水平線に
盛り上がった入道雲
の中へ
入ってゆく船
をあなたと
見送った日
渚に係留された
氷川丸を眺めて
赤い靴の少女を歌い
砂に埋まった啄木の蟹を
掘り出した二人は
こぼ ....
<イーゼル・ベーカリ>
イーゼルを看板代わりにした
街角のベーカリは通勤路
本日のメニューと季節限定
チョークは今日も鮮やかで
意外と個性の出るもので
あの人と彼女と彼と彼
....
わたしなりに と言う形を作ることで
アイツはああだから なんて 境界線が
自然と 生まれてしまうのかも 知れません
肩書 状況 年齢 性別
何でも良いけれど 拒絶し過ぎると ....
とおりすがりのコンビニで買った
コンドームの箱をあけて数を数えてる
ティッシュボックスから
うすい紙引き抜いてするエモいファンタジー
こんなはずじゃなかったんだけれど
ぶらさげた青いくまのぬ ....
C51の動輪光る
平和ニッポンの裏口を
急いで回る
こっそり回る
素早く回る
古ぼけた寝台車
古ぼけた3等車
金持ちの2等車
ひととおり引き連れて
今日も上野をこっそり出てゆく
煙 ....
突如飛来する非日常
そこは時間の経過と共に
半ば強引に日常と化していくだけのもの
溶け込むまでは物質に近く
しこりのように
胎内に枝を張るので
....
求めていた職に就き、初めて出勤する朝、季節外れの冷たい雨が降っていた。雨は気が狂ったようにでたらめに地面を打ち付けているようにも思えたし、そのリズムに一定の規則があるかのように思えた。雨に ....
故あってかどうかわかりませんが
猫に生まれまして
たいへん恐縮している次第でございまして
私が人間なら大変かなあともおもうこと
多々ありすぎて
申し上げることも躊躇いたしますが
あえて ....
コンビニのある風景の中で
あたりまえのように生きている
交差点に立って周りを見渡すと
視界に5軒ものコンビニが存在する
そんな生ぬるい便利さと手軽さに
日々愛撫され続けている生活を
無 ....
翻るミニスカートのすそが
軽やかに空気を切るような
その鮮やかさで言葉を繋いでいく
1秒間に24回瞬きする眼が
1秒間に24回切り取る映像
そのスピードで言葉を繋いでいく
イメージ ....
大雨のようにバチ当たれ
流星のようにバチ当たれ
直射日光のようにバチ当たれ
なあ今からどうしようもない馬鹿が
青一色の空の下
赤一色の太陽を浴び
緑一色の原っぱを歩くから
気が向いた ....
みなみの国で生まれたような顔して
じつはとてもさみしい名前だ
だから呼ばない
必要としない
カウチって良い響きね
そうかもしれない
もう大人だから
寒いときは毛布を買おう
....
ひとつの夜が
わからぬものに照らされている
影は別の影のなかで
少しずつかたちを変えてゆく
夜へゆく海
線を見る背
置き去りの器
蒼に満ちる
魚のかたち ....
くたびれた町に出て自分より弱そーな奴を見つけては
蹴飛ばそうとした
塀の上から
ジャンピングニードロップキメたい
後頭部を
探しまくった
びびって家に帰り
湯船を洗った
ま ....
粉のような人間になって
自分を粉砕していたい
そう思えるようなときがある
実際は体が疲れているだけなのだが
防波堤に立ちつくしていると
冷たい風が 体を突き刺すから 何もない心のまま ....
ベビーにちょっと
きつく当るような奴が
ベビー叱咤に名乗りを挙げることぐらい
覚悟しろや、親ども!
一番大切なものは
あなたたちですって
言いたいけれど
そのあなたたちを
幸せにするためには
これが必要なのよ
現実はそうでしょ?
って言うのは
建前の世の中に違いない
でも、その建前 ....
物語を消費するために
私たちは生きている
今日も悲しい話をありがとう
困難を乗り越えた話
本当にどうもありがとう
感動してる
だから明日もがんばれる
がんばれると思う
明日 ....
美女が乗ってきて次降りる駅
君を嫌いになる理由をさがしてたら会いたくなった
正義は勝つと言って負けた
あなたはいつもうわの空
会話をしても僕が笑ったり
泣いていてもあなたは
表情も変えずうわの空で
いつも何を考えているのか
僕にはわからない
だけどそんな君が嫌いになれなくて
むしろず ....
コートの下からにょきっと生えた
細長い煉瓦の色をした
煙突を背負った男は
大きな麦藁帽子を被っているので影のようだ
軍手にした鉤状の蔓で
雑木林をほじくりながら何かを探し ....
走り去る青い車の
テールランプながめながら
流線型の感情を抱きしめる
どうせ終わったことだから
もう悲しむことにさえ意味はない
遠雷が
湿った空気を震わせる
瞼の裏側で
す ....
今日は土手を歩く
土手を歩いて風を数える
おまえと 僕と
懐かしい春の風を行進する
川面の丸い光を
後退する四角い針の葉の林を
居眠りする土手の潅木の列を
風はまんべんなく揺らして渡 ....
高いところへ上りたい
ただひたすら
上へ
白いシャツにジーパンにスニーカーはいて
長い階段を一段飛ばしで
踏みしめて
少しずつ気持ちを昂らせながら
そ ....
オートバイの神様よ
僕にオートバイを運転するだけの
必要最低限の才能しか恵んでくれなくて
ありがとう
レーサーになる腕前も
白バイ警官になる技術もなく
暇さえあれば峠に繰り出し
運が ....
まさか 夢にみるとは思わなかった
明け方の私の夢に現れた
君のことは何も知らないのに
ネットという魔都で知り合ったのは
ずいぶんと昔のことだった
私が詩を書き始めた頃
君の書く詩はとて ....
なにかをリセットしたいとおもい
恒例のだんしゃりを決行する
てはじめに冬服
もう襟足をたてて歩かないことにする
首筋からはいりこむ空気をうけいれることにする
ぶ厚い靴下をすてて
地 ....
産まれることのなかった子供へ向けて歌う。意味なんてどこにもなかった。ただ歌う
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