たてものにわたしは入らなかった
木の陰に立って 見ていないふりをする
たてもののなかで起こっていること
をわたしは知らない
なので見あげる
朝すきとおっていた ....
森の道を歩いていると
くるくると
糸を垂らした葉っぱが
目の前で少し風に揺られて
くるくると
じっと見つめていると
おもてうら少し色が違うから
綺麗にはためく
ぱたぱたと
わたしもお ....
私は貴方の事をよく知ってる
でも貴方は私のこと何も知らないの
だから少しのきっかけで貴方に話しかけられて光栄なの
でもね私に向けられた視線は貴方の少しの興味ではなく
睨みつけてきた女の子と目が ....
朝コンビニで女性銀行員の脚を見つつ、サンドイッチを温めてくださいと言うと、固まるバイトのお姉さんの瞼の裏にヤクルトレディが来る職場で働きたかったのにという来世邂逅の念がよぎり、振り返ると先ほどの脚は支 ....
肌が透けるようなTシャツを着たきみが
キッチンで小さな竜のぜいごを削ぐ
なんの予感もない薄暮の中
麦茶が冷えている
夕はんの後の散歩はいつも同じコースで
途中、24時間やっているあの店の ....
腹にダイナマイト巻いて寝ている
檻の中で寝ている
血に汚れて寝ている
夏の香りを雲の影に隠して
やさしい雨が夜を濡らす
切れ間からのぞく陽にきらめく
水たまりごしに見える
あなたが好きだった夏
思い出は遠ざかって行くけど
髪を揺らす青 ....
きのうのよる
上手いことたたまれて
押入れの奥へしまわれたのが
本心です
だれの
とは
言うまい
それで
足首には
いまどんな紐が巻かれてるんだい?
洋館のカーテンは
お ....
突きあたりを曲がってすぐ
煙草を買いに夜、走った
スカートの裾を翻して
街灯の容赦ない光りが
アスファルトを粉々に砕いていく
散らばった
思ったより寒かった
何も感じなかった ....
目的地はない
ただ衝動だけ
カッ飛んでいったGTーR
追うボクのコルベット
真夏の入道雲
気持ちいいもの
心揺さぶるもの
ただそれだけ
冷たい石の陰に身をひそめる蜥蜴
葉の裏で翅を休めるクロアゲハのように
公園から木影のはみ出している場所へ
車をすっと 滑り込ませる
小柄な老女が日傘をさし
現場作業員の日焼けした顔の向こ ....
耳元で囁く声が
鬱陶しい
俺のことを
人殺しだと言いふらしてやる
と言うのだ
俺には心当たりはないし
止めてもらえませんか
とお願いしても
人殺しのくせに
猫かぶりやがって
言いふ ....
南猫町駅前シャッター通りの裏道の角の隅にこじんまりと建つその名も高き「かねこでんき店」。
店主の金子タマ丸氏は電気起こしの達人猫でその燃料は「快感」。
タマ丸発電システムは消費者がタマ丸店主の ....
小さな小さな金魚鉢に入れられ
酸素を与えられて
エサはまだかと待ち
ガラスを叩かれては怯える
わたしから見えるモノクロの世界は
恐怖以外のなにものでもない
それでもわたしは
ひら ....
雨上がりのそら
草原に敷かれた鉄路
長大な貨車を曳く機関車が
ゆっくりと風景をよこぎってゆく
産業革命をささえた心臓が
風景のなかで鼓動している
そんないまではめったに在り得ないシ ....
僕は目を開ける
僕は目を閉じる
僕が見ていても
見ていなくても
それは起こっている
僕は目を開ける
サンタマリア
僕はただ見る
真っ赤な顔で
立ち尽くすその象を
あばら骨の隙間を
....
花咲か爺さん 灰を撒く
小さな島を照らしましょう
日本に花を咲かせましょう
鉄砲持って 海渡ろう
ハンバーガーを食べながら
見知らぬ人を撃ちましょう
大地を真っ赤に ....
今日も俺は社会の中で機能して
機能の回転を続けたまま帰途についた
街はみんな俺の味方だ
働く車、働く店に、働く街灯・信号機
働くこと、役割を果たすことについて
みんな平等で親しい ....
墓掘りの趣味は無いのに
目の前には
墓しかなかった
ちょうどそんな感じ
悪癖というヤツは
いくつも選択肢があるように見えて
どれでも選べるのだが
すべて
墓なのだ
金属を含まない猫は燃えるごみだから、透明の袋にいれてパッカー車が押しつぶす。
乾燥された糞尿と、二段ベッドと、聞かれなくなったCDと、硫化水素とかくはんされる。
クレーン操縦者の無慈悲で内臓は ....
ある古本屋に行きたまたま開いたページに
弱音が書いてあった
「苦しい」と
私はそれを買い、それに返事のようなものを書いた
「私もだよ」
それだけだったのに
なんとなく赤の他 ....
そろそろ、ね
白緑に
月は、補色を
暴走する。
身悶える
完熟
そろそろね
潤み、
空、が
表出して
未完、の
空豆ほろり
夕涼み、の
双丘
人生に勝ちや負けがあるのなら
僕は引き分けでいい
勝ったら笑えるけど
負けたら泣いてしまう
互いが同じ結果になれるなら
勝ちもいらない負けもいらない
人生に優劣なんてないから
半袖に変わった セーラー服の白がまぶしい
目を細めて見上げた空に 風は雲を巻いて
かすかな潮の香りが 広がる記憶に
連れていく 銀色の波が光る場所へ
裸足になって 寄せる波から逃げ ....
きみの瞳に隠れている世界のワナ
欺瞞の眠りを泳いでおれは
夜が明けるころには疲労困憊さ
キャロットとハチミツでこしらえるジュース
チーズを存分に溶かしたトースト
FM ....
別に嫌いな訳では無い
でも現実から脱却する上では
そうするしかなかった
そうしなければならないと思った
そして、
彼と別れて
3ヶ月
目の前にあるのは
でこぼこのコンクリート
常 ....
アメリカにはバニラスカイって空があるらしい。
姪と散歩していたら遭遇した。
「あんなにおいしそうな空(絶句)」
というのでスターバックスでバニラクリームフラペチーノを食べた。
家に帰って妻 ....
さかなの匂うまちから 黒い袋を抱えて
私は電車の座席にすわっている
黒い袋をおさえて
乗客の視線が私の膝の上に集まっている
おさえても おさえても 黒いゴミ袋が飛び跳ねるのだ
まだ生きている ....
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