好き…嫌い…好き…嫌い…好き…
あの…我が愛しき妻よ…
はい何でしょう?
いや…何でしょうではなくて…
やめていただけないでしょうか?
何を?
私の白髪を探りながら
....
静けさの含み持つ何か
自らの心落ち着いた時に
期せずしてやって来る何か
過去へ遡行しながら
未来から到来する
未来から到来しながら
過去へ遡行する
胸奥から込み上げ溢れ 溢れ込 ....
竹に埋もれた地蔵
春告鳥が鳴く
青い瞳の幽霊は
展望台を見上げ
白い髪のオーロラは
階段の途中で脈を整える
桜がゆれて
二人の壁になる
ライトアップが終わっても
....
大陸より大きな曇が
森のなかの
ただひとつ倒れた樹を見つめる
川に映る 自身を見つめる
横切る音が雨になり
小さなものを剥がす音が光になる
誰もいない国を過ぎる時
....
刎ねられた首の、落武者ヘアーの見慣れた顔がそこに在った。
所々に空いた障子の破れから庭の繁みを覗かせた薄暗い茅屋の畳のうえに
斑に変性菌類の付着した身体のない見慣れた鼠色の顔は飄々とした面持ちでご ....
二階の窓からみてる
箱にとらののらねこがうずまってねてる
ちいさい海が砂時計のまんなかみたいにきらきらしてる
沢で茶色いのらいぬがしんだときく
もう少し毎日の学習を解いていたい
晩ごはん ....
死に損ない
生き損ない
中途半端な生命だ
伸ばす腕も
足掻く足も
失って尚見る幻影が
進む先を
戻る跡を
朱色で隠してしまうから
あの日の地下鉄のホーム
鏡のアンバランスな僕
黄 ....
玄関のチャイムが鳴って出ると
幼馴染みのおばさんが
手作りのプリンを持って立っていた
上がってすぐの急な階段には
いつの間にかサンタのプレゼントが置いてある
すぐ下の弟の部屋からは
サ ....
相変わらずメリーゴーランドは
無人のまま永遠にまわっている
雨の日とか晴れの日とか関係なく
毎日ひたすらまわり狂っている
モノクロの少女たちが列をなして
空っぽのメリーゴーランドを眺 ....
詩よりも素敵な端正な言葉を
音律にのせて
たとえばジャニスは疎外をブルースにして
もうひとりのジャニスはこころの陰影をうたにする
ジムはロックの神になり
もうひとりのジムは瓶のなかの ....
仕事で大きなミスをして
通称仏の課長に怒鳴られた
そんな日の帰宅時に
声を掛けられる
あの…すみませんが
名古屋駅は初めてなもので
エレベーターはどこですか?
案内しますよ
....
スリット実験のように
バーチャルゲームのプログラミングのように
ぼくの観察によって世界が現れるのなら
彼らの考えていることくらい分かりそうなものなのに
トランプのこともアメ ....
空を見上げる
雨粒が降りてくる
一直線に堕ちてくる
粒の一つをただ見つめる
目的などない
経過する時間の長さと
静寂を感じられる
この手の平に堕ちてくる
もたらされた潤いを
握りしめ ....
さくら祭り 1
ソメイヨシノ
はクローンです
と理科の池野先生が言った
そこの桜も
不忍池のも
ポトマック川のほとりのも
同じように咲きます
....
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和やかな桜の下を
フイフイと狼が通り過ぎ
その背に乗ってみたいと
幼き心の子供が呟く
ただひたすらに
苔生した深い森のうろのような
陰湿な充足を噛み
ほころんだ蕾の微睡みを浴びて
....
チーターを貸して居たら
焼き立てパンが
食べ放題の倭人の集落
チゲをタダで食べられる
子を待ちながら
詩作した
骨がツアーを企画したので
サンダースと旅立つ
江戸時代へのタイムトラベル ....
卒寿となった
いまになり
とぎれ とぎれに
きこえてくる
青い年に
満ち満ちていた
ひかり あふれる
卯月の声が
なつかしいけど
あわれだ ....
*
足音がする
足音だけが
北側の
庭の隅を過ぎる
犬が吠えたてる
犬が頻りに
遠くの犬もつられて
吠える
枕もとの時計は
まだ
静かだ
浴室を出 ....
どしゃぶりのように一日がはじけ、次の一日へと突き当てる船首を送り出している。葬られた市街地にはダンプの轟音が反転し、除染作業員は冷たい海を交換し始める。この一年間はいずれ無限に回帰し、そのたびごと ....
ある冬の朝、飼っていた鸚哥が死んだ。
ちいさな黄色の、頬がほのかにあかい鸚哥。どのように出会ったのか思いだせない、な
ぜ、いつからここにいるのかさえわからない、物心ついたときには当たり ....
心ひしがれている
傷がうずいて
弱っていく
何ものかに背中を押される
前に進めと
うずくまる躰を起こし
一歩 一歩 歩き始める
景色はいくらか明るくなってゆく ....
○下の毛まで剃られて
入院生活
○オチンチンの中にまで管を通されて
入院生活
○全部投げ出して
手術台に乗る
○老老看護に老老介護
長生きも楽じゃない
○老人大国日本は ....
埃
雉
財布
井戸に落ちた少女が助け出される時間まで働いて得たお金の10倍パチンコにつぎ込んで
翌日には北朝鮮製のミサイル資金になって美しい日本海に落ちるのだろう。
今日もGODはいなかった。
夜飯は無く、
....
若かった彼らは
桜の枝を折ってパーカーで包み
花束のようにした
自分たちも美しい春になれたみたいで
嬉しかった
出会った日に裸になったのは
運命の人だったから
窓辺にバドワイ ....
コーヒーをかき混ぜるとスプーンが何かに触れた
すくい上げると 懐かしい腕時計
そっと指でつまんで 見る――当然死んでいると思ったが
――蘇生するような
秒針の震え!
....
ライトアップが終わると
足下の桜は消えていった
老婆は海側へと
手摺伝いに歩く
このまま
夏の花火を観たかった
美しい春の夜に
手をひかれながら
....
失っていくものなど
気づかなくていい
何も知らず
何も悟らなくていい
ただ美しい桜の下に
いつまでも子供のように立っていて
桜の季節は
故郷へ帰りたい
生まれた町の
小高い丘の公園に咲く
あの
ささやかな花吹雪こそ
懐かしい私の桜だ
愛があるなら
泣かずにはいられない
そんな場所が
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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