目を閉じた奥に浮かんでくる
遠くに美しく広がる景色に胸が騒ぐ
今ここに溜まっている乱れた荷物が
部屋の中に重くかげを重ねている
壊れた機械が私の頭の中で音を立てて鳴る
今日は退屈だから
....
とりあえず
腹いっぱいに喰って
泥のように寝てみろ
いろいろ考えるのは
その次にしちまえ
じゃないと、
死んでしまうぞ
俺たちを囲む
思考の鎖に
絡まってしま ....
昼間の静寂が緩む
真夏の夕暮れは、気ぜわしく
この街に戻ってくる
黄昏の土手に、月見草が咲く
行き交う人の影に揺られて
年老いた夫婦が、ゆったりと
杖をついた妻を抱えるように
満 ....
バーチャル世界を漂う夥しい単体から
吐き出される0と1の記号は
フェロモンを伴って 波に乗り
キーボードの前に佇む孤独な心の
隙間に入り込む
ディスプレイの
向こうとこちらで ....
けっこうホロ酔い気分で
カラオケなんかやっちゃったり
してるのかも知れないし
やってたとしても
それは全然悪いことじゃない
おぼちゃんと
ラインをやって
スタップじゃねえや
スタンププ ....
つい惹き込まれた
鏡の中の世界は
果実が熟して
私にはない
甘い匂いがした
色と色が混じり合う
透明な世界の不思議
キミへのメールは
天使の苺
白い白い甘酸っ ....
可能であれば
ブラック企業に就職したいですね
赤字続きで組合が強い
レッド企業では不安ですから
やはり黒字経営の優良企業に
越したことないですよ
親も安心しますし
今日は 10回言おう
さみしいって
さみしい
さみしい
さみしい
言えてるうちは
大丈夫
哀しみは
まだ
そんなに近くにはいない
私には
あなたがいる
私が
さみ ....
桜の葉を胸に抱いて
墨色の風は流れていく
女に似た雨の匂いが 岩間にひそむ苔を洗う
うつむくひとの唇から 知らぬ間にすべり落ちた
わたしの名をだれが忘れずにいられる ....
はずれたアイマスクから白目
大蛇飲み込んだ蛙が月も食べようとしている
蛙ひいていったトラックに蟻のマーク
「仮にわしが脳死状態になったとしても
延命装置は絶対に外さないように」
と今現在元気なのに
書面で残そうとしているジジイは
生きながらにして脳死状態なので
家族の承諾を得て
強制的に心肺機 ....
(知人)
友人ではないが、親戚ほど疎遠ではない。
最近は特に犯罪報道でよく見かける
匿名性を条件で被害者との関わりを能弁に語る者
推理小説の真犯人ではない。
現実の世界で ....
僕は
罪のない
ハエトリグモを殺した
昨夜のことだった
酔っていて覚えていない
今朝
丸めたチラシに叩き潰されたハエトリグモを発見した
もし
ハエトリグモではなく
バッタだっ ....
19歳のおじいちゃん よぼよぼ歩く
最近暑くなってきたせいか フローリングにペタン
朝起きてご飯をあげると
このエサじゃないとですと かすれた声で鳴く
19歳のわがまま君 おじいちゃんだか ....
花ばさみ取ってけねが と
庭からあなたの声がする
走り寄って
手術用具のようなそれを渡すと
あなたは百合やひなげしを
少し摘み取ってくるのだった
花ばさみ取ってクダサイ と
庭か ....
なぜ逃げなかったの、青い鳥
籠が空虚に満ちていたのに
扉をあける意味を知らなかったの、青い鳥
命には尊厳があったのに
何も知らなかったの、青い鳥
籠に保護されることを信じていたの?
何の疑 ....
昨日、今日
お天気はあいにくの雨
でも、
それはそれで仕方がない
晴れの日もあれば
雨の日だってある
一年でいちばん
優しい雨の降る季節
「傘を持たずにゆ ....
三丁目の植え込みに
神様が捨てられてました
薄汚れてハエが集っていました
拾って帰って
洗濯機で洗濯しました
乾燥機の中で蘇りました
何か願い事を聞いてあげよう
そう言われたので
....
時刻表通りに来るはずの
予定という列車を待つ
今日は宴会で
ぼくが進行役だ
何もかも遅れがち
ぼくはイライラする
十分おくれで
皆をのせて出発する
宴会がはじまる
打合せで
飲 ....
人々の敵意が鉄の壁のように僕を取り囲み
外側から来るどんな愛も遮断し
内側から発されるどんな愛も跳ね返してしまった長い期間
僕の中には一枚のカードが次第に凝結していった
最後の切り ....
夜眠り
朝起きる
夜がきて
あくびする
朝がきて
あくびする
いつの日も
あたりまえ
いつからか
あたりまえ
悔しくて眠れない日も
いつの間にか海の底
....
なにひとつ
ただしくはなかった
空白をうめるようにする
女のからだでは
ただしくはなかったかもしれない
すがるように言葉を編むこと
空を濁らせる 嘘を吐くこと
つめたい気持ちに線 ....
金曜日
バスを降りた途端 夜の町に穏やかな風が吹いて
夏の匂いがするねと 隣の君に僕はそう言った
長いこと僕らの町にあった 小さなスーパーは
ついにつぶされて 無意味にアパートが建つっ ....
明日が今日の続きでしかない
明後日は明日の続きでしかない
終わりが無いということが
どれほど恐ろしいか
自分で「終わり」にしないと
絶対に終わらない
今だけ甘受するならまだしも ....
たいせつなものが
どこかに
流れて行ってしまった
たいせつなものを
たいせつにしないで
私は
頭の中の思い出を
ただずっと探していた
私の頭の中からは
もう何も浮かんでこなか ....
仕上がった作品を手にとり
出来栄えを確認する
(……駄作だ)
地面に叩きつける
が 割れない
金槌で叩いてみる
が やはり割れない
もしやと思い豆腐の角にぶつけてみる
が そういう問題 ....
四角い瞳に映る 蛍の軌跡
沈潜した草の匂いに 雨の気配
黄緑の曲線が 野放図に交差する
笹の陰の暗闇で 羊は見ている
静かな黄泉の国で 横たわっているような
喧しい牧羊犬も ここには ....
ベランダにビニールシートを広げ
寝そべって星を見た
焼けた地面にぺたりとつけた背中の熱っぽさ
母親は綺麗ねとだけ言った
私は黙っていた
真暗な虚空に私は吸い込まれそうだった
小さな光の粒が ....
1915 1916 1917 1918 1919 1920 1921 1922 1923 1924 1925 1926 1927 1928 1929 1930 1931 1932 1933 1934 1935 1936 1937 1938 1939 1940 1941 1942 1943 1944 1945 1946 1947 1948 1949 1950 1951 1952 1953 1954 1955
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.74sec.