あの彼女の感謝、 あの彼女の謙虚さ、
あの彼の郷土愛、
そうしたものが ひけらかされているとき、
あの人たちには
ともだちがいるんだっ ....
魑魅魍魎不可思議は
もはや
幻想の中でさえも朧げで
血も吐けない
死に体
蓬莱よ 月の光
コロニーのダイオードで滅された
神秘よさようなら
貴方達を残して 人間は進みます
ごめん ....
もうすぐ夜が明ける
誰かを励ますわけでもなく
体温がかえってくる
指の先を動かそうとして
ニカラグア
という響きが好きで
土地の名前は知っているけれど
主食が何かも
固有の生き ....
駅のホーム
階段の手前でパシッという音
打たれたのはまだ四、五歳の少年
打ったほうの女性は一人で階段を下り始めた
ママ! ママ! ママ!
立ち尽くしてただ泣くばかりのあなたを
抱きしめたい ....
通話を切られる前に自分で切ったこと
別れ話にのったこと
どこまで巻き戻せばいいんだろう
今日が日曜日で
私たちは恋人で
明日は友達かもしれない
時間をどこまで巻き戻して
....
立ち止まり見渡し後に続くのは世界の果てであり着地点
見上げる事も有ればその頂でじっとしている
動かないのではない、動いたら殺してしまうのである。
だから、動けないでいる。
何時かなんて訪れない ....
一番しんどいところで
踏ん張りがきかない
崩れてしまう
まるで私の人生の様で
情けない
壁が乗り越えられず
逃げてばかりいるからだ
不甲斐ない
生真面目に立ち向かっても
空回りするの ....
シュールな海に
陽が沈み
いつか見た魚が泳いでいる
ぼんやりと月をながめ
浮き世をいきる
わたしのように
ゆっくりと泳いでいる
潮にながされ
ただよい
....
22才になる自閉症の息子は
大半の情報をyoutubeから得ている
俺の知らないことも知っている
俺が知らないとキレて
パニックを起こすこともある
明らかに女房よりも博識だ
そんな息子 ....
くるみの内側を
走り続けていたよ
放物線を描いて
世界を広げようとしたよ
僕は
一人ではなかった
君の姿は、
見えなかったけど
くるみのにおいが
していたんだ
僕が目を覚ますときも ....
わたしがわたしのことを考えていると
障子がすーっと開いて誰かが入ってくる
いつか夢で会った人のような気がする
上から下まで赤い服を着ているので
目も眩むような思いで
何も言えないでいると消え ....
覚えています
あなたの鼻を触る癖
覚えています
あなたの足音
覚えています
あなたの匂い
覚えています
あなたの寝息
覚えています ....
蚊取り線香の匂いが漂っていた
あの夏の夜を
貴方は覚えていますか
時折天を仰ぎ
用意していた言葉を
ひとつ、ひとつ紡いで
気づくと蚊に刺されて
痒みを帯びた足の甲
それくらい動 ....
かたい骨のなかの
やわらかい骨にふる
いっしゅんの雨にうたれて
街はくずれた
犬たちはしんだ
わたしがほろびた
そうして きみへの優しさが
只 ....
貝殻
五月雨
百日紅
俺は化け物だ
他人とは相容れない
愛されず
触れず
少し遠くをひっそり生きる
俺は化け物だ
生まれたときから他人とは違う
愛さず
手を伸ばさず
少し遠くで震えながら待つ
俺 ....
滲む濃紺のシルエット
おくれ毛ぬれたその耳を塞いで
いたのは 誰の声だったのか
小さな手から逃げ出した
風船は 空いっぱいにふくらんで
音もなく 破裂した 大人びて寂しい
始まり ....
妖艶なほどに美しい花びらを翻す仕草を
ゆっくりと見詰めてみる
そこには シロツメクサの首飾りが
良く似合うだろう
知っているかい? 露を吸った時の甘味を
朝や雨明けの空にも 負け ....
*
背を向けて一人の男が寝ている。
一言の口も利かず、黙って、
かなり前から ずつと、
長い ながい時間
心はうたっているのかも知れない
新しい悲しみを
そして
南極 ....
出すもの出して
スッキリしたのなら
もう行かなくちゃ 行かなくちゃ
片づけるもの片づけて
くっきりしたのなら
もう行かなくちゃ 行かなくちゃ
世界は待っているよ
驚か ....
団地は
隣人の集合体だ
そこには
それぞれのお話
それぞれの事情
それぞれの理由
それぞれの歴史
それぞれの食物
それぞれの欲求
それぞれの体位
それぞれの安息 ....
この道ちがうんじゃない!
この間も通っただろう
いや、やっぱりおかしい!
間違いないよ、ナビを見ろよ
ナビがちがうんじゃない
え!変なことを言うな、不安になるじゃないか
....
太陽がまだ昇りきらない
鈍い光の中
近所の大きな公園を散歩する
芝生は朝露に濡れて
紫陽花はしとやかに
私はひもを引っ張るように
快楽と安寧を手繰り寄せる
公園にあるものはすべて ....
病気は
怪我と違って
病気と分かってはじめて
無理していたんだなあ!
と気づく場合が少なくない
だから、定期健診が必要だ
森の緑を照らす太陽が心地良い朝。
緑という緑が生気に満ちて光り輝いている。
森の奥からモーツァルトのクラリネット五重奏曲が聴こえてくる。
精霊たちが奏でる音色に聴き惚れていると心に勇 ....
昼間とは違い
夜は穏やかに過ごす
急ぐこともなく
大好きな料理を作り
大好きな人をもてなす
喜ぶ笑顔が
ふんわり明るくて
夜が持つ雰囲気が和らぐ
何処までも続く気がする
....
眼鏡の奥の青い瞳が血で染まる時、埠頭から飛び立つ鳥よ、憎しみに湧け。
人間の弱さを自分の弱さと重ね合わせ、逃避する心よ、悲しみに暮れろ。
存在を日々消費してゆく者が夕景に若いエキスを吸い ....
俺は日本テレビの
世論調査を受けたことがある
電話にたまたまキン玉出たからだ
支持政党はどこやらなんやら
政治的なこと聞いて来やがったので
「答えても良いけど
俺が日本人じゃなかったら
....
初夏の夜風、湿気と都会のノイズ
この中には諦めが満ちて
もうダメだって声が反響して、私は耐えきれず
いや私自身の声かもしれないそれに耳を塞いで
帰路につく
満員電車でボリュームを絞った音楽を ....
いくつものニオイが入り混じり
人々ゆきかう
東京、東京
賑わいすぎた街の声は
静かに私の心を殺してゆく
曇り空からわずかな西日
アスファルトの照り返しで
ああ、ここで死ん ....
1242 1243 1244 1245 1246 1247 1248 1249 1250 1251 1252 1253 1254 1255 1256 1257 1258 1259 1260 1261 1262 1263 1264 1265 1266 1267 1268 1269 1270 1271 1272 1273 1274 1275 1276 1277 1278 1279 1280 1281 1282
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.15sec.