....
葉山のCafeに入り
マンダリンオレンジジュースを頼んだ。
瓶に貼られたシールの表示は
「Prodotto in Italia」
おそらくはイタリアの地方の果樹園で
名も無い農夫に採られ ....
■蝶の羽■
蝶の羽みたいですね
音も立てずに、そばにいてくれて、
触れなければ 美しいだけの
触れたなら 砕けてしまう。
■おちこみ■
君が落ち込むのを見ても僕は落ち込 ....
時計の一秒ごと刻む音が心臓と共鳴する
進んでいるのは過去の堆積
動いていない僕の胴体を切り刻む
未来は音を編んでくれるだろうか
帰納法を後ろ盾に布団を被り
証明書のない契約に親指を赤 ....
鳥でなければ見たことのないはずの景色を
夢で見た
子どもの頃なら
空を慕った記憶はある
宇宙からの信号は
生まれた日から
届いていたのに
地表に張り付いたまま
私の未来は区切ら ....
私はパンが好きではなかった
だから
パンを作り始めた
おいしいものがたくさんあるよ、と
言いたかった
うれしいことが
たのしいことが
おいしいものが
たくさんあるよ、と
....
ねえねえ ほんの数時間
目を離しただけだったんだよ
いつも見慣れた帰り道が 帰り道が
まるで油で揚げる前のコロッケみたいだよ
これは地球が牙をむく季節 白い牙を
きっと家では揚げたてのコロッ ....
心空なり
空蝉は
言葉忘れて
ことば吐く
家は遠くに
あるけれど
我が身をおける
術はなく
故に
心空なり
空蝉は
言葉忘れて
ことば吐く
くやしさを抱いて眠る夜には
カモミールとロックンロール
ジミー・ペイジ
今日は悲しい一日だった
私の代わりに泣いておくれ
せめて夢の中で
天国へ連れてっておくれ
騙されていた
笑われていた
知らないうちに
犯罪者よばわりされていた
言い訳しようとも思わなかった
でも
あたしは幸せ
お金では買えないものがあるから
あなたよりは ....
嘘をついた少女の
大きな大きな麦藁帽
忍びよる
祈りの歴史
みどりいろ
見える
みどりいろのうみが
あかい藻屑にからまって
風呂の底へ沈んでゆくのが見える
電気を消したら
ひかって見える
風呂でウォ ....
最後に見るものは
あなたのくるぶしがいい
美しくて
すべらかな
まるで 葉っぱみたいね
朝露に濡れた肌に
もう一度 くちづけをさせて
愛情深く揺れて
あの ....
横柄な態度で死ぬ死ぬ詐欺
犯罪者ばかりのネット社会
死ぬ気なんてありゃしなければ
死ぬ気になったって死にゃしない
自分を守る為に
誰かを傷つけて救われて
吐き出す言葉 ....
僕には彼女がいなかった
今日電車で
後ろに立っている女の人の鼓動を感じた
僕の背中で
そんな短い瞬間が少しだけうれしい
こんな寒い冬なのだから
この間は
ある人のコンサートで ....
のに
はいらない
誰のせいに
何のせいに
したって
自分の道は
自分独り
せっかく
もいらない
誰に期待
何を期待
したって
彼らの道も
それぞれ
....
生きる理由を探していたら歳を食った
疑問符にこだわっていたら嘘に取り巻かれた
嵐のような風が吹く12月をあてどなく彷徨い
街の外れにたどり着いたら張り詰めた空だけがあっ ....
負けるまで帰れない
手を抜いてオシャレになった
フラグが立って何も起こらない
土管のうえに猫がととのっている
紋白蝶はさえずりのように風にふくらんで
もはや言葉の色はしていない
捨て去られた、黒い缶コーヒー
夕空に向けて屹立してい ....
私たちの希望は
まだ生きている
サンクチュアリを奪われはしたが
私たちの希望は
野蛮人の意味を調べて
退行する人たちと同じように
まだ低いところに橋のようにかかっている
突然目の焦点 ....
景色のいい喫茶店
口に出したわけでもないのに
何かを察した店主が
店前の電柱は
この景観のために
地中に沈めたのだと言った
それを受け
機嫌の陰りを見せる私の話し相手
そんなこんな ....
灰色の草原にぽつりと置かれた
恐ろしくて触れることさえできない
黒黒とした檻
その中に私
外に広がる世界を見る
色のない草
音のない風
しらじらとした地平線
憧れのない自由
....
我が家のロシアリクガメの名は
ウサギ
ウサギはカメ
なのでウサギは跳ねません
ウサギはカメ
なのでウサギは怯えません
ウサギはカメ
なのでウサギは泣きません
ウ ....
吾輩はコネである
実力はない
コネだけで
人間どこまで通用するか
それが吾輩の生きるテーマである
おまえ、偉そうに
何を言っとんじゃ!
デヘヘ
遠くまで来たけれど
いつか見た地平線で感じたように
すべてはつながっている
2057 2058 2059 2060 2061 2062 2063 2064 2065 2066 2067 2068 2069 2070 2071 2072 2073 2074 2075 2076 2077 2078 2079 2080 2081 2082 2083 2084 2085 2086 2087 2088 2089 2090 2091 2092 2093 2094 2095 2096 2097
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.69sec.