薄臙脂色に錆びた 夜に向かう空
冷める夜営の街 風がなぞって
そんな絶景の中に 悲しい唄の語り部がひとり
物静かに立ちすくんで 遠くを見やり 語りだす
「誰のためでもない この世界で」 ....
冷たい空に似合う、寒い雨が降っていた
暗いインクの道に街灯が流す 光の滝
その中で これまた同化しそうな程の黒い傘をさしていた
「こんな景色では 僕は帰れないね」
喜びの滲んだ ....
あれから10年も、と
渡辺美里が歌う
100年続きますように、と
一青窈が歌う
10年前 父が他界した
真面目で
小心で
サービス精神旺盛で
ギャグがよくすべる
そんな彼を
私 ....
聴いてくれなくても
いいよ
息づいた
鎖骨のくぼみにすこしだけたまって
あとはみんな流れるよ
疲れた首
あなたに雪を投げる子ども
溶けて
白のうえに残っ ....
風見鶏
博愛
ポスト
うなだれて
中途半端な姿勢で
寄りかかって
肩が痛い
眠たいからしょうがない
かと言って眠れない
今夜もまた
夜は更ける
朝が近くなる
やっと眠りにつく
目覚めは早く
....
俺の脳天に風穴がふたつあいている、ひとつは自分でどうにか出来る、もうひとつは自分じゃどうにもならない、その穴はお前にどうにかして欲しい、そいつは俺にはどうすることも出来ない穴なんだ、俺 ....
ザプンと飛沫が上がる度
痛みが 一つ 弾けます
空は 真っ新なほどに 青くて 白くて
耀く太陽が 全てを覆い尽くす程に
ツライのですが
その言葉を 発する手前で
光が 消して ....
国有地を
不当に安く手に入れ
自称詩人育成学校を
設立しようとした
自称詩人の夫婦
(夫、硝子のガチョウ 妻、春風弥生)が
首相から
100万円の寄付を受けた
と証言した件は
実はホ ....
「綺麗」「美しい」
その語感に
こころとろけ
誘惑され
引き込まれる
私はそれを愛おしみ
抱きしめ愛撫する
それは秩序があり
天体のように
細胞のように
緻密で
謎に満ち ....
大地が鳴ってる
静けさ聴こえる
どんな時にも祝福を
憎悪ではなく祝福を
死の間際こそ祝福を
大地が鳴ってる
静けさに耳傾け
底の底から湧きあがる
生きて今在ること、
共鳴する ....
潮風を浴びている
白い丘
黒い岩肌、
なめらかな、
すべるように飛ぶ鳥の
くすんだ青の骨
、風に中指をのばす
調律師はもうなにも
弾かなくても、それが見えた
やさしい音楽 ....
朝の接近が
常態化して
討ち入りの日が
検討されると
本当の上司が
茂って来る
石器時代の庭に
埴輪があると言う
アナクロニズムで
長い川が美しく
明らかに正しい泡が
厚かましく ....
貰った花束をスマートフォンで切り取ったり
取れてしまったボタンを小さな箱にしまいこんだりすること
連なっているはずの港区の海の匂いは
知っている海と少しだけ違うような気がした
平坦につづく ....
雨上がりの今朝
出窓にノートを置いて書き物をしていたら
お隣に広がるガレージと倉庫では
レ ....
たのしいですか
妬みもあったんだ
悲しみもあったんだ
お前はそれに名前をつけるな
綺麗な場所もあったんだ
汚れたこともあったんだ
お前はそれに名前をつけるな
ほしいと思う日があるんだ
....
このままつよい
雨に紛れて眠りたいけど
子どもの涙みたいなお空の夜に
聴くべき歌があるなら知りたいな
ヒップホップもロックもいいよ
大体のことはもうわかった
大抵のことは最低で灰色さ
....
明日は明日だから
今日がどんなに澱んだ一日であっただろうが
つまらないことだらけで
怒りに満ち溢れ
涙が止めどなく
暗雲が立ち込めた日であったか
明るい笑い声に包まれ
歌声が ....
子どもが、笑うよ
私の中の子どもが笑う
けらけらと楽しそうに笑ってる
私は、すこし、引いて
そして、柔らかく時を眺めるの
笑う笑う
子どもが、笑う
香が引いていくよ
あ ....
ゴミのような自称詩にも
何かしら価値らしきものがあると
思っているうちは
ゴミ、糞尿、肥溜め以外の何ものでもない
久しぶりにすき焼き食った翌日の
シラタキ入りのウンコの方がまだ価値がある ....
波によって作られた影のようなものだけがそこに
子供の手を引いた人 そして
オークションで落札したコートを
私は着て歩く 他の誰に見せるというわけでもなく
老人の目をして 行く宛をなく ....
「ヒロシ暖かい」
「あぁ、バスが来るまで、こうしていようか」
「湯たんぽみたいって
湯たんぽをよく知らないから
電気ストーブみたい」
「あぁ、人間は生きているだけで
物理的には100 ....
夜のとばりが降りる頃
君の少し汗ばんだうなじに
おそるおそるてを伸ばす
これは夢だ
君のぬくもりに胸は震え
唇のやわらかな感触を感じながら
君の黒髪をゆっくりと撫でる
これは夢だ
....
お金の話って好きじゃない
お金に捨てられ
お金に拾われる
お金が触媒になり
化学反応を起こして
人々が交流する
価値の差異
貨幣の流通
嗚呼
まだ私は1984年に生き ....
崖を巡る
白い岩の径
ふたつの海の
ひとつは黙っている
水の底には花が見える
崖上からは羽に見える
降り来るものには
まばたきに見える
欠けた色の響きの ....
菫の花がかおるよ
あの香のむこうに
風が含み連れてくる香り
あなたがいなければ気付けなかった些細な変化に
微細な香りが揺れる
香りが変わる
あなたの見ている世界の香りは
どんな色あい ....
午前十時 駅の南口
キャリーバッグに詰め込んだ春の始まりの空気
わたしを見つけたあのこが笑って手を振った
作り上げた必然のようなただの偶然
滑り台のある公園の桜が三割ほど芽吹いて
その下 ....
[line]
彼女が不可思議な行動を見せるようになったのは僕たちが同棲をはじめてから数ヶ月ほど経ったころだった。ある朝、肌を逆撫でるような寒気に目を覚ますと、あけっぴろげにされた窓からあざやかに ....
人は過熱する成熟とともに
真珠の繊維を紡ぐようになる
貝がその内側に宝玉を育むように
人はそのすべての能力を費やして
経験と対峙し経験を醸成する
積み重ねられた生きる経験が
白い光 ....
1223 1224 1225 1226 1227 1228 1229 1230 1231 1232 1233 1234 1235 1236 1237 1238 1239 1240 1241 1242 1243 1244 1245 1246 1247 1248 1249 1250 1251 1252 1253 1254 1255 1256 1257 1258 1259 1260 1261 1262 1263
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.21sec.