古本を読む中野さん
手垢の主を想う中野さん
空想する中野さん
罪悪感、既視感、微かな飢餓感と
言葉を失った持ち主の幻影を脳裡に垣間見た中野さん
古本を読む中野さん
何故こんな良本が中古品と ....
被害者は皆
両手両足を縛られた状態で
コーンフレークを
無理矢理口に詰め込まれて
窒息死しています
これで12人目か
はい、完全に
シリアルキラーの犯行です
あなたがあんまり優しいから、ため息をついてしまいたくなるんだよ。朝露のように現れて薔薇のように砕け散ったあの日の予感を、今もお守りみたいに首からつるして生きている。何かに喩えようとしてはどれものびやか ....
ボンベを爆発させるから
ボンバーだと
間違って覚えたため
やたらボンベにこだわる
爆弾犯はオバハンらしい
オバハンの怒り
北の大地に炸裂
もしおなかに
お月さまの赤ちゃんがいたら
おなかはあかあく光るんだろう
もしおなかに
時間がいたら
そこが人類の突端なんだろう
もしおなかに
駅前マッサージが ....
いま麦藁帽子なんて
麦藁でできてんだろうか
あの愛だってなんだって
本気であれば考えもする
麦藁帽子かぶろうよ
ひかりに風に新緑が揺れている
木につかまって揺れ ....
新緑の街道が雨にぬれている
雲からのひかりで
アスファルトが白くなっている
花の色だけが痛い
新緑の街道が雨にぬれている
こころや自然や霊的なものに
アンテナを ....
Kとのみ名乗るおとこがいた
足の下の、10インチ四方のみ
そこにKは立っている
立ったまま眠り
一本のペン
一枚の紙切れ
夢を綴った
そこにのみ意味があるかのように
不本意にもKは ....
気まぐれな嵐は
ときおり吹き荒れて
数え切れないほど
散り始める
桜の花びらが
舞い落ちては
ゆったりと流れる
どこかの運河の水面を
どこまでも薄紅色に
染めるように
この春は過ぎ ....
蛇口から
ゆっくりと
こぼれて
おちる
透明で
ふくよかな
水の
躍動よ
掌を
舟 ....
ぼくら、たがいに言葉もなく
薄っすらと曇った空のした
だだっ広い荒野を切り裂くような
一本の道を歩き続けた
おんぼろの靴がいつまでもつかと心配だったけど
気にしたとこ ....
俺はこのどでかい建物の中で書類をいじくり
何か血なまぐさい争いでも起きるのではないかと期待していた
人と人とが心底憎み合うような
湿った命同士の争いを待っていた
ところがこのどでかい建物には
....
特に娯楽の
多いわけではない
田舎の夜を
バイクが十数台
直線さえ少なかろう
遅れて五分
めんどくさそうに
追いかけるパトカーから流れる
棒読みの警告
「止まりなさい」
サ ....
公園の桜は葉がそろった
イモ虫は蛹を破り
羽根をのばして
眩しい空の光をめざす
遠いうしろで電車ごっこの子供たち
運転手は僕だ!と叫ぶ子に
皆は、ずるい、ず ....
交差点で赤信号待つ間
2秒ほどポコチンを出す
JKに見られたらヤバイので
40代主婦がいるときを狙う
40代主婦なら
呆れられるか
興味を持たれるか
いずれにしても
必ず無傷で終えるこ ....
どうしてそんなに、大きなお口なの?
赤いずきんの少女は尋ねた。
それは至極妥当な疑問だった。
ペローならば、ぺろっとイカレ、グリムなら助かる運命の、幼気(いたいけ)な少女を、だが、もっとハルカニ ....
・0次元/
位置だけの、目に見えない〈点〉
絶対座標の位置だけが明確な〈 〉
ドコニと問えばはっきりとココニと答える
でも、姿は見えぬ
片思いの世界
・二重螺旋/
反平行の真逆な ....
―あのね〜、お母さん!
今日ね、お弁当の時間にね、
ちーちゃんが一人で笑い出したの。
だから「どうして笑っているの?」って訊いたら
「分からない」って。
それでもちーち ....
泣いちゃいけないよ
って言わないで
俯いちゃいけないよ
って言わないで
言ってくれないから
泣いている
言ってくれないから
俯いている
雨降りお天気は
きょうもお元気
街に ....
今日は お天気
くるまで おでかけ
するひとたちに
おいしいお食事
つくってあげるの
ポテト ハンバーガー
サラダ dadada
ゼリーに ナッツのせて
笑顔だよ!いつも
....
パンジーの隣に
スィートアリッサムを植えようとして
移植ごてを手に
しゃがんでいた
視界をよぎる小さなプリズム
見上げれば
空はどこまでも青く
あたたかくなりましたね
本当 ....
楽しさは
長い時の間に流れていく
今が濃縮し
一つの一つの細かい瞬間を 忘れさせる
本当に明日になったらまた会うことになるんだろうか
不信な音が鳴っているのに小さく耳を塞いだ
まだまだ ....
鳴らないケータイだいじに持って蛍烏賊
花曇りに君という器がない
さみしいと言えぬ口が春の歌
「<色°彩、のサラダ•〆」
赤く、冷たい皮膜に(宛てられたお
手紙(種を潰したトマトで染めたワ
ンピースに袖を通すパセリの少女が
毎日水をあげて大きくなった檸檬の
葉 ....
喜びはすぐ目の前に広がっているというのに、
いつもその手前で足を挫いている。
先を急ぐばかりに、目の前の数々の小石に躓き、
自ら輝きを彼方に遠ざけてしまう。
若気の至りなどという言葉は ....
サファイアは 青だと
ずっと 信じ込んで 来たけれど
赤いサファイアが 貴重だと聞いて
何となく 興味を 抱いた
あれ? ピンクサファイアだったかな?
そんな アーティストが いた ....
その日 空は折れ曲がっていた
梯子の上ではくたびれた猫が
真昼の光を嫌になるほど浴びていたし
グラスに注いだ麦茶は埃を被りつつあった
忘れ物はのこさ ....
君が
君の石を置く
世界が君色に変わる
僕が
僕の石を置く
世界が僕色に変わる
きっぱりとした君の白
雪の淡いと
僕の
空を模したブルー
交互に
わかり合って
分か ....
1939 1940 1941 1942 1943 1944 1945 1946 1947 1948 1949 1950 1951 1952 1953 1954 1955 1956 1957 1958 1959 1960 1961 1962 1963 1964 1965 1966 1967 1968 1969 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979
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