雨に落とされた花びらが
重なってはりつく
しめった土の道
ふわりと香りがのぼる
君の口は堅く結ばれ
まだ何も語らない
しかし
その目はこちらを
しっかり捉えた
私も君を
し ....
やめちまえ
やめちまえよ全部
君の望むまま
何も気にかけぬまま
恐れなどない
後悔も存在しない
覚悟もないままで
恨みを吐いたわけでもない
やめちまえ
やめちまえよ全部
考 ....
弦におちゆく
悲しみは
ソリストからの
揺れ甦り
浜通りを
吹きぬけるのです
フォルテの
余響に
羽ばたく
哀しみ
オルガンに
重なるように
二胡がなく
哀しみよ ....
庭に遊び場があったころ
雨の後には水たまりが出来
蒼空を写していた
青空には雲が流れ
雲の中にぼくの顔があった
けれども
水たまりが有ると
ハンドテニスや長縄跳びが出来ない
早 ....
僕らは何度も長いトンネルを通るたび
耳がキーンとして 生欠伸をしたり 鼻をつまんだり
想い出すよ トンネルのたび 耳がキーンとするたび
元気でいますか
僕は元気とはいえないけれど
な ....
おやすみ言えぬ桜満開
夜の猫背の骨を抜く
酒に酔ったジジイが
タクシー待ちの列に
割り込んできて
俺の前に並んでいた
熟年夫婦より先に
乗り込もうとした
「おい、何をしてんだてめえ!ちゃんと並べよ!」
俺が穏やかに言うと
ジジ ....
桜舞い散るバス停の
ベンチに 二人座って
いつまでも 空を
見上げていた
いくつものバスを 見送っても
少しも
かなしくなかった
風に散りゆく 桜花
あとから あとから
....
回転木馬は 廻ります
ことくる ことくる
廻ります
まるで子供のように
陽気にはしゃぐ
あなたを 乗せて
回転木馬は 廻ります
ことくる ことくる
廻ります
あなたとの 初め ....
「傘なんか要らなかったね」
そんな風に笑っても
どこか気分が沈んでいるのは
心の霧が晴れていないから
空から覗く光が見えても
未来の事が分からないから
....
要らないものが多過ぎる!
下駄箱の中の履かなくなった靴
クローゼットしまい込んだ流行遅れの服
屋根裏部屋に放置された古い布団
断捨離にも体力が必要で
一日延ばしにする内に
どんどん ....
消し飛んでしまいそうな
この想いを
受け止めてくれる
熱が
そこにはなかった
冷たい水滴が頬をつたう
....
紙の橋
響きのなかに
消えかけた椅子
はらはらと
四角い影を残して
紙の羽
曇った朝の傾き
手のひらひとつの
まばたきとあざむき
雪が雪にわたす刃
....
あなたは私という平原を流れていく一筋の川
涼しい亀裂を走らせながら光として流れていく
あなたの源流はもう去ってしまったし
あなたの流れ着く海はもう干上がってしまったので
あなたは存 ....
絵の具がぶちまけられていた
字義ではなく文脈が読まれるべきだ
そう思いながら
僕は
誰にも見せない絵を描く
誰にも見せない絵を放つ
何処へ?
本棚の奥へ
埋め込んでしまい部屋を出た
....
豚を処理する夢を見た
腹が減っていたからだ
BBQにしてマスタードソースを
たっぷりかけたところで
目が覚めた
芳ばしい皮の匂いが
辺りに漂っている
身体が熱い
燃えるよう ....
うすっぺらいから日に翳せば透けてみえる
どっちが表か裏かも解らない
コインほどの厚みも
重さも
確率もないなら
潔くガラスになってみたら?
プリズムくらいなら
笑ってあ ....
ピアノ
ギター
出来上がったばかりの
僕が作った曲
....
ロケットみたいに
まっすぐとびます
余計なものをきりはなして
もっとうえへ
あしもとが
ぼうぼうもえて
それでもたかく
地面が恋しくなっても
たかくたかく
だって
....
嫌いなものを捨てていったら
自分が嫌いな自分だけが残った
空は眩いばかりの光に満ちていながらも知らん顔でもをしているようだ
胸の水面に浮かべた決意も
どこか夢心地のリアル
憧れに向け力強く背伸びするといふ
あすなろを想ふ
決して檜になれ ....
やわらかな月の宵に
ものうげなアルルカンがあらわれる
ここに来てくれてありがとう
匂菫の花束をあげましょう
少し遠くの霞んだ墓地では
姿のないコロスたちが歌ってる
アルルカン その歌に ....
散文は
徒歩
詩は
舞踊
散文は
直線
詩は
螺旋
ちぎって
つなげて
やぶって
なげて
言葉を排し
コトバの発現
記されるもの
しるしを授かる
....
桜の花に誘われて散歩するわたしの行く手の
立ち枯れた葦の叢から飛びだした番い
ギャッと鳴いて 慌てふためき 灌木の陰に潜る雉子
間違えはしない
登校した私を小学校の玄関で
毎朝迎えて ....
あなたの声が聴こえてきます
空は美しいと知ったのは
それから間もなくのことでした
あなたの声が見えるようです
雲に隠れていても
太陽の輝きはわたしを慰めます
あなたとどうして出 ....
ついさっき猫は
まんぼうと腕を組んでそこを曲がっていったよ
わたしはそれまで
とても孤独だったのだ
ひとりで はだしで ふるえて
ひたひたと沈みゆく一日を感じながら
なすすべもなく ....
うす甘い空気ばかりをあつめて
思い出のような恋をしている
ないものがあるかのように
あるものをないもののように
かき抱いた空気はおだやかにつめたく
わたしの根に雨はふらない
塾なんて無かった頃
塾なんて行く人もいなかった頃
赤い鐘が鳴っても誰も帰らない
誰も誰も
年上のあたしとY君はいつも考えてる
どうやればみんなが連れてくる
三才や幼稚園 ....
再放送のドラマは耳に煩くて
付けたはいいが直ぐに消してしまう
外には糸のような雨が降っていて
その柔らかさに若葉が震えている
下腹部に鈍い痛みが走り
私の身体にはもう少し ....
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