もう既に壊れてしまって
散り散りになった家族は
皮肉にも
決壊した鬼怒川に
自分たちの家が流される光景を
目の当たりにすることで
再び絆を取り戻すのであった
脚本
東山田太一
主 ....
私から、
なにかが抜け落ちている。
そんな気配がして
足元を見ると、
枯れたことばの欠片たちが
犇め ....
ヒトラーが選挙を経て
あの立場についたこと
知ってか知らずか
無条件で民主主義万歳等と
叫ぶ奴は
頭からポリ袋被って
独り毒ガス室遊びでもやってろ
てめえが実生活で上手くいかないこと ....
いてくれたから
保っていられた
どうしてこんな簡単なことがいえなかったんだろう
くれた景色を
一つ一つ紐解いては紡ぎ直す日々
繰り返す戯れ
相変わらずの鼓動
どこに行 ....
午前四時
デスクライトに集まる仄明かりを
指でつまんでは
窓から捨てた
けれど
捨てても捨てても
それらは群がり
夜は徐々にまみれてしまう
冷えている
二度目の底で
私は起 ....
君の後ろに抱えているものを出して御覧
今は今だろうなんて
都合のいいことばを
バックグラウンドなんて
知ったこっちゃないぜって
言いながら
見えないそれを暴きたてたいって
舌なめずりして ....
『物差し』
幸せとか、不幸とか
いったい誰の
基準で決めるのですか
その基準となる物差しを
いったい誰が
持っているのでしょうか
あなたですか
神さまですか?
『 ....
私という息継ぐ存在
他者という息継ぐ存在
ふとした縁で繋がり
連動し始める
この驚きよ
(四日前に
突然の大動脈破裂で死んだあの人は、
俺の身代わり
生きて生 ....
キスは
するとされる より
するとする が、いい
星座にはいれない星
そう、惑星
だからなのか
惑う星たちは
互いに近づき
時には
並んだりもする
だが、別れには惑いがない
月を挟み
それぞれ ....
人間より先に見つけ、巣まで作ったのに
私達の住んでいた場所は汚され
そして壊されてしまう
そうやって人間が全て変えてゆく
いつだって都合のいいように
人間じゃない私達は居場所なんて ....
海岸沿いを走る車は、山道に入り
坂を上る、木々の葉群の隙間に
一瞬、輝く太陽の顔は覗き
夜の列車のドアに凭れた窓から
ふいに見た、夜空に浮かぶ
ましろい盆の月は夜を照らし
――昼も ....
飽和する甘いオブラート
懐柔されて充満していく
欲求に素直な人々
伝染する好奇の眼差し
「あのそびえ立つ積み木を君は壊してしまうの?」
積んでは崩す
作っては壊す
その瞬間が心地 ....
手のひらをじぶんのほうに向けてばいばいするあの子、ぼくのばいばいの手のひらの向きを子どもの悪戯みたいに真似て、ぼくに手の甲を向けてばいばいするあの子、ぼくとじぶんにばいばいするあの子、ぼくとじぶんにば ....
そうだ、あの雨の音が聞こえるうちに、反響する雨粒たちの木魂が消え失せてしまわぬうちに、おれは正解を忘れて行き止まりの路地へと迷い込もう、その路地の終わりを見れば少しは休 ....
霧が晴れてきて
欲望が薄まっていく
乗り物を降りると柔らかな
雨が降っていて
誰の目にも留まらなかった嘘の
端の
方が溶けかかっている
鳴り出した音が消費されるのと
同時に薄汚れた布が ....
はがれないように思いを
必死になって押さえていた
ぺろんぺろん、ぺろんぺろん、それはもう
いつはがれてもおかしくはなかった
時はただ過ぎていく
育まれては
壊れ ....
あなたはとても優しい子
3歳の時のあなたに、あなたの義父に日常的に殴られているのを見て
とても悲しい顔をしてました。
あなたの脳に刻まれたかもしれませんね
そして、一生懸命忘れ ....
バッグは牛革製が
一番なのを
忘れないで欲しい
もし私への
贈り物が
人口皮革だったら
あなたの命はない
つまり牛革、命、だ!
その後
仲間の大半に
総括を命じ
裸で縛り ....
季節は容赦なく 黄昏を早める
暮れなずむ街頭に キャバクラの呼び込み
ラインを際立たせる タイトなミニのワンピースで
道行く仕事帰りの おじさん達に声をかけている
下心に乗っか ....
私は今日もぼんやりと散歩した
池袋へ いつものルートを
私の 心の疲れを癒すために それは
だけど それは誰のためでもない
歌の詩を書いていて
思っていたが 歩いた 躊躇せず 出て行こうと ....
賑やかな祝祭は
終わり
各人は家路に着いた
人の優しさ
温もりが
泉のようにあふれでて
懐かしい人の
胸を満たし
小さかった人は
見上げるような大人になり
いたわられる人となって
....
水面から生えた電柱
いつか見た風景
絵だったか
写真だったか
晴れ間だけが平和そうな顔をして
平和だって言うんだ
いつか見た風景
濁った色に取り残される
知った顔で何かあった何もな ....
ことばを持たないのに人と呼ばれるものの
イメージがわかないのはことばを持つもの
が人だと刷り込まれすぎているからだろう
か窓の外には川の上を滑るカヌー乗りたち
とテニスコートのプレーヤーたち目 ....
無差別殺人の
テロリストは怖い
部屋でゴロゴロして過ごす
無気力なゴロリストも怖い
お互い明日を信じないし
命を無駄にすることを恐れない
「いずれゴロゴ13と呼ばれるのだ」と
....
知識は覚えるものではなくなった
検索ソフトでカンニングできる
経験は味わうものではなくなった
検索ソフトでシミュレーションできる
感性は生み出すものではなくなった
検索ソフトでコピー ....
思いついた言葉がスター
もっと言って もっと言って
そのリクエストにお応えして
それらしい言葉を並べて
からっぽの歌を紡いだら
まんまとバレて
君は泣いて きっと泣いて
君は押し黙ってし ....
この静まった秋の日に
一枚の紙を机の上に広げれば
過ぎ去った春と夏
来るべき冬とが集まって
一年間の物語が告白され
あなたに宛てられた
自然界からの手紙が
書き落とされるだろう
....
そうね
たぶんね
って言えるくらいが
素敵な関係なんだろう
わたしの都合
ぼくの都合
は行ったり来たり
のくり返し
わたしの願望
ぼくの願望
は力関係で一方通行
ただ ....
天体から産み落とされた丹色の液体を孕んだ肉体は
素粒子の集合体だった
解体されるのも時の問題であって
簡単に片づけられてしまう
残されるのは凝固したモノクロ写真だけかもしれない
土の色
....
1559 1560 1561 1562 1563 1564 1565 1566 1567 1568 1569 1570 1571 1572 1573 1574 1575 1576 1577 1578 1579 1580 1581 1582 1583 1584 1585 1586 1587 1588 1589 1590 1591 1592 1593 1594 1595 1596 1597 1598 1599
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