ワタシハココニイルヨ。
明け方にピアノの純音は吐息を白く染める。
真冬のキャンバスに描かれた森の中で、
幼い少女が光の帯に包まれている。
誰かに見つけてほしいのだ。
....
嘘を重ねた悲しみが川面を伝う。
橋の欄干は赤錆びて、真昼の幻想は鮮やかだ。
夢見がちな私の瞳は川岸に佇む鴨を見て、
何も聞かないあなたの瞳は私の真実の気配を探る。
あなたは何 ....
愛をください、と果てしない緑の淵からため息がこぼれた。誰に聞かせるつもりもなく、ただ朝露の澄んだ輝きの中に溶けて砕けていけばよかった。崩れた愛でも壊れた愛でも屈折した愛でも、それが愛である限りここに定 ....
か細い心が揺らぐ
思い思いに巡らした恋人は
誰一人こちらを振り返りはしなくて
誰一人判り合おうとしなくてもどかしく
それまでのような思いが張り詰める
毎日のように当たり前に逢って
それでも ....
祈るべき存在は何かと考えた
泡の向こう岸に見えるは微かな光
夜になって 暗くなるのは 当たり前
昼に月が恋しくなるのと おんなじ法則
だから お前は 何にも気に病む必要など
無いのだ と 呟 ....
この町は空き家だらけ
厚いカーテンに覆われた部屋に
どんな悪霊が潜んでいるだろうか
鱗の生えたやつだろうか
歯は一本残らず抜け落ちて
豆腐のような歯茎で電気を吸う
(そして、夜になると
....
ベッキーが独占していた
ハーフタレント枠争奪戦に
あのゴールデンハーフのエバが
名乗りを挙げた
今は亡き川島なお美に
だん吉、エバのおまけコーナー!を
奪われてから40年
ついに復活の時 ....
なんとなく
気配を感じて振り向くと
君は精一杯まん丸い目をして
じっとこちらを見つめていた
一番好きな映画の
一番良いシーンを横目で追いながら
僕は君の真っ直ぐな視線に負けて
し ....
暗い部屋で見えるものはただのパソコンの液晶です
そこに僕はカタカタ文字を置いていく
こそばゆい様な待ち時間をこうやって
僕はカタカタと文字を置いていく
恋人を待ち続けてすっかり暗くなってし ....
僕は長らく病気を理由に生きるための義務を放棄してきた
本当にその義務を病気のために果たせない人はいるけれども
僕には少なくとも自分のそういった都合のいい理由を幸いにして
非情にも周囲の労働に喘ぐ ....
平均余命が 一桁となって
諦観の半旗が たれさがるなか
いまさら なにに
こだわり とらわれ
とまどっているのか
過ぎ散ったかげぼうしは
は ....
とある強迫観念から
色恋沙汰から離れて数年
が経てしまい未だ恋愛小説が読めずにいる午後
デ・クーニングなる画家の記事を見つけた
クーニング、クーニング聞いたことないなまた東京か
等と他愛のな ....
19までは10代を満喫。
10代を懐かしむのは21まで。
29までは20代を満喫。
20代を懐かしむのは31まで。
39までは30代を満喫。
30代を懐かしむのは41 ....
抽象的なことや人の言葉を使っては
心を隠し
トゲトゲの盾を振りかざしている君
だけどね
君の弱さや優しさは
いくら隠そうとしたって
僕は気付くから
僕はここから動 ....
昨日 会った 友達と 池袋で
二人で ラブホテル街の中を歩いた 彼と
歩いた この辺りは まだ来たことのない場所だと
それから私たちはマップで調べた喫茶店に入った
何も考えることなくマップ ....
ら行を言おうとすると
舌が過剰に動くため
聞いているこっちは
キモチ悪さで
話に集中できない。
まあ、言ってる中身も
キモチ悪いので
いずれにしても
聞かない方が
いいとは言える ....
無為が高貴に輝く真昼
私も一つの無為となって
一つの細胞も残さず輝いていこう
無為が潤沢に波打つ真昼
私も無為を周囲に放ち
虚無をどこまでも伝播していこう
無為はどこからともなく降って ....
高い山奥深くや人里離れた小高い山の
急な斜面から緩やかな地層から
沁み出した雪や雨の一滴の水が小さな集まりとなって
峡谷を形成しながらその狭間を流れはじめる
その流れは数年 数十年 数百年 ....
夢のなかで再び出会う
記憶に眠る人々
言いたいことはわかっている
本心で語り合えなかった
一本の道は遠い
新たな物語は続く
食べきれなかった皿の上
嘆き悔いても仕方ない
哀しみ ....
米を研ぐ
それは繰り返される日々の儀式
手のひらにあたる米粒はかたく
米どうしがぶつかりあい
じゃっじゃと音をたてあう
このかたいひと粒ひと粒 ....
やがて降る雨は
僕らを同じ軒下に
やがて吹く風は
僕らを同じ吹きだまりに
やがてくる夜は
僕らを同じ街灯の下に
誰もがなにごとか為そうと
足掻き今日も過ぎてゆく
とうに同じ空の下に
....
今日は木曜日。だから木曜日のテンションで、みんなルーチンワークで鍵をかけて、JRに乗って、動いたり、生きたりするね。システムだ。ライフイズシステム。透明な機構。二月はまだ冬の正しい ....
アスファルト
誘う
アスファルト
瞬く
水銀灯に照らされて
ちかりちかり
星座を忘れた
空のため
空を仰げぬ
者のため
何度も何度も
....
朝の通勤
自転車こいで
なだらかな道を走る
眠たいけれど
冷たい空気が鮮やかな気持ち
すいすい流れていくと
綺麗にしっぽをたてて
ゆうゆう猫が散歩
うしろから
お爺さんが紐でつな ....
唇にできた黒い証を、
たくさんの指が掠めていった。
黒い証は、
誰の手にもぬぐいされはしなかった。
ある日、
舌に同じように、
黒い証を持つ人に出会った。
彼は私の唇を目で掠めていっ ....
父に趣味の悪い映画をプレゼントした、ら、彼はたいそう大事にそれを観てくれたので、ああ皆が皆年をとったのだと分かった。
白髪が増えて禿げてきて、どうしょうもなく可愛らしくなっていく父は、棚卸しで息子と ....
ある盲目の糖尿病患者は公園に捨てられた。
医療現場という受け皿で”あってはならない事”ではあるが、
数えきれない孤独とエゴとが、只の人を翻弄する。
誰が己を選べるか。
戦争の有る国 ....
硬質な
紙片ではない
タクシー
そして
という語の
尻だけを追って
山猫
観葉植物としての
わたしは
遣られている水の ....
たくさん咲いたツツジの花を
一つもぎ取って蜜を吸う
甘いツツジの蜜と
苦い緑が鼻につく
俺の父親は普通の人でした
俺の母親は普通の人でした
俺も普通の人でした
俺は何者でもあ ....
みんなに共感される詩を書きたくない
価値観の違いからペンを走らせ
不条理の中で1番の理想を追い続ける
なんで、なんでだよ
死んでから評価される
売れるまであと1つ武器が欲しかった
....
1456 1457 1458 1459 1460 1461 1462 1463 1464 1465 1466 1467 1468 1469 1470 1471 1472 1473 1474 1475 1476 1477 1478 1479 1480 1481 1482 1483 1484 1485 1486 1487 1488 1489 1490 1491 1492 1493 1494 1495 1496
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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