言葉の空には
二本の虹が架かっている
一本は物から伸びている虹
もう一本は心から伸びている虹
二つの虹は交錯し
その部分の色は
一際濃くなっている
そして
物に近ければ
....
夏に
その場所に貼りついて
そのまま
息絶えた
ひとりの蛾が
いつしか淡い影となって
冬には、なくなった
それはありふれた風景だったし
毎年のように
繰り返さ ....
舌戦は凄まじかったし
リング上でもボコボコに殴り合っていた両者が
僅差の判定で 勝者と敗者にわかれ
汚い手で握手して抱擁するときに
がっかりするようなひとと
永遠にゴングの鳴らないリング上で ....
本屋の倉庫で縦横30センチあるかないかのすき間に両足をそろえ腰を下ろし一心不乱にバーコードを読み取っていた 非文明人がはじめてやるテトリスのようにだいたいの本が気を失っていた おれはそのひとつひとつに ....
熱流入、
自らに与えられた円還は
自ら綴じなければならない
神経ノイズ集積としての己
あらゆるノイズに揉まれて
熱流出。
愛・進化
キンタマ王子やすしこと
キンタマ王子清介は
サンタクロースを装って
深夜の民家に忍び込んだところ
薄目を開けて待ちわびていた子供が
大喜びで
抱きついてきたので
その勢いのまま
ブレー ....
晩祷を捧げる夜
聖橋を渡る人々が吸い込まれてゆく
鐘が静かに鳴り響き
賢者を祝う
まるで葬列のように
厳かな夜が果てしなく続く
わたしはわたしの世界を見る
薄ぼんやりとした世界の表情を
いくつもの闇の交わり
いくつもの光の温もりを
わたしはわたしの世界を見る
とぼけた朝の鋭敏な世界の景色を
悲しみの重なりや ....
紅蓮の業火が背中を焼き
腹は氷雪の海に閉じ込められている
隻眼の瞳は目指す方角を失い
同じ海域をグルグル周り
砂浜にたどり着くことは無かった
父母の名前を呼ぼうにも
卵から生まれたぼくは
....
ハッピークリスマスイブとまだ
誰にも云っていないイブ
陽光が不安定な
そとを想う
と、光りがこの部屋に訪れた
わたしはしあわせの意味を視る
光りの色は光り色
あなたの骨の、色のその次 ....
おばあちゃんは
クリスマスパーティに呼ばれたからいくといいました
なにを持っていくの?ときいたら
ごぼうを持っていくとこたえた
今朝ほりだしたから
お正月につかえるだろうからと
土 ....
いまごろになって
やっと
起床直後の呪文が
癖となった
仏壇にたてかけた
亡妻の遺影に
「おはよう」と
口 ....
どんなに 綺麗な 夕焼けも
夜に なって しまえば
眺められなくなって しまうから
鳴って くれたら いいのに
「これから 夜が 始まりますよ」
そんな 合図だけ
待ち焦がれてる
....
浮世で築いた財の金ぴか
光る像は空のかなたへ信仰つなげ
天から光るのは太陽のような祈りのような
白い雪が螺旋に降りて
駆けあがる道を天までつなげる
祈りが届いたのなら
独り者だとか問わ ....
真鍮製の羅針盤は
あまりにも正確な方角を示し
一等航海士は舵輪をゆっくりと回し
船長は満足な頬笑みを湛えていた
明日は金曜日だから
今夜のメニュウは
特製のカレーライス
久々の上陸に ....
口に出して言えない心に
一体どんな意味があるだろう?
渡せない恋文で屑籠は溢れ
伝えられない言葉なんて
消えて無くなって終わりじゃないか
温めた卵を踏み潰して
醜い吐瀉物が見え ....
クリスマス限定の白いチョコクロがある
でも今日は黒いチョコクロの気分だ
女子大生の隣の席に座ると女子大生はすぐに立ち上がって帰った
たまたまだとは思う たまたまだと思いたい
被 ....
まわりに誰もいない日に
私は少しだけ外に出た
ティッシュペーパーを買うための少しだけの外出
それは なぜだろう 小雨の降るこの寒い日に
本屋で雑誌を立ち読みする私
本も商品も手 ....
いつものように
信号が赤から緑に変わって
歩き出して
家に帰っているよ
まだ君の香りが少し
残っていて
もったいないし寒いしで
窓も開けられずにいるよ
最初はちゃんと感じてたのに
....
鳥が鳴く
鳥が翔ぶ
熱く
嗄れるまで
郊外の神社で
あの頃のポーズ
丁寧なルーティン
約束のドタキャン
工場の横を過ぎた
ブックオフの横を過ぎ ....
私がそう叫んだ瞬間に
母はビルの屋上から飛んだ
最近、大人達がよくビルの上から飛ぶ
1日平均で300人飛ぶ
どこにそんなに人がいるのかと
思うが
そう報じられる
そう報じたニュースキャス ....
呼ぶことのない
部屋のテーブルには
ざくろの 割れた実が ひとつ
むくれている ざくろには
いくつものやみがあって
そのうつろに
赤黒い眼がおさまっている
ざくろの実に
穿かれた口 ....
切りつけた樹皮のような皮膚からの
血の疾走が止まらない。
血は螺旋になった虹のように、
この腕を伝いおりていく。
かたかたかたかた、
血の足音が三半規管を通過して、
押さえられた手のひらに ....
近頃は
スポンジだけ売ってるから
前の日に買っておいたよ
キッチンで一緒に
クリームあわだてたね
絞り袋なんて
使うのはじめてだったから
ちょっと失敗して
大笑いしたね
....
最後には閃光、そしてエンドクレジットになるのだけれど、胃のあたりですっぱくなって、のどの奥から舌の上、牙と牙、唾液のにおい、鏡の向こう、気づいた時にはすでに遅い、そう気づくまえに服を着なきゃいけない。 ....
冬の色をしているものとは他の色を探したけど
他にあるものといえば日差し
その日差しさえどこか高音に瞬いている
命に{ルビ値=あたい}はつけられない
つまりものすごく高価な値って訳だ
生きる値もない奴だって
持っている命の値は計り知れないお宝さ
故に人は高価で尊い
かけがえのない命というものが
こん ....
一時寒くなった初秋が過ぎて
再び訪れた夏日の朝
何を血迷ったか朝顔が起き出してあたりを眺めている
なんか気の合いそうな方が芽ぇ出しとりんさるがな
おみゃさん ひょっとしたらゴーヤさんやない ....
一旦強い言葉を発すると
優しい言葉や
弱い言葉では物足りなくなって
どこまでも
際限なく強い言葉を探してしまう
言い切ったと言う感覚が
後戻りさせなくするのだ
優しい言葉や弱い言葉ばかり ....
君が○○だ!
それは、決して軽はずみに口にしてはいけない言葉
君との距離が遠くなってしまいそうで…
君のその微笑み、その眼差し
君の事が、いつも頭から離れない
気 ....
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