風見鶏が風を懐かしむ
正気の証し
私は午前九時に
靴の消滅に気づき
足の寛解を望めぬまま
五月は終わらずに
立ち竦むための
言い訳と
木香薔薇の
繁茂がかなう
塀を求めて
愚図り ....
ん、まま、ん、ま
んまんま、うんま
なんだか疲れた
ん、まま、ん、ま
んまんま、うんま
でも休めない
ん、まま、ん、ま
んまんま、うんま
まだまだこれから
ん、まま、ん、 ....
私の中にある
形にならない感情や
まだ芽を出さない言葉の種
これらすべてを伝えきれたなら
その時 何を感じるだろう
すべてを伝えきった時
そこにあるのはなんだろう
満ち満ちた感覚だ ....
ニューヨークのグリニッジビレッジのレンガの道を歩きながら
あの日私が描いていた 夢 しかし
秋のことだった よく茂った
まだ緑色の葉が揺れる
私は一人で木陰を歩いていた
思考は正確性と客観性を失い
分裂的な生真面目さを完全に喪失する
私は今、循環している
私は今、循環している
目の前にある景色に
耳に響く騒音と噂話に
掌の感覚とドラマのように過ぎる場面 ....
自らの性格は変えられない
自らの運命は変えられない
自らの過去は変えられない
だから、私は今ここにいる
幾つもの不変の行動が
幾つもの不変の思考が
到達点に辿り着こうと喘ぐ現実に
幾つも ....
8月の太陽は逃走した
地面の日照りは俺達の熱気である
俺達の熱気は俺達の病でもある
今日の夜、世界は止まる
回ることを、刻むことを、変わることを放棄する
それは血の熱情が権力へと歯向かう ....
タツノオトシゴよ 台風に乗って疾駆せよ
まだ見ぬ父を夢に見て
ゴッドジーラは堕落しない正義の味方などに決して
熱線を吐いて世界を滅ぼせ
タツノオトシゴよ 敗北を振るい落せ
舌先の魔術 ....
あなたと歩く
直径数十センチの
小さめな円の下で
あなたと語る
今日起こった
些細な出来事について
あなたとふたり
直径数十センチの
青い傘の下で
周りから少し雛 ....
ぼくはかまってちゃんで
人生の時期的に調子に乗っていて
人生に後悔があって
変わろうとする自分に期待していて
結果も過程も ほめてほしい
つよくだきしめて!
....
素顔で
詩人ですなんて
恥ずかしくて
言えないだろ
だから
目出し帽に
上下黒のジャージ姿で
朗読会を開くとかさ
その姿で
感動的な抒情詩
例えば
ホテルで出会った
4 ....
今日も
全ての偶然と必然に感謝している
この手はまだ宙を掴むけれど
大切なものが君へと届き
どこかで繋がっている、
そう信じたい
憂鬱な夜も
全心全力で越えて生き続ける
この胸 ....
私が水の娘だった時
その人が私に望んだのは
夕暮れの淡い光に満たされた
一枚の
黄色い風景画となること
郷愁のような安らぎをもたらす
穏やかなさみしい静止画像
額縁に収まり切れない私 ....
毎日のように終電で帰ってたあの頃はどこも
かしこも閉まってるなかあそこだけは開いて
てホント助かってた十五台もあるレジは一つ
しか稼働してないし店員がいなくて卓上ベル
で呼びだすシステムだなん ....
まゆとまゆを繋いだたおやかな峰に
みえるいくつかの不均衡な螺旋機構
きみとあなたの感情とことばの辺縁に
ひそむ約束の不特定で不埒な内省模様は
燃えつきそうなとおい炎のような
自前の足 ....
ぼくは映画監督になった
イメージをノートに書きとめる
脚本も手掛ける
音楽はピアノの声
翼のように軽いタッチ
役者には細やかな指示をメモでわたす
映画は光と影
....
マリ男は夜に孤独だった
まだ趣味はある
写真が好きで
朝焼けと夕焼けにシャッターを
押すことを繰り返していた
一人旅をよくした
数少ない友人たちは家庭を持ち
それぞれに
関 ....
シロツメクサは冷たかったよ
首飾りにも冠にもなってくれなかったよ
あたしは摘んで摘んでいくども
あきらめて撒いて
風に吹かれて飛んで行ったよ
あたしのお願いは、ついに
どこかの他処へと飛ん ....
八月も終わる
随分忍んできたし
終わる、との約束も
懺悔とともに乞うてもいて
赦されて
けれど
その{ルビ件=くだん}の神は属さない
どこにも椅子を持たない
朱のはずだった捺印が
今 ....
160824
昨夜安部首相がマリオの姿で土管から顔を出し
鞍馬から牛若丸が出でましてと落語の台詞を言ったとか
それを聞いたマリオは怒ること怒ること
新しい知事さんも ....
覚えているの 二歳の頃を
趣味が公園探しで バケツとシャベル持ってふらふらと
帰る、ってことを知らなくて
お母さんを信じていました
覚えているの 四歳の頃を
幼稚園で初めての絵を 先生に ....
耀う光のなか 疎らに枯れだす芝生
なにを疑うでもなく
彼女はそこに寝そべり
湧出する表層にみをあずけて
こちらをおもしろそうにみつめている
薄絹のみなれないスカートを
潮風にさらし
....
やさしさのかたちは人それぞれだから
やさしくされていないと感じたり
やさしくしていないと思われたり
そのうちわかりあえるかな
わたしなりのやさしさを あなたにあげると決めた ....
雨と熱気で楽しい気分になれた気がした
いくつかの歌手のステージ ずぶ濡れの私
そして拳を振り上げる私はカッパを着ていた
普段 あまりない そんな経験は
日常は殺風景なオフィスで ....
夏の夜の風鈴の音は
少女の細い髪に吸い込まれた
憧れていたものを忘れて
漂っている 闇の隙間
みんな帰った後の音楽室で
ピアノを弾いていた
早く帰らなきゃいけないのは
わかってい ....
真っ当なデイモン
全うしてる
待とうとしてる
星の間で羅針盤をなぞりながら
真っ当な答えが来ることを
的を得たデイモン ....
ぼくは巡礼の旅に出た
はてしない荒野を歩き
後ろを振り返らず歩いていった
さらば青春の光
きたれ大人のとびら
眠れぬ夜をいくつ越えたことだろう
向こうからイタリアの ....
季節外れの帰省で乗りこんだ地下鉄は
死んだ目で立ち尽くすひとたちであふれていた
おそろいのイヤホンから漏れるうた
あてもなく
うわんうわん輻輳している
そう言えば
こえを失ったんだったわ
....
ぶつかってぶつかって流れている
浜辺で拾った
恥ずかしい過去でぼくはできている
不意に手を出して
重たい出来事にカウンターをあてる
かくかくと足を揺らし
きれいなものを瓶につめる
あとに ....
初めて知った
深夜には誰でも
猫の姿に戻るらしいと
どんな旅行者も
どんな政治家も
どんな偽善者も
どんな異教徒も
眠りに落ちれば
本性を現すらしい
しなやかなその背中
つやのある ....
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