雄と雌は縁によって出会い
染色体を与えあい
永遠の生命に祈りを捧げ
髑髏本尊まで作り上げてしまった
隠微な美しさに捕らわれ
源流を遡れば
月の光に浮かぶカーマスートラが観えてきた
た ....
燃えている
あれは、
もしかするとマグネシウムホイールかもしれないね
二本の轍からオレンジ色の閃光が突っ切ってくる
反照で人々の表情はエジプト壁画のように、平面化したが ....
もう僕はくよくよするのをやめることにした
だって空には太陽がある
僕には信仰がある
希望があるじゃないか
多少のことがあったって哀しむな
あの絶望を乗り越えて来たじゃないか
絶望こそが希望 ....
定期便さえない南の離島で
ひっそり平和に暮らす家族も
獣道のような細い山道の奥に
密かに暮らす人々も
二十一世紀は容赦なく襲いかかり
その存在を世界に知らせてしまう
ここに珍しい十八 ....
目覚めた太陽のなすがまま
空に碧が滲めば
白く佇む月の裾
星々の瞬きは囁く
青い空の底
ここにいるよと震えてる
夜の帳の幕間にて
隣り合う僕らの遠さを知らず
彼方を見ては羨む
....
イヤな奴
私はイヤな奴だから
心と反対の言葉が
口から飛び出す
もうしらない!
会いたくない!
私はイヤな奴だから
心と反対の想いが
頭の中を駆け巡る
意地悪しちゃえ ....
手が届かないと分かっているものには
本気になったりなんかしない。
同じ土俵に立ったりしない。
立とうとも思わない。
意地をはったり
悪態をついてしまうのは
さっきまでこの手 ....
隣の塀とうちの家のスキマに
新緑を伸ばしてくる
まだ若い紅葉
窓から枝の先が見えるようになった
そこ、狭いだろう?
って聞いたら
あなたを見ていたいのです
と、軽やかに揺れた
....
工場の機械音が
漏れ出す倉庫裏で
地面を見ながらタバコを吸った
同じように目を伏せた人は
フランチェスコに似ていた
休憩が終わる前に鳴った電話は母からだった
「アンタ毎日何 ....
好きなタイプは貝類
閉じた貝を
そっと見てるのが好き
何を抱いているのか
時々油断して見せてくれるような
葉桜の並木道を一台の霊柩車が行進していくのは
28℃
「にじゅうはちどしー」
と、略さずに呼びたい一日
の真白い光
噛み砕くと
腐った果実のにおいが広がる
※
額から垂 ....
ゆびきりげんまん
嘘ついたら
花千本贈る
ゆび切った
バラ千本よ
謝っても元に戻らない
嘘をついたから
バラ千本を贈らずに
飲むことにした
針千本より痛くて
たぶん死ぬと
....
占いを占う占い
予感が予感で終わる予感
現実を現実と思えない現実
過去を過去のものにする過去
私を私と思わない私
病気のじじい
働かないじじい
そのミックスじじいが
世の中には大勢いる
家族にとっては
一応家族の一員だし
昔ながらの親子の情とか
夫婦の情もあるので
ギリギリ受け入れているが
一歩 ....
鏡を覗くと、
影の目がこちらを見ていた。
私も影に視線を返した。
すると鏡から影の手が伸びてきて、
私の輪郭を包み込む。
*
黒い塀がどこまでも続いていた。
私はび塀の向こうの世 ....
灰色の吐息がテーブルに満ちて
苦い珈琲が過去の想い出をたちのぼらせる
壊れた砂時計は絶えることなく
細かな砂を落とし
窓辺に佇んでいた
なかなか来ないオムライスを待ちながら
煙草を吸い ....
自転車で新緑の道を走り抜ける
今 私は
思い出のようなものを 確かに
感じている かつての私に
この街を通り過ぎる時
働いていた時に通った あの店も
この店も 今では
まるで ....
見慣れない鳥を見た
あとからそれがカササギだと知った
あたまの良い鳥だという
どうりであたまが大きかった
白と黒 翼の青
尾羽はすーっと長い
見栄えのする鳥だ
カササギは落ち着いていて
....
冷笑しないでください
卒寿(おいぼれ)ともなると
ゆめとのぞみは萌えにくいのです
青い年
とちがって・・・・
謳歌はうまく唄えないのです
赤い「根明」(ねあか)の齢(よわい)
と ....
穏やかな気持が欲しいと
思うこともあるけれど
大抵いつもはそんなことを忘れていて
焦燥し、憔悴し、
喜怒哀楽を誇示して疲れ
沈んでみたりする
ターコイズブルーの湖、三つ
ねっとりと動かず
こんもり黒々とした山々の頂きに
ぽっかり ひっそり
横たわり広がり在る
(空は妙に白く透き通り
皮膜の裏光り)
湖は波 ....
庭木がかもしだす
日陰と日向が
その鮮明度を増し
遥かに漂っている
卯月の雲も
田の草月に移行するとき
いままで眠っていた
老残の ....
私が愉快に過ごすため
お前は常に微笑んでいよ
しあわせだけ感じるよう努めよ
不安や悩みがあったとしても
口に出してはならぬ
私が退屈せぬように
お前は笑われよ
そのために
貧 ....
昨日 私たちは
ぶ厚い夏の憂いの底で
椅子に座り 黙って紅茶をのんだ
西友で買ってきた安い{ルビ氷菓子=アイスクリーム}を
紙スプーンで交互に食べて
....
破れて捨てた
いとあはれ
おまたスースー
いとをかし。
朝、鏡の前で溜め息を吐く
ぼさぼさの寝癖
昨夜の風呂上がり
ちゃんと髪を乾かさなかったから
毎朝後悔する
今日こそはドライヤーかけよう
でも忘れてしまうんだ
所詮そんなもんなんだ
....
じじいがすべきことは
自らの魂を葬りさること
残飯のような人生に
終止符を打つこと
それが出来ない者は
静かに息を潜めて
自然が解決してくれるのを
じっと待つこと
肩に力の入った割 ....
*
ファイブ・ペニーズ
ベンチ
耳を澄ましていた ただ耳を そっと
じっと 動かずに
夜更けの三時に誰かが夕食をたべるときも
そっと ただ
噴水の音だけを聴いていた。 ....
真夜中の吉野家で交わされる言葉は
注文の確認と意味の無い独りごと
あんちゃんの特盛に積み上げられた
紅生姜が紅く眩しく
豚汁に漬物を飲み込む
どこまでも
どこまでも
食べられる腹 ....
天国と地獄の門にぼくはノックした
迎えた顔はどちらも不可解な顔で
ぼくを眺め
ようこそと迎える
恐ろしさはどちらも等分で
いらっしゃいませとは言われたものの
ぼくは戸惑いながら
取り ....
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