蛍光灯が点滅する風呂場で濡れた身体が
一つになろうとして、震える手を抑える。
「痛い」とお前が言うから離した手を強
く、お前は繋ぎなおす。
お前は、ご丁寧にゆっくり身支度をする。
離 ....
客引きを振り切って
ビルに入った
エレベーターに乗って
3階に上った
扉が開くと
目の前に雛壇があって
女達が30人並んでいた
一斉に俺のことを見た
品定めしているのは
女達 ....
まずは人差し指が
手の平に触れて
雨が降って
荒廃した大地を潤す
全ての渇きが
満たされる
その裏側で
痩せ細ったヤクが
川の濁流に流されてしまう
星が空から落ちてくる
そ ....
鉄の響き
小さな双つ
朝の川岸 曇と廃城
丘に散らばる 無数の楽器
鏡を持ち
水のそばに立つかたち
姿も鏡も
映らぬかたち
陽は中州に落ち
樹々を ....
寒い夜 ふと思う
この道を歩いて
どこまでいくのだろう
後ろを振り返ると
たくさんの場所に行き
たくさんの人に出会ってきた
こうして 創り上げられた私がここにいる
何でも ....
電話した
伊勢丹の前で
待ち合わせることになった
待っているときみが現れた
挨拶もそこそこに
「コッチクルアルヨ」と言った
導かれて
マンションに入った
エレベーターで12階に上っ ....
冬の菖蒲園に枯れた茎たち
池には凍ったように鮒が立っている
裾を引き摺り神殿の廊下をわたる
雪は降りながら日の中に溶ける
わたしはリュートを引き摺り引き摺り、山を越える
そこに癒しが ....
気まぐれを起こして
本棚を眺めていた
とある晴れの日
辞書のそばに
転がっている言葉
揺り起こしてみると
眠りから覚めた言葉は
おれに向かって
悲しそうにつぶやく
自分は
....
僕の一番真っ直ぐな言葉は
消えてしまった
僕が出来る全部のことは
終わってしまった
さよならが向かう場所は
知るだけ無駄だったんだ
悲しさは武器になって
世界とだけ戦える
....
私のお気に入りのもの
見ているだけでよかった
それを 手にとることができたら
自分のものにしたいとおもう
手に入れたら
今度は離したくないとおもう
もっともっと…
見 ....
浮気なGigiをききながら
ホットワインで、邪な心をたぎらせる
どうせ凍てつく空気に見透かされるのだから
*YouTube 浮気なGigi(加藤和彦)
http:/ ....
喋らない靴を履いている
死にたいけどジェットコースターは嫌
オレが愛してやるホトトギス
世界をリセットしよう
不公平がいつまでも治まる見込みがないから
世界をリセットしよう
いつまでも生きながらえている
金持ちの年寄りが多すぎるから
世界をリセットしよう
貧 ....
仔馬の湿った毛並みを、
女は なぞるように撫でていた
よく晴れた三月の日曜日に、陽の光は
光よりも寧ろ風に似ていた……風は吹いていなかったが、
風は吹いていなかった ....
それは
朝日の中からオレンジ色の光を選び出し
白いフロントガラスに投影する技を持つ
火傷した現実も
湿布のように冷やしてくれる
道を見失うことがないように
巷の腐臭を凍らせ ....
林檎の花は雪色 蕾は朝焼け
雪に枝を折られながら
木を裂かれても 根は雪を吸う
発芽し実になる芽の成る術を
同じく過ごし 来年の芽は待つ
芽が実になるのは二年越し
熟成は枝から始ま ....
産声をあげて
もう一度、マリアを描こう
描いた幼きものは
旅先での思い出とともに
苦しむが
それでも魂を取り戻すには
時間がかかりすぎる
辛さを埋めるために愛し合ったが
さらに ....
駅の地下にある
ちょっと特別な待合室では
スーツにバッジをつけた男が
ソファにもたれて眠っている
黒いカバンのサイドポケットから
今朝のJapan Timesがのぞいて
上着の胸ポケッ ....
学校でペンを無くした時、
君は僕に笑顔で ペンを貸してくれたね
その時、僕と君の間には愛があると思ってた
ある日君に恋人ができた時
君は変わってしまったね
あの日ペンを貸してくれた事が愛 ....
まぶたをおろし、からだをまるめ
柔らかな布団にくるまり
暗くて寒い夜だとしても
夢に落ちれば孤独さえ感じることはない
喧噪から離脱したひとびとは
みな子宮の思い出に還る 夜の間だけ
いくら分析しても分裂する
卓の花は5つの花びらから成る
新宿のビルは2千個の灯りをともして
マンハッタンに古い影を投げかける
いつまで数を数えても
人間がぐんぐん追い抜いてゆく
哀 ....
薄黄色に染まっている
落日直前の千切れ雲をかいくぐって
どこで生まれ育ったのか
どうしてここまで飛んできたのか
ひたすら北風のなか生き生きと
庭の柿の裸 ....
種は零れる
つゆの光る朝に
手紙を黙読する
ゆき場のない言葉を
ほほに風そう庭のお墓に埋めた
涙に黙礼をする
血筋を経た
自分が今ここにいることを
みつめれば
温 ....
働かないおじさんは
今年一年働かなくても
生き延びられたのを
自分自身に感謝しつつ
来年も
働かないで済むことを
心の底から願っている
「それは全てあなたたちの
年末の頑張りにかか ....
夜の切先から見える
白い吐息は
消えかかる夢の
おとしもの
はじまりは少し嘘ではじまった
でも今はよく見える
ほんとうの
雪の熱
冬深み忘られし古詩
ひとり誦す万感の
めぐる想ひに耽りたり
歩み来たれる二十年
あまた去りにしうた人の
足跡たどり後世に
員外私淑弟子たり
言の葉の道歩みそむ
岩むらひ ....
花のように生きることが夢だったのに
こんなに老いてしまった
何もかも失くした私には
魔法が残った
沢山の花を枯らせる魔法
心に咲くどんな花も
枯らせてしまう
私は魔女ねと
窓辺 ....
たどり着かない道を
ゆく足並み
きこえないほど遠くから
きこえないほど遠くへ
確率が宙返りしながら
期待値を歩き
僕たちは
生まれることと
生むことと
死ぬことだけを
しようとして ....
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