参道の脇に佇む小さな社
祓戸(はらえど)神社。
〈もろもろの罪穢(つみけがれ)を祓い清めて下さる神様です〉
そんなことを言う
立て札。
小さかったぼくは
小さかった金魚が
小さく死ん ....
いかん
どきどき、どきどき
年甲斐もなく
いやいや、年相応
思いがけない{ルビ邂逅=かいこう}に男女はお互い{ルビ憐憫=れんびん}の情が湧いた
二人は胸の内で 相手が声を掛けてくれるだろうと思っていたが
どちらも声を掛けられなかった その時初めて未だに好 ....
哀しみは秋の日差しのように
ポロポロ
ポロポロ
こぼれるけど
いつまでこぼれるだろう
どこまでこぼれるだろう
哀しみは河の流れのように
サラサラ
サラサラ
流れるけど
いつまで流れ ....
正しい言葉があふれている
論議を差し挟んだりしてはいけません
みんな、違うのだから
人はそれぞれなのだから
「それって少しヘンじゃないかな」
なんて、絶対に、言ってはならないのです
....
茄子を収穫するときは
少し手前の枝ごと切りなさいと
教わった
少し大きくなったら三本仕立てにするんだよ
と
久しぶりの晴天で
開け放ったカーテンに蝉がしがみついて
鳴いてる
大声を ....
明日
月曜日がくる前に
この世界が終わればいいのに
そうすれば土曜日も日曜日もこないから
そんなことを思ってる間に
世界はもう火曜日で
水曜日も木曜日も過ぎれば
週末の夜には5日前のこと ....
春は唐突に、桜のことを思い出させる。
夏は積乱雲を、
秋は紅葉を、
冬には静電気を、
思い出さない。
それらのことを、別の季節には。
桜の並木道を抜け、
日差しを雲がさえぎり、
....
今日街で
出歩く人々の背中を見ていた
僕も 彼らの流れに分け入って
流れる方へと歩いていった
だけどどこへ向かっていくのだろう
ここではない 心の中で思う場所へ
だけど思いもしない ....
何度でもやり直してやる
かけてゆく月
満ちてゆくはずの月を
みあげている君と
足りないどうし
でも一緒にあるこう
少し休みませんか
あなた頑張り屋さんね
手が言ってるわ ヘトヘト
でもあなた泣いたことないね
どうしてなんでしょう?
少し前
金環日食の起こった年でした
....
わたしのさんまるさん号室
うさぎみたいなマットレス
とろりとしたクリームのシーツ
海底行きのソファ
銀のシンク
手足の伸びきる大理石のお風呂
では、ないんだよなあ
必要なものだけのさ ....
夜も寝静まった
時計の針の音が創る時間に
黒い廊下を歩くと
身体の重みで床が軋む
軋む
軋む
廊下全体が
さらには世界全てが軋んでいるようだ
哀しい
哀しみは重い
重く冷た ....
網膜を行き過ぎる詩語硬直の行列
心は、始めから無い表情を隠し
意味は美を名目に犬となって瞑目する
――沈黙するロバの耳
灰色にずっと燃えている虫はかすかに
茜色の玉を胸に ....
夜の芝生で
いるかは一度だけ跳ねた
手に拾えそうなほどの光が今日、
とおくの月やら星やら町やら、そんなものから
迷いこんできていたから、けれども
そのなかを泳 ....
生まれ変わっても一緒になる女の頬にご飯粒ついている
俺と君とがSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandのジャットの中
ゐゑゐゑゐるるるすきすきす
過去は逆立ちしたってかわんねー
でも、未来はどうだ?
今しだいじゃねーのか
理由がなんであれ
泣きたいときって
あるじゃない
管理職だから
泣けないのかよ
トイレの鏡の中
唇だけ不格好にキュッとひいた
情けない笑顔の俺は
無理の塊り
栄養ドリンク ....
隣に座る男が見えなくなるほど部屋に充満するタバコの煙
顔が見えたって同じこと ここじゃ誰もが手札を隠してポーカーフェイス
体にまとわりつく緊張感はここでのドレスコード
目の前で
たまらず首 ....
会うたび口と口の接触を求めて
幼少の感傷を口にして
汗ばんだ手で身体を撫でて
生物らしい声は遺伝子を震わせて
女は原始に戻った、と思った。
すいかはしゃべらないが
左手の柔らかいゴリラがしゃべるので
ししとうは講堂のすみに寄りかかり
ゴリラ君とお話をすることができるし
すいかの口がぷつぷつ動くのを
見ることもできる
それはおよ ....
黒い視線がデッサンを始める
その前に
匂やか印象だけを舌先に灯し
駆け引き
{ルビ張子=はりこ}のロマンス欲情田舎芝居
止まずに
降り続く冷たい天使の死 ....
なぜアナタたちは
ワタシに近づき
「愛そう」とするのか
全米オープンだけに
オープンな話をさせてもらうと
日本人の活躍を
喜べない人間が
名前からして
西コリア系だとかって
言い出しそうでさ
警戒してるわけよ
議会で議決されたり
....
テロリズムの定義を歪めた
罪を意識しない国家体制は
ここに確立されてしまった
国家の行う恐怖による
人心支配が正当化された
テロ「恐怖」とそれを行使する
国家体制が承認されたのだ
....
ライブ感の 高揚
紅葉の色彩感にも 負けず
移ろう時の雫を
抱きしめるかのような
音の波
いきものがかり
ネーミングが 面白いと
クリックしたくなる
どこかの ホームページ ....
月の
はっきりとした輪郭に
引き込まれて 狼狽えて
カフェオレを口に含む
甘くて、苦くて、ぬるくて
谷間に落ちそうだ
男同士のDVについて
検索したが
そんな相談に乗る場所はなかった
名前がないので
場所がない
場所がないと集まらない
集まらないと相談に乗れない
乗れないと白ける
白けると責められる
....
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