雪の降る日に、{ルビ姉=あね}さんは
半年前の忘れ物を取りに来はった。
今朝、思い出しましてなぁ。
そういって、姉さんは
その日傘を抱えて帰りはった。
なんで、こんな日に思い出したん ....
キミが放っておくから
ボクはすっかり錆びちまって
ダッシュボードの上は
白い埃が積もってるけど
ベイべー、雪合戦するほどじゃない
底意地の悪い奴は
どこの世界にもいるのさ
ヤワな雪玉に見 ....
その岸辺へとおりてゆくがいい
そこには優美な灰色の小舟と
一人の天使とが待つだろう
天使に導かれるまま
小舟に乗るがいい
舟底の{ルビ褥=しとね}に横たわるがいい
天使の接吻が
双つ ....
恋し焦がれるだけではまだ足りず
愛し慈しむだけでもまだ足りず
このあやふやな感情の正体に
名前をつけてしまうのは容易いのに
それを認めてしまうのはこんなにも容易いのに
たぶんこの歌を ....
煙草を呑んで
斗酒なお辞せず
早世した父の
生きざまを索めながら
父と同じ航跡を
たどっている自分に
ばくぜんとした
不安がそそる
眠れる
マグマのごとき狂気の
噴火をおさえる ....
それは
吸って吐くこと
味わい満たすこと
見て広げ
聞いて残し
記録すること
それは
比べること
競うこと
誰かを 傷つけ
誰かに手を差 ....
シャッターを切るスピードで
君の世界へおちていく
背中合わせのミラー
同じ色の空
放課後の忘れもの
校庭に長過ぎる影
蝶の羽根の折れる音が する
昨日の嘘を砕いたら真実の味がした
どうして自分を傷つけるのか
そんな必要はないんだ
月を殴れ
月へ手を伸ばせ
傷つけ血を流さなくても
流れているんだ
動脈静脈を流れているんだ
酸素を多く含んだ血液が動脈を流れ ....
ホールのショートケーキ
イチゴ全部食べたい
学校の週末課題
破って 折って 紙飛行機にしたい
好きな歌手のコンサート
私のために開いてほしい
たった一つのことを
たっ ....
どっちでもいいさ――右に転ぼうと、左に転
ぼうと、あの娘にフラれようと、はたまた結
ばれようと――全ては運命の掌がふったサイ
コロの数に過ぎないのだから
右にゃあ右の風が吹き…左にゃあ左の ....
どんなシーンで
死にたいか
いつも考えている
タイガーマスクの死に方が理想だ
子どもの代わりに
トラックにひかれ
死にいくなか
ポケットからマスクを出して
川に棄てる
誰も彼がタイガ ....
歩き続けた 探し続けた
自分が今どこにいるのかも知らず
歩き続けた
歩く足がないことに気付かず
探し続けた
探す手がないことに気付かず
歩き続けた
歩く体がないことに気付かず
探し続け ....
深夜――薄闇の部屋に
CDデッキの青い灯かりを、点けて
遠藤周作の母・郁が
遠い過去から唄う讃美歌を流した。
人より染色体が一本多い
三才の周は、高熱で寝こんでいるのに
一瞬――鈴の笑 ....
アルモノヲナイモノノヨウニ
ナイモノヲアルモノノヨウニ
カタルモノニカタラセズ
カタラナイモノニカタラセヨ
時の澱み
虚無の沼地
透明な不発弾
スイカばかり食べていた記憶の夏
....
ヒマワリが肩を組んで仲良しだ
熱にうかされて夢をくりかえして見ていた
数字には現実の数字と希望もしくは失望の抽象的な数字がある
当たり前すぎて現実と抽象はごっちゃになっている
....
あせくさい ふとんをほす
全自動洗濯機を 脱水まででとめて
せんたくものも ものほし竿にほす
しわを ぱんぱんぱん と 伸ばしていると
そこなしの青空に 笑顔がうかんだ
ひなた ....
全ての色彩から、全ての音響から、全ての芳香から見放され、僕はこの空の沙漠で下界に着地するすべを知らなかった。僕は太陽として余分すぎる存在であり、意味もなく光を放ちとても醜いので、いっそのこと夜 ....
あなたの舌使いは
いまいちだわ
と言う妻の要請で
最新式の舌を
購入した
ビックカメラで19800円だった
従来の上下動だけでなく
左右にも動くし
回転もするので
妻にはもってこいだ ....
この世間の狂騒
異物混入は真因ではない
異物混入なんてふつうのことだ
謝罪くらいで済まされるべきものだ
そんなことでは死なない
ペットですら死なない
原発のほうが問 ....
あ つい なあ
ここは
外は雪でも降りそうなのに
あなたはへばりつくシャツを脱ぎ捨てた
のどが渇く
錆びれた自販機
どいつもこいつも
熱くて べとべとで
なんて夢の塊
空に向かう様が 上手く撮れたショットだと
一人ごちる 夕方
窓の外は 選挙演説で 賑やかだ
歪んだ枝が 真っ青な空間を 駆け抜ける
その世界観を包むような 白いカーテンが
風にそ ....
薄暗い台所で
小さなボールを抱え
温めた牛乳を昔ながらの泡立て器で
けんめいに泡立てる
しゅんしゅんしゅんと薬缶が
今にも ....
あなたがラムネの瓶みたいに
硝子でできていたらいいのにと
ぼんやり思う
ラムネの瓶みたいに
ビー玉を包み込むみたいにして
抱き込む命
それなら少しはマシに思えるだろうと
豆電球の明かりに ....
¥777のレシートでガムを捨てる
風船の話題が膨らまない
きちんと 信じるべき唯一のかみさまを持たないわたしたちは
そして争うこころがわからない
殉ずるなら何に
死して何処へ行くのか
それはいつも朧気で
知らないことが
いつも対岸を火事 ....
統計上の誤差の範囲内に
隙間な く詰め込まれた宇宙の素体
橙 黄土
地球が双曲線状に裏返り
境界の反対へと反転を繰り返すときだけ
影がはっきりとみえる
衛星の発光
球体の宇-宙と ....
遠い海の向こうから
ようやくニューヨークに辿りついた
そして東京にも雨が降ったよ
うれしい
広島から長崎へ
ビルとビルが手を取りあい
血管と血管が結ばれて
無数の灰色の弾 ....
虫と花を行き来する羽
雪に重なることなく降りつづき
ひとりの食卓に積もりゆく
線の笑みに埋もれる部屋
まばたきのはざまの火と光
冬からあふれる冬の息
五人の ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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